HRプロの人事トレンドニュースでは2月、経済産業省による「賃上げ促進税制」強化の公表のほか、「2023年度・人的資本開示・人事施策実施状況」や「新人研修の満足度」、「2024年の入社式」、「大企業のインターンシップ」に関する調査結果といったニュースをお伝えしてきました。24年2月のHR関連ニュースを以下でご覧ください。
【HRニュースまとめ】2月|【新人研修】8割が「OJT」に高い満足度を示す。“実践型カリキュラム”が好感触か ほか

【大手企業の人的資本開示】「人事部のみで対応」が約7割に。方針や戦略との関連が課題か

【大手企業の人的資本開示】「人事部のみで対応」が約7割に。方針や戦略との関連が課題か
株式会社Works Human Intelligenceは、「2023年度・人的資本開示および人事施策実施状況に関するアンケート調査」の結果を発表した。まず大手企業の人事戦略策定社85名を対象に、「人的資本情報の社外開示対応状況」を尋ねた。すると、「開示した」企業は7割を超えることがわかった(うち非上場など義務化対処外企業が1割)。

そこで、「人的資本情報開示の対応(情報収集・抽出~開示)における実施体制」を尋ねたところ、「単一部門が対応」との回答は7割を超えた。また、そのうち95.7%が「人事部で対応」と回答していることから、人的資本開示を実施した企業の約7割が「人事部のみ」で対応していると示唆され、主管部署に偏りがあることが明らかとなった。

あわせて、「人的資本情報開示対応において最も苦労したこと」を尋ねると、「経営方針・戦略との関連性」、「KPI設定・具体的な開示範囲の設定」、「グループ全体の統制」といった項目が多く寄せられたという。

「賃上げ促進税制の強化」を経産省が公表。税制改正により最大税額控除率を引き上げ

経済産業省は2024年1月25日、構造的かつ持続的な賃上げを実現するため、「賃上げ促進税制」を強化すると公表した。今回改正された税制は、2024年4月1日から2027年3月31日までの間に開始する各事業年度が適用対象だ。改正により、最大税額控除率は、大企業・中堅企業で35%、中小企業で45%アップする(改正前は大企業・中堅企業が30%、中小企業が40%)。主な改正点は以下の5つだ。

(1)大企業向け:さらに高い賃上げ率の要件(5%、7%)を創設
(2)中小企業向け:5年間の繰越控除措置を創設
(3)中堅企業向けの新たな枠を創設
(4)雇用の「質」も上げるべく、教育訓練や子育てとの両立支援などを行う企業への上乗せ措置の要件緩和・創設
(5)現行の税制よりも長い、3年間の措置期間を創設


政府では、企業が得た収益を従業員に還元する仕組みとして、「成長と分配の好循環」を実現したい考えだ。今後も、本税制をより多くの企業に活用してもらうために、周知・広報に努めるとともに、各種施設を通じた環境整備によって民間企業の賃上げを応援していきたいとしている。

【新人研修】8割が「OJT」に高い満足度を示す。“実践型カリキュラム”が好感触か

【新人研修】8割が「OJT」に高い満足度を示す。“実践型カリキュラム”が好感触か
株式会社Synergy Careerは、「新人研修の満足度に関するアンケート調査」の結果を発表した。はじめに同社のLINE登録者106名を対象として、「実際の仕事で役に立ったと感じるカリキュラム」を尋ねた。その結果、「グループワーク」、「講義形式」、「ビジネスマナー研修」、「OJT」が上位にあがった。

また、「新人研修で満足度の高いカリキュラム」を尋ねたところ、「OJT」(80.4%)が最も多く、以下、「ロールプレイ」(65.8%)、「ケーススタディ」(60%)と続いた。「講義形式」や「グループワーク」といった実施割合が高いものよりも、実践型カリキュラムの方が上位を占めることがわかった。

そこで、カリキュラム内容で満足している点を尋ねると、「同期との仲を深められた」、「研修が実際の仕事に役立つカリキュラムだった」が多数を占めたという。対して、カリキュラム内容で不満に感じている点は、「覚えることが多すぎてついていけない」、「研修のゴールが明確ではない」、「実際の仕事に役立たないカリキュラムだった」がいずれも2割程度となり、意見が分かれる結果となった。

【2024入社式】「リアル」開催希望は8割超に。“社員や同期との交流”を心待ちにする声も

【2024入社式】「リアル」開催希望は8割超に。“社員や同期との交流”を心待ちにする声も
株式会社学情は、「入社式に関する調査」の結果を発表した。まず2024年4月に入学を控える新社会人396名を対象に、「希望する入社式の形態」を尋ねた。すると、「リアル」を希望する人は計85.4%と8割を超え、前年と比べて15.5ポイント増加することがわかった。一方、「オンライン」を希望する人は計10.4%と、1割程度であることも明らかとなった。リアルでの参加を希望する人からは、「入社するという実感を持ちたい」、「職場の雰囲気を掴みたい」などの声が聞かれたという。

また、「入社式にあると嬉しいコンテンツ」を尋ねたところ、「社員と交流できる」が最も多く、以下、「同期と一緒に『体験』ができる」、「キャリアプランの目標設定ができる」が続いた。その理由として、「社員と直接話し、目標となる先輩を見つけたい」、「同期と親睦を深めたい」といった声が寄せられたとのことだ。

さらに、「希望する新入社員研修の形態」を尋ねると、入学式の希望形態と同様に、「リアル」の希望者は合計8割を超えることも判明した。

三省合意による“インターンシップの定義変更”。人事の8割超が「認識」するも「十分な理解」には未だ遠く

三省合意による“インターンシップの定義変更”。人事の8割超が「認識」するも「十分な理解」には未だ遠く
株式会社アカリクは、「大企業のインターンシップに関する実態調査」の結果を発表した。はじめに従業員数1,000人以上の大企業に勤務する人事担当者で、25卒生向けのサマーインターンシップに携わった100名を対象として、「産学協議会がインターンシップの新しい定義について取りまとめ、発表したことを知っているか」を尋ねた。すると、「内容までよく理解している」が46%、「聞いたことはあるが十分にできていない」が37%となった。8割以上が新定義を認識しているものの、十分に理解できている人は半数未満にとどまることがわかった。

また、今年度実施した自社のサマーインターンシップにおいて、新たな4類型のいずれかに該当するよう「形式を変更した」という企業は約8割あることも明らかとなった。そのうち、「新たな定義の要件を満たすインターンシップを追加した」との企業は7割を超えたという。

しかし、「プログラムの形式変更や新設を進める上で課題になっていること」には、「担当者・時間の不足」や「受け入れる体制の未整備」といった声が多く寄せられたとのことだ。

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