株式会社ラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション株式会社)は2020年10月30日、「経営者100人の意識調査」の結果より、「幹部の成長と課題」に関する考察を発表した。調査期間は2020年9月23日~10月12日で、全国の企業経営者100名から回答を得た。コロナ禍で激変した環境において、経営者が企業幹部をどう評価し、今後に向けて何を求めているのかを探る。
経済活動に深刻な影響を及ぼしたコロナ禍で幹部に求めるものとは。経営者のリアルな声を探る

事業環境が大きく変わったコロナ禍でも、約9割の経営者は幹部の成長を実感

激動の2020年を振り返った時、経営者は自社の幹部をどう見ているのだろうか。

はじめに、「昨年と比較し、幹部の成長を感じているか」と尋ねた。その結果、「大いに成長している」が14%、「成長している」が32%、「どちらかといえば成長している」が42%となり、約9割の企業の経営者が「自社の幹部は成長した」と感じていることがわかった。
経済活動に深刻な影響を及ぼしたコロナ禍で幹部に求めるものとは。経営者のリアルな声を探る

これからの時代を担う幹部に強化・備えてほしい力は

次に、「これからの時代、世の中の幹部には特にどのような姿勢や態度が求められるか」を尋ねたところ、63%が「実行力」と回答。続く「責任感」(38%)、「先見性」(37%)とは大きく差を付け、6割以上の回答が集まった。経営者は幹部に対し、企画や課題解決を着実に遂行していく「実行力」を備えてほしいと期待していることが分かる。
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経営者が「自己研鑽し、高める必要がある」と感じている能力とは

最後に、「経営者自身の仕事に欠かせない知識やスキルは何か」を挙げてもらった。最も多かったのは「リーダーシップ」で、53%と半数以上だった。以下、「コミュニケーション力」(44%)、「マーケティング」(38%)と続く。組織を動かすために従業員を率先して引っ張っていくリーダーシップは、企業経営において欠かせないスキルだといえるだろう。
経済活動に深刻な影響を及ぼしたコロナ禍で幹部に求めるものとは。経営者のリアルな声を探る
VUCAの時代、企業経営者はコロナ禍のような未曽有の事態にも対峙し、事業の存続と発展のための舵取りをしていかなければならない。そのために経営トップは、自らが強いリーダーシップを発揮し、幹部には各々のミッションを確実に遂行する力を求めている様子が窺えた。変わりゆく情勢の中で企業が柔軟に変化していくために、組織の上に立つ者が率先して現状を切り拓いていく力が必要ということだろう。

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