営業人材開発の前提となるSFAの活用

営業人材開発の前提として、SFA/CRMの活用は不可欠です。ここでは、弊社のSFA/CRMであるSalesforceを、社内でどのように使っているかご紹介しましょう。

弊社における営業の役割は、「Pipe Generation」(案件をたくさん作る)、「Deal Progress」(顧客の意思決定を前に推し進める)、「Closing」(できる限り大きく確実に受注する)の3つです。この一連のプロセスを、Salesforce上でリアルタイム管理しています。

あわせて、Salesforceによる営業活動管理の軸も3つあります。
1つ目は、「商談」機能による、営業フェーズ管理と商談管理項目の組み合わせです。ここでは営業の活動ベースではなく、顧客の意思決定プロセスをベースにして設定し、売上予測を見誤らないようにしている点がポイントです。フェーズを管理することによって、案件がどの段階にあるのか、またそれぞれのフェーズで何をしないといけないかが定義された状態になります。さらに、商談入力項目では、それぞれのフェーズで管理する情報を定義しています。弊社の場合は、トップ営業マンがどのような情報を把握していたかを分析し、代表的なもの10個を定義しました。これらの定義を画面上に実装し、日々の案件管理の中でレビューしていくのです。

2つ目の軸は、「Chatter」機能による、商談スピードと精度の向上です。Chatterとは、各画面の右側に表示される会話のやりとり機能です。顧客の管理画面のなかに、Chatterが表示されます。顧客とのやり取りがすべてシステム上に残っているため、たとえば、担当者が変わったときにも、引き継ぎ内容が埋もれてしまうことがありません。また、Chatterはファイルや業務データなど、Salesforce上で管理される情報の動きもリアルタイムで表示されるため、ユーザーがわざわざ情報を見に行く手間が省けます。さらに、部門間でコラボレーションしやすいのもChatter利用のメリットです。たとえば、必要な資料を集めたい時など、資料を持っていそうな社員一人ひとりに聞きに行かなくても、Chatterに投稿してそのポストを皆に見てもらえば済みます。

3つ目は、「レポート」「ダッシュボード」機能による営業活動の可視化です。商談の項目に関するグラフを作成できるので、改善すべき点があれば、営業人材がスピーディに軌道修正できます。グラフを皆で確認し、Chatterを通して会話できるため、パワーポイントやエクセルに資料を落としてメールでやり取りする、といった手間が省けます。グラフを見ながら、個別の商談情報を参照することもでき、さらには、アナリティクスを用いて顧客の過去の購入履歴や利用率を分析し、顧客別に売れそうな製品を自動でプロットしたグラフを作るといったことも可能です。
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このようにSFAを使えば、営業活動の効果を定量的・定性的に把握できるとともに、その都度必要に応じてChatterでコミュニケーションをとることも可能になります。

Sales Enablementアプローチ

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