株式会社カルチャリアは2022年4月12日、「従業員意識調査(サーベイ)活用の実態調査」の結果を発表した。調査期間は2022年3月31日〜4月1日で、外部の従業員サーベイを活用している、企業規模が従業員数100名以上の経営者・役員の計109名から回答を得た。これにより、「従業員サーベイの運用実態」や「調査結果の活用状況」などが明らかとなった。
「従業員サーベイの重要性」を経営層の7割が実感。従業員の声をヒアリングする際に外部サーベイを活用する利点は

コロナ禍により「従業員サーベイ」を重要視する傾向が高まる

新型コロナウイルスの感染拡大以降、従業員の心身の状況を尋ねる「従業員調査(サーベイ)」の活用を、企業の経営者や役員はどのように考えているのだろうか。

はじめに同社が、「コロナ禍によって、第三者機関を活用した社内の従業員サーベイは重要になったと思うか」を尋ねた。その結果、「かなりそう思う」が36.7%、「ややそう思う」が39.4%で、肯定する意見は合計76.1%となった。
コロナ禍により、従業員サーベイは重要になったと思うか

従業員サーベイが重要な理由のトップは「テレワークで従業員の状態がわからないから」

同社は、「第三者機関による従業員サーベイが重要になった」と答えた人に、その「理由」を尋ねた。すると、「テレワークで従業員の状態がわからないから」(57.8%)と、「不要不急の会話は避け、コミュニケーションが減少しているから」(56.6%)の2項目が多くの回答を集めた。

さらに、自由回答では、「従業員の心理的変化には敏感になるべきだと思う」、「新しい働き方での従業員満足度が会社の生産性に影響すると思う」といった意見があった。
従業員サーベイが重要になったと思う理由

8割弱は、従業員サーベイの結果を「人事施策の検討」に活かす

続いて、同社が「第三者機関による従業員サーベイの結果を踏まえ、人事施策や社内施策を検討しているか」を問うと、「行っている」は78.9%、「行っていない」は14.7%という結果になった。
従業員サーベイの結果を踏まえた上で人事施策等を検討しているか

従業員サーベイの結果を踏まえた施策の実施効果は?

同社は「従業員サーベイの結果を踏まえて施策検討をしている」とした回答者に、「そのことで、人材定着課題が改善されていると思うか」を尋ねた。すると、「かなりそう思う」が29.1%、「ややそう思う」が46.5%で、両者を合わせて75.6%となった。
従業員サーベイの結果を踏まえた施策により人材定着課題が改善されていると思うか

5割が「心理的安全性の確保」や「コミュニケーションの促進」をメリットに挙げる

最後に、先述の「人材定着課題が改善されていると思う」とした回答者に対し、「改善された要因」を尋ねた。トップは「従業員の心理的安全性が確保されたから」と「上司・部下のコミュニケーションが改善されたから」がともに52.3%となった。以下、「従業員の業務適性を踏まえた配置転換ができたから」が43.1%、「部署を超えたコミュニケーションが活発化したから」が40%で続いた。
人材定着課題が改善された要因
調査結果では、「コロナ禍で第三者機関の従業員サーベイが重要になった」と感じている経営者や役員が7割を占めた。外部機関による調査を行うメリットに、「心理的安全性の確保」や「自社を客観視できること」があるようだ。人材定着等の課題解決に向け、実施を検討してみてはいかがだろうか。

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