連載「人事大解剖~他社の人事のリアルを知る~」は、リレーインタビュー形式で、業務において大事にしている考えや日常の悩み、気になっているHRのキーワードなどを紐解きながら、人事のリアルに迫っていく。正解がないと言われる時代だからこそ、多くの人事の視点や考えを通じて、業務や課題解決のヒントをお届けする。人事リレーの輪34人目は株式会社グラファーの人事を統括する、執行役員(コーポレート本部) 羽生 和馬氏が登場。同社は行政手続きのオンライン化を支援する自治体向けDXソリューションや、生成AIを活用した企業の業務変革支援などを手がけている。本記事では、AI時代の人事や組織の本質・あり方のほか、人事として大事にしている羽生氏のポリシーやオススメの書籍などをお届けする。
社員に説明できないことはしない――グラファー 羽生 和馬氏【人事リレーの輪34人目】

Q1:これまでのキャリアは?

【人事リレーの輪34人目】
株式会社グラファー
執行役員(コーポレート本部) 羽生 和馬氏



新卒で入社したのは、人事領域のコンサルティング会社です。そこでは顧客への提案からデリバリーまでを一気通貫で経験しました。その後、事業会社に移って人事を経験し、30歳のときに、当時ヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)の子会社で動画配信サービスを展開していた株式会社GYAOに転職しました。

GYAOでは、組織が150名規模から300名規模へと拡大していく過程を経験し、人事部長も務めました。親会社のヤフーだけでなく、その親会社であるソフトバンクグループ全体のさまざまな人事の事例を知ることができ、キャリアの転換点だったと捉えています。その後、GYAOの事業がヤフーに統合されたタイミングで私もヤフーに転籍し、広告事業の人事責任者を務めました。GYAOとヤフー合わせて、7年ほど在籍しています。

そして2021年、縁あって当時専任の人事が不在だったグラファーに入社し、現在に至ります。

Q2:今の人事としての役割・ミッションは?

コーポレート部門の責任者として、人事のほか、経理・財務、経営企画、広報、情報システムなどを管掌しています。

Q3:今抱えている主な人事課題は?

スタートアップでは、人事制度をゼロから作り上げることが多いと思います。制度自体は、概ね2~3年で一通り運用が回る形になると感じています。ただ、そこから自社の成長や外部環境の変化に合わせてより良い運用や浸透を目指していくのは、地道な道のりなんです。制度を作り上げるときと比べると、運用の改善を重ねても、目に見える派手な成果が出るわけではありません。当社はいま、まさにそのフェーズに入ったところです。

この先、いかに短期の成果やわかりやすい変化に踊らされずに、意志を持って粘り強く運用し続けられるか。そこが当社の主な人事課題だと思っています。地道に制度を運用し、社内に浸透させていけば、今後の人・組織づくりの選択肢も増えていきます。目先ばかりを追いかけていたら、一過性の効果に満足するだけで、企業のビジョンや持続的な成長と人事の戦略が噛み合わなくなっていくでしょう。

私は、人事制度とは、その会社が「人・組織に対してどうありたいか」という意志を、仕組みで表したものだと考えています。だからこそ制度設計と制度運用はセットで考える必要があります。ところが、運用が徹底されずに制度が形骸化してしまうという話は、スタートアップに限らずよく耳にします。今後も、流行りや短期的な成果に惑わされず、愚直に人事制度を運用していきたいと考えています。

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