仕事の「質と量」のどちらを重視するか?
もちろん両方重視するのが理想ですが、どちらかを取れと言われれば、「量」を重視することをお勧めします。私たちが上司として、チームメンバーをマネジメントするにあたり、まずは「行動量」を増やすことを意識することが大切なのです。
第87回 仕事の質と量を高めるために
私は、よく営業部門のコンサルティングを実施します。実績が上がっていないのでコンサルティングを頼まれることも多いですが、現状を確認すると顧客への訪問量が圧倒的に少ないケースが多い。
そこで、「どうして、訪問量が少ないのですか?」と聞くと、「提案書の作成に時間がかかる」「社内の入力業務が多いので、外出時間が限られる」など、様々な理由が挙がってきます。それらの理由はもちろん間違ってはいませんが、つまるところ「訪問数が少ないことが習慣化されてしまった」という状況のことが多いようです。

そのような場合は、「とにかく、訪問数を2倍にする」といった、「量」を増やす策が有効のようです。一見荒っぽいやり方に見えますが、多くの場合効果が見込まれます。
訪問数を増やされた営業は、嫌々ながらも「とりあえず」訪問量をこなします。訪問を繰り返していくと、同じところに短期間で2回・3回と訪問する必要があります。ただ、何も用がないのに訪問することはできません。何か考えて訪問する必要があります。
すると、無理矢理でも提案を考えたりヒアリング項目を準備したりするなど、1回1回の訪問内容を工夫せざるを得なくなります。結果的に、「質」が高まっていきます。
質が高まると1回1回の訪問が効率的になって時間が短縮されます。その結果、訪問数がさらに増えるという好循環が生まれます。
営業を例に出しましたが、他の業務でも同様のことが言えます。

このロジックは、頭では理解できますが、上司にとって難しいのはメンバーに「量」を増やす指示を出すことです。最初は、「なぜ、急にそんなに量を増やさなくてはならないのでしょうか?」「だったら、社内の入力業務を改善してください。今の状況では無理です」などといったネガティブな反応も容易に予想できます。
それでも「量を増やしてほしい」と押し通す必要があるのです。「必ず効果が出る」「メンバーの成果を高めてあげたい」という強い信念がないとできないことです。

実際に「量」を増やし始めた段階でも、「うちの上司のやり方はおかしい」「こんなに部下をこき使って、何を考えているんだ」という声が聞こえるかもしれません。
それで引き下がらず、自信を持って「私を信じて動いてほしい」「みんなならできると信じている」と伝え続けることが求められます。

ここで、「あまり無理を言って、嫌われたくない」「結局成果が出ずに、後で文句を言われるのはゴメンだ」と、指示を出すのをやめてしまったり途中で方向転換したりすると、結局「質」も「量」も向上せず、何も変わらないことになります。
 
本気でメンバー一人ひとりの力を高め、強いチームをつくりたいのであれば、上司として「量を増やしてください!」と言い切る胆力が必要な場面もあるのです。
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