今回は北陸地方での事務職採用について例を出し、女性の中長期的な活躍や地方活性について考えます。
 北陸地方では事務職の新卒求人がとても多く、短大生向けから大卒可の求人まで幅広く用意されています。したがって、「営業職ではなく事務職を」という女子学生は地元での就職を歓迎される傾向にあります。

 一方、総合職で前向きに仕事をしたい、という女子学生は敬遠されがちです。近年、一部の金融機関が女性の総合職採用に本腰を入れ始めつつありますが、いまだに、「君が男性だったらよかったのに・・・」という事を平気で本人に言い放つ採用担当者が多いですね。総合職を希望する女子学生は、就活の序盤でこの実態に気付き始め、「そこまで期待されていないのなら事務職で」と割り切るタイプと、「やってられないので首都圏企業へ」というタイプに二極化していきます。そのため、本来は総合職を目指していた有能な女子学生が、事務職として入社することになります。

 彼女たちの入社後の役割は、補助的業務が主なものになりがちです。あくまで極端な差別化はありませんが、就職後3年程経った後、同期入社の男性や、首都圏で働いている大学の同級生と話をするうち、自分の状況に疑問を持つようになります。「職場では周囲の人は皆優しいし評価もしてくれるが、いつも頼まれ仕事ばかりで自分に仕事を任せてくれない。どう考えても自分の方が優秀なのになぜか同期の男性の給料のほうが高い、東京で働いている同期は大変そうだけど結構すごい仕事をしているし、給料もすごくもらっている」などなど。さらに、「今後のキャリアを考えた際、いつまでも仕事を任せてもらえない状況では自分の成長につながらない」といった点にも考えが及び、中には上司にこのような状況を直訴する人もいますが、残念なことにこういった話を聞いてくれる会社は多くないようです。
 もっと仕事を通して成長したい!と前向きに仕事を捉えている女性社員ほど、「この会社では、本当に自分のやりたい事はできないのでは」という想いが強くなります。新卒入社時は割り切って事務職で就職したものの、成長できる環境や、意欲、能力に対する評価を求めていくのです。

 現在の会社でももっと仕事を任せてくれるなら続けたい、と考える女性社員は「もっと仕事を任せてくれないなら会社を辞めます!」と、最後のカードを切る勝負に出ることも少なくありません。普段上司には評価・感謝されているからこそ、チャンスをもらえるはずだ、と期待しての発言です。しかし、上司からの回答の多くは「そうか仕方がない。次の会社でも頑張って」という、転職を引き留めないものです。女性社員は肩透かしを食らいながらも、自分の可能性や能力を信じ、転職に向かいます。
 しかし、事務職の正社員の求人は決して多くありません。たまにあっても驚くほど安い給与のところばかりで競争倍率も高く、面接にすら進みません。

 なぜこのような状況になるのでしょうか。原因のひとつは、前述のように「能力がありながらも新卒時に事務職で入社し、自分の能力を確かめようと転職を志す」パターンが多く発生していることです。しかも、企業側は割り切ってあまり引き留めようとせず、欠員は派遣社員、または新卒の事務職でカバーしようとします。事務職の場合、中途より新卒の方が多くの応募者から選んで採用できるので、そちらの方が良いと考えるためです。また、事務職の求人では前向きで自己成長を求めるタイプより、素直で言われたことをやるタイプの人を探している会社がほとんど、ということも大きいようです。

 北陸は女性の就業率が全国有数、特に石川県は全国1位の高さを誇るもかかわらず、女性の管理職比率が低いという実態があります。我が石川県も、ワースト10位となってしまっています。これは上記のような現状が大きく関わってきているためではないでしょうか。
 能力も意欲もある女性を使いこなせる企業が増えないと地方活性には繋がらないのでは、と考えます。
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