人材育成のPDCAサイクルと仕組みづくりのプロセス

営業強化のためには、SFA/CRMを徹底活用するだけでなく、人の動きをセットで変えていく必要があります。

弊社の取り組みを支えているのが、Salesforceのプラットフォームです。Salesforce はSFAとしてだけでなく、Learning Journeyと学習状況を可視化するなど、人材育成の部分でも活用できます。製品ありきではなく、施策をもとにツールを活用するからこそ、こうした取り組みが可能となるのです。

弊社では、今回ご紹介したような仕組みを通じて、営業人材育成のPDCAサイクルを以下のように回しています。

P:SFA・CRMで目指すべき中央値(営業の生産性の指標)を設定し、イネーブルメント部門がそのための施策やコンテンツを開発
D:イネーブルメント部門がトレーニングなどを提供し、営業人材は現場での営業活動に反映させる
C:SFA/CRMでパフォーマンスを分析
A:SFA/CRMで施策精度を向上させる
筋肉質な営業組織はこう作る!営業部門に特化した「セールス・イネーブルメント」という人材開発の仕組み
単にトレーニングやコンテンツを提供するだけでは、効果的な営業組織の育成は困難です。上記のように一体的に運用することで、最終的に営業のパフォーマンスが底上げされると言えるでしょう。

弊社でも最初からこの仕組みができていたわけではありません。このような状況になったのはつい最近です。2011年、最初のイネーブルメントチームは3人程でした。当時はまず、現場に圧倒的に支持されるトレーニング・コンテンツを提供するようにしました。3年ほど営業ツールやコンテンツを引き続き提供したのち、徐々にスケールさせるために、次は影響力の大きい新人マネージャーの立ち上げを行いました。それをさらに可視化したり共有化したりするために、システムの利用を開始しました。

システムありきではなく何かの育成プロセスと並行してシステム導入を検討する形が望ましいでしょう。まずは、現場にとっての武器を提供しないと、イネーブルメントの効果を感じてもらえないからです。

検討時のステップとしては、まず、SFA/CRMの活用から始めることが重要です。ここでも、育成ありきで仕組みづくりをするのではありません。営業活動を一元管理し、標準化した上でデータを蓄積させ、それを分析することで、現場にとっての武器を変えていく仕組みを作ります。そうすることで初めて、ビジネスに整合した育成部門を組織できるのです。

今回ご紹介した施策や仕組みのなかには、皆さんの会社ですぐに実践できるものも多いと思います。ぜひ持ち帰って、社内で情報共有し、営業組織の育成について検討していただけると幸いです。

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