強いチームの特徴の一つとして、全員が一つの目標を追いかけているというものがあります。例えば、甲子園を目指している野球部。本気で甲子園を目指しているのであれば、全員が本音で話し合い、必死で練習を行い、試合に勝てば涙して喜びます。
 ビジネスで言えば、ベンチャー企業の草創期などもそれに当たります。何とか年間の売上目標を達成しようと、社員が一丸となって必死に仕事をし、1件契約が決まれば、肩をたたき合って喜ぶ。やはり、全員が一丸となれる目標は非常に重要です。
  では、皆さんは現在の自社の「年度目標」「年度方針」を暗記していますでしょうか?
 先日ある企業のマネジャー研修参加者20名に、「年度方針を暗記しているか?」と聞いたところ、なんと一人も暗記していませんでした・・・。

 マネジャーが全社目標、全社方針を覚えていないのであれば、当然その下のメンバーは覚えていないはずです。それどころか、「全社の目標・方針等、私とは関係ない」と考えているかもしれません。
 しかし、こうも言うでしょう「会社の目標・方針は知らないが、課の目標・方針は知っている」と。当然、知らないよりは知っている方が良いです。課の目標・方針に向かってメンバー同士が一致団結すれば、強いチームになっていきます。

 ただ、常に業績が良い企業の特徴として、メンバー一人ひとりが会社全体の目標・方針を意識しているということがあります。若手の社員でも、全社方針を覚えているのです。そして、さらに素晴らしいのは、全社方針を意識して行動しているということです。
 例えば、全社方針が「お客様にプラスワンのサービスを提供する」だったとしましょう(全社方針は、このように漠然としたものがほとんどです)。これについて、「自分の仕事でプラスワンサービスとは、〇〇することです」とメンバーが即答できる会社もあるのです。そのような会社のメンバーは、「自分は、方針に従って仕事をしている」「だから、会社の役に立っている」「自分は、会社の発展に貢献している」という感覚を持ち、多少なりともやりがいを感じているはずです。

 では、誰がメンバー一人ひとりに全社方針を浸透させるのか?これは、社長ではできません。なぜなら、社長は現場の細かい仕事一つ一つまで把握はしていないのです。方針を浸透させるのは、当然私たちマネジャーです。
 多くの経営者が、マネジャーに最も期待することとして、「トップが打ち出した方針を、現場に浸透させてほしい」と言っています。つまり、漠然とした全社方針を、現場レベルに翻訳してメンバーに繰り返し伝え続け、メンバーが方針を意識して仕事を行う状況にするということを大いに期待されています。
 
 そのように、メンバー全員が、全社的な方向性に目を向ける状況を作れば、当然チーム自体も強くなります。それだけではありません、全社方針に目を向けているチームが集まれば、会社全体が一致団結し、ますます強い会社となれるのです。

 色々難しそうなことを書いてきましたが、まず第一は全社目標・方針がなんであるかを改めて調べることです。できれば、プリントアウトして机に貼りだしておいてください。毎日見ていれば当然頭に入ります。そして、まだ遅くはありませんので、メンバー一人ひとりにその意味を噛み砕いて説明し、「我々の仕事で言えば・・」と具体的にイメージさせてください。
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