「45歳定年制」は現実的なのか? 調査ではライフプランを見直す機会とポジティブに捉える人も

株式会社LENDEXは2021年11月24日、働く人の早期退職に関する意識調査について聞いた『「45歳定年制」に関する調査』の結果を発表した。調査日は2021年11月11日で、全国の40代の会社員1,014名から回答を得た。これにより、「45歳定年制」について、40代のビジネスパーソンが持つ意識や企業での実態などが明らかとなった。

約半数が「退職を考えることがある」と回答。不満の理由として上位に挙げられたのは?

サントリー新浪社長の経済同友会における発言をきっかけに、「45歳定年制」という言葉が話題になった。では、実際の40代のビジネスパーソンは早期定年や早期退職についてどのような考えなのだろうか。「現在の会社員生活において不満に感じること」を聞くと、トップは「給与や報酬額」で50.6%が回答。次点以降は、「全般的にモチベーションを感じられないこと」(12.3%)、「社内の人間関係」(12.2%)と続いた。

さらに、「退職後の生活を明確に見据えた上で、退職を考えることはあるか」という問には、「ある」とした人が47.7%で、半数に迫った。退職後のライフプランを想定しながら、退職を現実的に考える人も多いようだ。
会社員生活での不満と、退職を考えることの有無

早期退職制度を導入している企業は少数派。個人レベルでは「45歳定年制」をポジティブに捉えている動きも

「現在の勤務先は、早期退職制度を導入しているか」という問に対し、「導入している」が15.2%、「導入していない」は84.8%だった。

早期退職制度を導入しているという企業に属している回答者に、「制度適用の対象年齢」を尋ねた。最多は「50歳以上60歳未満」で76%と大半を占めた。以降は「40歳以上50歳未満」が22.7%、「30歳以上40歳未満」は1.3%と続いた。

早期退職制度を設ける目的や対象は、企業によって様々となっていたが、若手人員との入れ替えなど「組織の活性化施策」として期待を寄せる企業もありそうだ。

また、フリーコメントから、「45歳はある程度の方向性や成果が見えてくるという意味だと捉えている。もはや年功序列の時代ではない」や「45歳定年だと将来の生活設計ができる前に退職しなければならないので、働く側からすると厳しい」、「退職後のプランが明確にある人は良いが、ない人は困ると思う。定年前に、“退職後のセカンドライフ”に向けたセミナーや体験教室があると良い」などの声を紹介していた。

退職後の生活をイメージできず、“ネガティブ”に感じている人がいる一方で、「45歳」を人生の節目とし、新たなキャリアをスタートするきっかけにしたいと“ポジティブ”に捉える人もいた。
早期退職制度導入の有無と、対象年齢

会社から希望者を募る「早期退職」はどの程度進んでいるのか

さらに、「会社から早期退職を持ちかけられたことはあるか」という質問をしたところ、「ある」が3.1%で、「ない」は96.9%となった。

また、全員に「早期退職を考えるきっかけ」について聞くと、1位は「今後の生活資金が確保できること」で35.5%が回答。2位は「退職金について納得できる額が提示されること」で22.1%、3位は「仕事的にも役職的にも期待が持てず、モチベーションが湧かないこと」で21.1%となった。

早期退職を考えるきっかけの上位回答は、資金面についてだったが、「働きがい・やりがい」も影響を及ぼしていることが判明した。
会社からの早期退職の持ちかけの有無と、早期退職を考えるきっかけ

40代会社員のリアルな貯蓄額の実態は?

早期退職を考えるきっかけは、「今後の生活資金の確保ができること」とした人が多かったが、貯蓄額の実態は「100万円以上500万円未満」が28.6%でトップとなり、以下、「100万円未満」の24.7%、「500万円以上1,000万円未満」の19.3%と続いた。退職後に再就職をせずに生活していくには、十分ではない人が多いという様相を呈した。
40代会社員の現在の貯蓄額

約7割は老後に不安を抱える一方、「資産形成」に取り組んでいる人も多い

「投資などの資産形成に取り組んでいるか」という質問では、「取り組んでいる」が47%と40代の約半数は、資産形成を進めていた。一方で、「老後に不安はあるか」を聞くと、「非常に不安」が43.7%、「不安」が26.2%となり、合わせると7割弱が不安を感じている状況。老後に年金のみで生活することは厳しいと考え、ある程度の貯蓄や資産形成による収入の見通しが必要と準備している人も多いと推察する。
老後への不安と、資産形成の有無
今回の調査では、退職後の生活資金等を考えると、早期退職を不安視する人が多いことが明らかとなった。一方で、「45歳定年制」については、ライフプランの再設計の節目としてポジティブに捉えている人もいる様子だった。ミドル世代以上のキャリア設計支援について、企業側も他社の取り組み事例を参考にして、方策を検討しておく必要がありそうだ。