楽天がグローバルで人事プラットフォームを刷新。共通の「正確」な人事データを「タイムリー」に活かしてイノベーションを活性化

第4回 日本HRテクノロジー大賞(2019年実施) 受賞企業インタビュー

楽天株式会社はグローバルに事業を展開する中で、多様な人材の採用、育成、定着といった課題を抱えていた。これを解決すべく、グローバルでの人事データ統一基盤に刷新。対象20カ国、グループ100社、従業員35,000名以上に及ぶ大規模プロジェクトでありながら、たった1年で導入を果たした。このシステムによってグローバルにおける各種人事データを一元的かつ即時に把握できるようになり、戦略的な人員配置や個人に寄り添ったキャリア開発などが可能になったという。この施策は高い評価を得て「第4回HRテクノロジー大賞」で『大賞』に輝いた。そこで、本プロジェクトの経緯や具体的な成果などについて、楽天株式会社のグループ人事部ジェネラルマネージャーの黒田 真二氏と、同社グループ人事部 人事企画課 HRISグループマネージャーの椎野 恭平氏のお二人に話を伺った。

第4回 日本HRテクノロジー大賞『大賞』

楽天株式会社

イノベーションを加速する「グローバルデータドリブン人事プラットフォーム」

対象国20カ国を超える規模でグローバル共通のデータモデル・プロセスを策定することにより、全世界共通の人事データ統一基盤(HCM)をわずか1年で構築。対象国20カ国の人事が協働して導入を進めたことで、採用・タレント管理・評価・ラーニング・経費管理を1プラットフォームで順次実現しているなど、データに基づいた判断材料を提供する人事システム刷新への取り組みが高く評価されました。

ゲスト

  • 黒田真二 氏

    黒田真二 氏

    楽天株式会社
    グループ人事部 ジェネラルマネージャー

    大学院修了後に国内シンクタンク、外資系コンサルティング会社を経て2008年に楽天株式会社に入社。人事情報システムの導入、人事制度設計・運用、人材開発、労務管理など幅広い分野を経験。シニアマネージャー、ヴァイスジェネラルマネージャーなどを経て2018年より現職。人事企画、オペレーション、労務、採用、育成全般を管轄。国内、海外で一貫性のある制度、運用体制の構築に取り組んでいる。
  • 椎野恭平 氏

    椎野恭平 氏

    楽天株式会社
    グループ人事部 人事企画課 HRISグループ マネージャー

    中学・高校をアメリカで過ごし、日本の大学に進学。大学卒業後に日本ヒューレット・パッカード株式会社に入社。ビジネスプロセススペシャリストとして見積・契約に関係する営業・業務のオペレーション改善などを担当し、2010年にLean Six Sigmaグリーンベルト認定を取得。2016年から楽天株式会社に入社し、採用システムの導入・改善・オペレーション強化を経験。アシスタントマネージャーを経て2017年より現職。人事の業務をシステム導入・改善の観点でサポートしている。

グローバルな人事情報の活用が世界基準のサービス創出に必要だった

――日本発のグローバル企業である貴社が、人事システムを一新するというのは、まさに一大プロジェクトだと思います。どのような背景でこの取り組みがスタートしたのでしょうか。

黒田真二氏(以下、黒田) 楽天では「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする。」ことをミッションとして掲げています。そして国籍や性別に関係なく多様な人材が繋がり合い、変化・成長を促進していくことでイノベーションを生み出そうとしています。このような考えから2010年に楽天のグローバル化が本格化しました。英語を社内公用語にし、国内外の様々な会社を積極的にグループ化していきます。

日本の楽天はグループの本社(or本拠点)であり、国籍を超えた各国グループ企業のマネジメント層と横の繋がりを構築しています。そのため、当時の人事部門が新たな人事システムを導入。会社ごとにまとめられていた人事情報を、グローバル全体で集約、管理する格好でどこにどのような人材がいるのかを掴んできました。

データに基づき、広い視野で現場のニーズに合った人材採用、育成、定着を図るためには、人事に関する情報を即時に得られる必要があります。しかし当初のシステムを5〜6年にわたって運用する間に、タイムリーに情報が手に入らない、ローカルのシステムが引き続き並行稼働されており情報の品質にばらつきがある、といった課題が浮き彫りになりました。そこで海外の拠点や現地法人の理解が得られ、多様な人材の誰もが使いやすい、そんな人事データの統一基盤を構築しようというのが今回のグローバルでの人事システムの刷新にいたったきっかけです。

椎野恭平氏(以下、椎野) 楽天本社が使っている人事システムと、海外グループ会社のシステムが異なると、同じ切り口でデータを抽出しようとしても、ずれが生じてしまい認識が合いません。つまりミスコミュニケーションが生じやすいのです。「グローバルイノベーションカンパニー」を目指す上で、楽天ではグローバル全体での人的資源の状況を横断して、数的に把握する必要があると考えています。しかし、取り出した各国のデータを比較するには、かなりのリードタイムと工数がかかっていました。

グローバルでデータ基盤を一本化すると、抽出が容易になるだけでなく、重複入力を防げます。そしてデータを扱う経営層、マネージャー、人事担当者の一人ひとりにまで、より正確かつ最新の情報を提供することが可能になります。そこで2017年に人事システム刷新のプロジェクトを立ち上げ、1年で導入し、運用を開始しました。これは対象国20カ国、グループ100社、従業員35,000人を超える、楽天としても初めての大掛かりな一斉導入となりました。

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