150年前の秋、ちょうど今頃の時期に大きな歴史的出来事があった。「大政奉還」である。この出来事には多くの人物が関わっていたが、その中でも重要人物の一人として挙げられるのが坂本龍馬であろう。大政奉還のほかにも亀山社中(海援隊)の設立、薩長同盟など多くの事を成し遂げたとされる、誰もが知る幕末のヒーローである。
坂本龍馬に学ぶ「職場内支持率」向上のための7つのエッセンス

ところで、時は現代、社労士として労務管理のご相談をお受けしていると「部下やパートさんたちが言うことを聞いてくれない」というお悩みをしばしば耳にすることがある。例えば、長時間労働を削減するために効率的な新しいやり方を提案しても反対されたり、すぐに従来のやり方に戻ってしまい一向に定着しなかったりといった具合である。
坂本龍馬(以下、龍馬)は多くの人を巻き込み、協力を引き出しながら前述のような大事を成した。だとすると、龍馬の人物像や行動などからその悩みの解決方法が見いだせるかもしれない。以下、そのエッセンスとなりそうなものを探ってみた。

(1)キーパーソンを押さえる
討幕派の桂小五郎、西郷隆盛、幕府方の勝海舟、松平春嶽ら重要人物と交流を持っていたことが龍馬の成功を後押ししたことは間違いなさそうだ。私自身も飲食店の店長時代に経験があるのだが、店内で何か徹底したいことがあるときはまず有力なパートさんにしっかり説明して理解してもらうことが事を上手く運ぶ上での肝であった。まずは組織内でそうしたキーパーソンを見極め、味方に付けていくことも一つの手であろう。

(2)コミュニケーションを密にとる
龍馬は「手紙」というコミュニケーションツールを多用していたことで知られている。現存しているだけでも140通以上あるそうだ。こまめに情報を発信し、共有していたからこそ多くの人の共感を得ることができ、協力も引き出せたという見方もできそうである。現代においてはメールやSNS等のツールを上手に活用したい。

(3)笑いを取る
前述の龍馬の手紙には、真面目な仕事の手紙が多いようであるが、一方でユーモア溢れる、笑いを誘うような手紙も多かったという。普段の龍馬もそうした笑いの絶えない人柄だったと推測できる。笑う門には福来る。不機嫌な顔をしているよりもニコニコしている方が人の心を掴めそうだ。苦しい時も笑顔を意識したい。

(4)人の話をよく聞く
多くの要人と交流のあった龍馬であるが、部下や年下の者、女性等の話もよく聞く人であったという。そうすることで多くの情報を集め、同時に信頼も得ていったと考えられる。話を聞いてもらえるというのは嬉しいものである。「人の話をよく聞く」というのはリーダーとして大切なスキルであろう。

(5)先を見据える
龍馬について次のような有名な逸話がある。
※注)分かりやすく脚色している

龍馬「長刀よりも短刀の方が実戦向きでよい」
友人「なるほど、短刀を持とう」
(後日…)
龍馬「刀はもう古い。これからはピストルだ。」
友人「よし、ピストルを買おう。」
(さらに後日…)
龍馬「これからは法律の時代だ!」
友人「龍馬、お前すごいな!」


常に最先端の情報を持ち、先を見据えていることが人を惹きつける魅力なのかもしれない。

(6)ほめる
亀山社中時代の龍馬の部下で陸奥宗光という人物がいた。龍馬よりも随分年下であったが、龍馬はよく陸奥のことを「陸奥大先生!」と持ち上げていたという。相手が気持ちよく仕事ができるような声掛けは大切だろう。

(7)行動する
龍馬が脱藩してから大政奉還まで、わずか「5年」であった。龍馬は正に“行動する人”であったと言えるだろう。口だけの人には人はついてない。自ら行動で示すことが必要だ。

その昔、私が飲食店の店長をしていたことは先に述べたが、その時の常連のお客様で元経営者(ガソリンスタンドチェーン経営)の方がいらっしゃって、次のようなアドバイスを頂いたことを覚えている。
「経営は政治と同じだ。貴方も支持率を高めなさい」
支持率が高ければ、何をするにも半ば成功したも同然という訳である。
上記の1~7の項目は、その支持率向上のヒントとなり得るのではないだろうか。
 
最後に、龍馬も次のような言葉を残している。
「人間、不人気では何もできませんな。いかに正義を行おうと、ことごとく悪意にとられ、ついにはことを捨てざるを得なくなります』

出岡社会保険労務士事務所
社会保険労務士 出岡 健太郎

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