第107回 東京オリンピック・パラリンピック開催時の採用活動や研修はどうなるのか

採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

ProFuture代表の寺澤です。
今回は、いつもとは少し変わった調査結果について報告したいと思います。HR総研では、2019年12月18〜25日に、東京オリンピック期間(2020年7月24日〜8月9日/以下、「オリンピック期間」)および東京パラリンピック期間(2020年8月25日〜9月6日/以下、「パラリンピック期間」)における人事業務の動向についての緊急調査を実施しました。企業は、東京オリ・パラ期間中の従業員の就業環境、採用業務、研修などについて、どのような対応を考えているのでしょうか。なお、集計については、東京周辺企業(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県を拠点とする企業)とそれ以外の企業、さらに東京周辺企業については従業員規模別に分けて比較してみました。

東京周辺企業とそれ以外では大きな温度差

まず、オリンピック期間における従業員の就業環境整備について聞いてみたところ、東京周辺の企業のうち1,001名以上の大企業では、「少し不安である」と「あまり不安ではない」がともに最多で29%、次いで「不安である」が17%となりました [図表1]
「不安」派(「不安である」と「少し不安である」の合計、以下同様)が46%と半数近くに上っています。301〜1,000名の中堅企業では、「少し不安である」が最多で39%、次いで「どちらとも言えない」と「あまり不安はない」がともに18%となっています。「不安」派は55%と半数以上を占めており、大企業より不安感が大きいようです。300名以下の中小企業では、「あまり不安はない」が最多で38%、次いで「不安はない」が23%、「少し不安である」が18%となりました。「不安」派は23%にとどまり、大企業や中堅企業と比べて不安感を抱く企業は少なくなっています。

一方、東京周辺以外の企業では、「どちらでもない」が最多で31%、次いで「不安はない」が30%、「あまり不安はない」が24%となっており、「不安である」とする企業は1社もなく、「不安」派の割合は「少し不安である」の15%のみとなっています。東京周辺企業とそれ以外の企業では、かなりの温度差があります。

同様にパラリンピック期間における従業員の就業環境の整備についても見てみると、東京周辺企業のうち大企業では、「あまり不安ではない」が最多で27%、次いで「どちらでもない」が23%となっています[図表2]
中堅企業では、「少し不安である」が最多で39%、次いで「あまり不安はない」が26%、「どちらでもない」が16%でした。「不安」派は、大企業で36%、中堅企業で50%、中小企業で16%となっており、オリンピック期間中と同様に、東京周辺の中堅企業の不安感が最も高い傾向にあることが分かります。ただし、どの企業規模においてもオリンピック期間と比較すると、不安感を抱く割合は減少しており、交通事情の混乱が緩和することを想定しているようです。東京周辺以外の企業では、不安感を抱く割合は、オリンピック期間よりさらに低い1割未満(7%)となっています。

著者プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
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