HR総研:今後の働き方に関するアンケート 結果報告〜テレワーク実施企業の96%が今後も継続の方針、ジョブ型雇用の拡充にも影響か〜

Withコロナ時代がしばらく続くことを前提に、企業にはニューノーマルなビジネススタイルへの対応が求められている。その一つとして「社員の働き方」について急速な変化が見られており、今後より一層、日本社会における働き方の常識が変わっていくことが予測される。それでは、今後どのような変化があるのだろうか。
HR総研では、「今後の働き方」調査を実施しており、その結果についてフリーコメントを含めて以下に報告する。

<概要>
●コロナ禍以前から「より良い働き方への対策」を積極的に行っていた企業は6割
●「多様な勤務時間の導入」は7割で実施、「テレワーク導入」は企業規模での差が顕著
●新型コロナの影響により新たに実施した取組みは「テレワーク導入」がトップ
●現在もテレワークを実施している企業は9割、中小企業でも8割以上
●9割以上が「テレワークを継続していく予定」
●テレワーク導入に伴い「フリーアドレスの導入」が最多、「オフィスの縮小」も2割近く
●ワーケーションの「推進の予定はない」が8割、個人的な関心を示す割合は半数以上も
●社員のエンゲージメント向上は「必要」と8割が認識、その理由は「優秀人材の離職防止」
●エンゲージメント向上には「会社からのメッセージ発信」と「個別フォロー」を重要視
●ジョブ型雇用の導入は4割近く、中小企業で導入しやすい傾向
●ジョブ型雇用の拡充意向は4割、テレワークの継続的実施の規模に関連あり

コロナ禍以前から「より良い働き方への対策」を積極的に行っていた企業は6割

新型コロナウイルス感染拡大の早期収束が見込めないことから、企業はWithコロナ時代における新しい働き方を模索しているが、コロナ禍以前では、企業において社員のより良い働き方に向けた取組みは、どの程度行われてきたのだろうか。
「コロナ禍以前における、より良い働き方に向けた取組み状況」について、「積極的に行ってきた」が18%、「まあまあ積極的に行ってきた」が47%で、これらを合計した「積極的に行ってきた派」は65%と6割以上を占めており、「検討は行ってきた」が27%、「検討も行ってこなかった」は8%と1割未満となっている(図表1-1)。
企業規模別に見ると、「積極的に行ってきた派」については、1,001名以上の大企業では69%、301〜1,000名の中堅企業では73%と7割前後となっている一方、300名以下の中小企業では56%と6割未満にとどまっており、コロナ禍以前では大企業や中堅企業よりやや実施率が低い状況にあったことが分かる(図表1-2)。

【図表1-1】コロナ禍以前における、より良い働き方に向けた取組み状況
【図表1-2】企業規模別 コロナ禍以前における、より良い働き方に向けた取組み状況

「多様な勤務時間の導入」は7割で実施、「テレワーク導入」は企業規模での差が顕著

コロナ禍以前から実施してきた、または検討してきた企業において、実施してきた(検討してきた)内容については、フレックス制などの「多様な勤務時間の導入」が最多で67%、次いで「テレワークやワーケーション等の実施」が55%、「柔軟な勤務制度の導入」が48%など、時間や場所を始めとした多様な働き方を可能とするための取組みが上位に挙がっている(図表2-1)。
企業規模別に見ると、ほぼすべての項目において大企業での実施率が他の企業規模より高くなっている。特に「テレワークやワーケーション等の実施」については中堅・中小企業では4〜5割の実施率であったのに対し、大企業ではコロナ禍以前でも74%と4分の3が実施していたことが分かる。(図表2-2)。

【図表2-1】実施してきた取組み・検討の内容
【図表2-2】企業規模別 実施してきた取組み・検討の内容

新型コロナの影響により新たに実施した取組みは「テレワーク導入」がトップ

新型コロナの影響により、新たに実施した、もしくは検討した取組は、「テレワークやワーケーション等の実施」が最も多く61%で、次いで「多様な勤務時間の導入」が39%と上位2項目が圧倒的に多くなっている(図表3-1)。
企業規模別に見ると、いずれの企業規模においても全体と同様に「テレワークやワーケーション等の実施」が最も多くなっており、特に中小企業では66%と7割近くなっている。次いで「多様な勤務時間の導入」が多く中堅・中小企業ではともに4割を超えており、上位2項目は大企業より中堅・中小企業における実施率が高い傾向が見られる。一方、「新たに実施した取組みはない」については大企業が最も多く32%と3割を超えている(図表3-2)。
また、コロナ禍以前の取組み状況別に見てみると、「積極的に実施してきた」企業ではいずれの項目についても4割未満の実施率であり、一方で「検討は行ってきた」と「検討も行ってこなかった」とする企業では、「テレワークやワーケーション等の実施」がそれぞれ73%、71%とともに7割を超える実施率となっている。そして「新たに実施した取組みはない」については「積極的に実施してきた」企業が最も多く、35%と3割以上を占めている(図表3-3)。
これらの結果より、コロナ禍以前からより良い働き方に対する取組みを積極的に実施してきた大企業では、コロナ禍においても既存の取組みを効果的に生かして対応できており、中堅・中小企業ではコロナ禍への対応策として急速に新規取組みを実施する企業が多く、特に「働く場所と時間」に関する多様化が社会全体で進んでいることが推測される。

【図表3-1】新たに実施した(検討した)取組み
【図表3-2】企業規模別 新たに実施した(検討した)取組み
【図表3-3】コロナ禍以前の取組み状況別 新たに実施した(検討した)取組み

現在もテレワークを実施している企業は9割、中小企業でも8割以上

新型コロナの影響により1度はテレワークを実施した企業の中で、「現在のテレワークの実施状況」については、「一部社員を対象に実施している」が最多で55%、次いで「全社員を対象に実施している」が32%となり、これらを合計した「実施している」の割合は87%と9割近くに及んでいる。また、「現在は停止した」は12%にとどまり、「導入準備中」は1%未満となっている(図表4-1)。
企業規模別に見ると、「実施している」の割合は大企業では94%、中堅企業では89%、中小企業では82%と、すべての企業規模において8割以上の企業で現在もテレワークを実施している。特に中堅企業においては、コロナ禍以前のテレワーク実施率45%(「テレワークやワーケーション等への取組み」の実施率)に対して44ポイントも増加しており、急速にテレワークが普及・定着しつつあることがうかがえる(図表4-2)。
では、今後のテレワーク継続の方針については、どのようになっているのだろうか。

【図表4-1】現在のテレワークの実施状況
【図表4-2】企業規模別 現在のテレワークの実施状況

9割以上が「テレワークを継続していく予定」

「テレワークの継続実施の予定」については、「全社員を対象に継続的に実施していく」が最多で35%、次いで「限られた社員を対象に継続的に実施していく」が32%、「対象者を拡大し、継続的に実施していく」が29%となっており、これらを合計すると96%とほとんどの企業で「継続的に実施していく」という方針を示している(図表5-1)。
企業規模別に見ると、「全社員を対象に継続的に実施していく」については中小企業の実施率が最も多く41%と4割を超える一方、中堅企業では22%と2割程度にとどまっている(図表5-2)。ある程度の従業員数を持つ反面、大企業ほどの資金力がない中堅企業では全社的なテレワークの実施が難しく、企業規模が小さい中小企業の方が全社員を対象としたテレワークを実施しやすい実態がうかがえる。

【図表5-1】テレワークの継続実施予定
【図表5-2】企業規模別 テレワークの継続実施予定

テレワーク導入に伴い「フリーアドレスの導入」が最多、「オフィスの縮小」も2割近く

規模には差はあれどもテレワークを継続的に実施していく予定の企業が大半である中、オフィス環境に関する対応も変化してきているのだろうか。
テレワークを継続的に実施する予定の企業に対し、「オフィス環境の変更計画・検討内容」について聞いてみると、「特にない」が41%と4割で、残りの約6割は何らかの形で変更の計画や検討を行っている。その中で最も多いのは「フリーアドレスの導入」で23%、次いで「WEB会議スペースの拡大」と「オフィスの縮小」がともに17%、「オフィスの統廃合」が14%などとなっている(図表6-1)。
これを企業規模別に見ると、いずれの項目についても大企業の実施率が他企業規模より高くなっている。中でも「フリーアドレスの導入」は大企業の30%で実施されているのは、Withコロナ時代における社員の安心安全を守るためにオフィス勤務者が3密を避けることを第一目的とした対策だろう。また、テレワーク社員が大幅に増えた企業では、大規模な執務スペースが必要なくなる半面、WEB会議の頻度が増えることからオフィスのレイアウト変更や、過剰となったオフィスを縮小や統廃合するケースが今後も増えていくことが推測される(図表6-2)。

【図表6-1】オフィス環境の変更計画・検討内容

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】今後の働き方に関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2020年8月6日〜12日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者、人事担当者
有効回答:292件

※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照をいただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
1)出典の明記:「ProFuture株式会社/HR総研」
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Eメール:souken@hrpro.co.jp

※HR総研では、当調査に関わる集計データのご提供(有償)を行っております。
詳細につきましては、上記メールアドレスまでお問合せください。