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HR総研:人事の課題とキャリアに関する調査 結果報告【人事の課題編】〜次世代リーダーの育成に強い課題感〜

企業として、多様な価値観を持つ社員の働き方やダイバーシティなどに対応するとともに、Withコロナ時代におけるニューノーマルな働き方が求められる中、人事部門が持つ課題はどのようなものがあるのだろうか。また、人事部門の社員は自身のキャリアについてどのように感じているのだろうか。
HR総研では、「人事の課題とキャリアに関する調査」を毎年実施しており、今年は2020年7月20日〜27日に実施した。
今回は、「人事の課題」に関して、「人的資源管理」と「組織管理」の2軸から、それぞれの「現状の課題」と「中期的(3〜5年後)課題」について調査した結果を報告する。

<概要>
●次世代リーダーの育成に強い課題感、上位項目は昨年から変わらず
●将来的な課題についても次世代リーダー育成がトップ
●組織管理の課題は、「評価の定着、評価者スキル」がトップ
●将来的な組織管理、大企業では制度設計よりもマネジメントに課題感
●人事の役割は「高まる」が約7割、「ビジネス戦略のパートナー」としての役割拡大
●戦略人事の重要性は8割が認識するも、役割を果たせている企業は2割にとどまる
●「HRBP」の認知度は依然低い
●人事部門では、多くの項目でリソース不足
●AI導入には前向きな企業が多数、導入検討業務は「採用」が最多

●次世代リーダーの育成に強い課題感、上位項目は昨年から変わらず

企業における「現在の採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオに関する課題」について、「次世代リーダー育成」が最も多く56%、次いで「マネジメントスキル向上」が42%、「新卒採用」が41%、「キャリア採用」が37%などとなっている。上位項目は昨年と同様で、大きな変動は見られなかった。
企業規模別で見てみると、従業員数1,001名以上の大企業においては「キャリア開発・支援」(33%)、「人員構成の是正」(31%)、「グローバル人材の育成」(24%)、「ダイバーシティ対応」(22%)などの項目が他の規模の企業に比べて多く、大企業に特有の課題であることが分かる。企業規模が大きいからこそ社員の価値観や働き方の多様化に対応するとともに、企業のさらなる事業発展を目指し、社員のキャリア自律を積極的に促す必要があるのだろう。300名以下の中小企業では「キャリア採用」が47%と「新卒採用」(40%)より強い課題感を持っている企業が多いことが特徴的である(図表1−1)。
「最重要課題」についても、上位項目は同様で「次世代リーダー育成」(28%)、「新卒採用」(14%)、「マネジメントスキル向上」(13%)、キャリア採用(8%)となっている(図表1−2)。
具体的な課題についてのフリーコメントも一部抜粋して掲載する(図表1‐3)。

【図表1−1】企業規模別 現在の採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオに関する課題(複数選択)
【図表1−2】企業規模別 現在の採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオに関する最重要課題(単一選択/上位抜粋)
【図表1‐3】現在の採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面での具体的な課題(抜粋)
具体的な課題従業員規模業種
Withコロナ下でどのように新人・若手を育成すればよいか、明確になっていない1000名以上メーカー
現状のマネジメントに忙殺され、長期的観点から会社経営を考えられる社員が少なく、それを教育するような体制になっていない1000名以上運輸・不動産・エネルギー
多様な働き方に応じた、また戦略転換に対応した人材マネジメント(組織として成果を出すやりくり)1000名以上マスコミ・コンサル
業界を志望する学生の減少による同業他社との新卒学生の採用における競合301〜1000名メーカー
海外拠点の責任者を担える人材が少ない301〜1000名サービス
次世代リーダーの育成手法が確立されておらず、社員自らの意識や行動に依存している300名以下メーカー
人財育成が急務で、次世代の役員・管理職候補を育てることが必要300名以下メーカー
少数精鋭の人材構成のため、1人退職すると新しい人材を育成するのが時間が掛かる300名以下メーカー
マネジメントスキルが低いため、人材の定着が悪いことや業務分担が偏っている300名以下メーカー
事業ポートフォリオが変化していく中で、自社では開拓が難しい経験を持った人材の採用獲得及び組織編制300名以下メーカー

●将来的な課題についても次世代リーダー育成がトップ

「3〜5年後の採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面での課題」についても、「次世代リーダー育成」が最多で50%、次いで「新卒採用」が33%、「マネジメントスキル向上」が33%、「キャリア採用」が21%などとなっており、「現在の課題」と同様の項目が上位を占めている(図表2−1)。
「最重要課題」についても上位項目はほぼ同様で、「次世代リーダー育成」(30%)、「新卒採用」(11%)、「マネジメントスキル向上」(10%)が上位となっている。特に「次世代リーダー育成」が他の項目に比べて突出して多く、企業にとって喫緊の課題であると言えそうだ(図表2−2)。
具体的な課題についてのフリーコメントも一部抜粋して掲載する(図表2−3)。

【図表2−1】企業規模別 3〜5年後の採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオに関する課題(複数選択)
【図表2−2】企業規模別 3〜5年後の採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオに関する最重要課題(単一選択/上位8項目を抜粋)
【図表2−3】3〜5年後の採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオに関する具体的な課題(抜粋)
具体的な課題従業員規模業種
バブル採用層が定年に近くなっていく中で、次世代のリーダーの育成が急務となる1000名以上メーカー
新しい会社でキャリア採用を中心に実施してきたため、1から人を育てる・キャリアを社内で作る風土がない1000名以上運輸・不動産・エネルギー
量ならびに質において、どのように有効母集団を形成していくか1000名以上商社・流通
人材育成のオンライン化1000名以上マスコミ・コンサル
社員全体のスキルアップ、ジョブディスクリプションの完成と定着など301〜1000名メーカー
企業規模の拡大に応じて人員を増強してきたが、当該人材には十分な教育訓練が実施出来ておらず、非活性化する懸念がある300名以下メーカー
若年層社員の中で、マネジメント層ではなく、プロフェッショナルのままキャリアを伸ばしたい社員と、マネジメント層になりたい社員が混在していて、それぞれの適正に合っていない希望の時に困る300名以下メーカー
次世代リーダー育成の継続と定着、あわせてリーダー全般のマネジメントスキルを向上させる必要がある300名以下メーカー
若手優秀人材が離脱しない魅力的な職場環境をマネジャ主導で作れるようにしていきたい300名以下マスコミ・コンサル

●組織管理の課題は、「評価の定着、評価者スキル」がトップ

次に、「現在の組織・制度・仕組み・システムに関する課題」について質問したところ、「評価の定着、評価者スキルの向上」が最多で42%、次いで「人事制度の改革」が37%、「従業員のモチベーション維持・向上」が36%などとなっている。「評価の定着、評価者スキルの向上」は昨年調査結果の6位から最上位に浮上している。(図表3−1)。
企業規模別の特徴を見てみると、「タレントマネジメント」を課題として挙げる企業は大企業が34%と他の企業規模に比べて突出して多かった。逆に「評価の定着、評価者スキルに向上」を課題に挙げる企業は中小企業・中堅企業に多く、大企業では比較的少なくなっている。
「最重要課題」については、全体では「人事制度の改定」が最多で16%、次いで「評価の定着、評価者スキルの向上」が13%、「従業員のモチベーション維持」が13%などとなっている。特に301〜1,000名の中堅企業と大企業では「人事制度の改定」が各々22%、21%となっており、中小企業の11%より顕著に高くなっている。多くの従業員を抱える中堅・大企業では、ニューノーマルな働き方や多様な働き方に対応し得る適切な「人事制度の改定」が必要となっているのだろう (図表3−2)。
具体的な課題についてのフリーコメントも一部抜粋して掲載する(図表3−3)。

【図表3−1】企業規模別 現在の組織・制度・仕組み・システムに関する課題(複数選択)
【図表3−2】企業規模別 現在の組織・制度・仕組み・システムに関する最重要課題(単一選択/上位8項目を抜粋)
【図表3−3】現在の組織・制度・仕組み・システムに関する具体的な課題(抜粋)
具体的な課題従業員規模業種
1990年代に作られた人事制度で運用をしており、実情と合わなくなってきた感は否めない1000名以上メーカー
組織によってマネジメントのばらつきがありカルチャーが浸透していない1000名以上運輸・不動産・エネルギー
"限られた人的リソースの中で成果を最大化するためには、業務の効率化は必須"1000名以上商社・流通
社員が望み、事業に必要な能力を体系的に開発する仕組みを構築すること1000名以上マスコミ・コンサル
処遇・評価の平等化・見える化が必要である301〜1000名メーカー
業績を報酬面へ移行すること300名以下メーカー
業界全体が沈んでいる中でモチベーションを下げずに従業員が主体的に行動し成果を出すこと300名以下メーカー
人事評価そのものが、評価者の主観のみで、ブラックボックス化されている300名以下メーカー
コロナ渦での活動評価300名以下商社・流通
評価制度と処遇の結びつきが複雑で社員の意欲付けに奏功しているか不明300名以下マスコミ・コンサル
管理職間での目線合わせの機会がなく、自信のないまま評価業務をしている者が目立つ300名以下マスコミ・コンサル

●将来的な組織管理、大企業では制度設計よりもマネジメントに課題感

「3〜5年後の組織管理の課題」については、「人事制度の改定」、「組織開発・組織風土改革」及び「従業員のモチベーション」がともに31%で最多となり、次いで「評価の定着、評価者スキルの向上」が30%などとなっており、上位4項目はほぼ同率で3割となっている。
ただし、企業規模によって大きな差が見られ、大企業では「組織開発・組織風土改革」が最も多く41%、次いで「タレントマネジメント」が36%となっている。一方で、「人事制度の改定」は大企業では26%と、他の企業規模と比較すると低い結果となった(図表4−1)。企業規模が大きくなるにつれて、組織管理の課題意識は制度設計・運用からマネジメントに移っていくということだろうか。
「最重要課題」についても「人事制度の改定」(15%)、「組織開発・組織風土改革」(12%)、「従業員のモチベーション」(11%)が上位項目となっており、同様の傾向となった(図表4−2)。具体的な課題についてのフリーコメントも一部抜粋して掲載する(図表4−3)。

【図表4−1】企業規模別 3〜5年後の組織・制度・仕組み・システムに関する課題(複数選択)
【図表4−2】企業規模別 3〜5年後の組織・制度・仕組み・システムに関する最重要課題(単一選択/上位抜粋)
【図表4−3】企業規模別 3〜5年後の組織・制度・仕組み・システムに関する具体的な課題(抜粋)
具体的な課題従業員規模業種
コロナ以降の新たな仕事の進め方における組織開発1000名以上メーカー
グローバルモビリティも含めたタレントマネジメント1000名以上メーカー
社内配置を含めた長期的に人を育て活かす仕組みがないため検討する機会をつくったが、トップ層ですら自部門の視界から抜け出せていない1000名以上運輸・不動産・エネルギー
目標管理における上下関係の連結がうまくいっているだろうから、評価者(上司)のスキル向上が重要となろう301〜1000名サービス
評価不透明により離職が激しい300名以下メーカー
有能な若年層の雇用の難易度が増す状況の中で、定年延長を含む高齢者の活用300名以下メーカー
アフターコロナの体制づくりを人事業務においても進める必要がある300名以下マスコミ・コンサル

●人事の役割は「高まる」が約7割、「ビジネス戦略のパートナー」としての役割拡大

「今後、人事部門の役割が高まるか否かに関する所感」については、「高まる」が最多で46%、次いで「大いに高まる」が20%となっている。これらを合計すると66%と3分の2に上り、人事部門に所属する社員は、自社における人事部門の重要性を強く意識している傾向がうかがえる(図表5−1)。
では、人事部門には、今後どのような役割がより求められるのだろうか。
『MBAの人材戦略』の著者としても著名なミシガン大学のデイビッド・ウルリッチ氏が提唱する「4分類」を基にして、設問を展開した。
「現状で求められている役割」としては、「ビジネスの成果に貢献する(ビジネス戦略のパートナー)」が最も多く39%、次いで「人事管理を緻密に行う(人材管理のエキスパート)」が38%となっている(図表5−2)。
「今後求められる役割」としては、「ビジネスの成果に貢献する(ビジネス戦略のパートナー)」の割合が55%と大きく増加している。次いで多いのが「組織・風土改革実行を中心的に担う(組織・風土改革のエージェント)」で29%となっており、「人材管理のエキスパート」との回答は15%と、大きく割合を減らしている(図表5−3)。

【図表5−1】今後、人事部門の役割が高まるか否か
【図表5−2】現在、人事部門に求められている役割
【図表5−3】今後、人事部門に求められる役割

●戦略人事の重要性は8割が認識するも、役割を果たせている企業は2割にとどまる

人事部門の「ビジネス戦略のパートナー」としての役割への期待が高まる中、人事担当者は自社の「戦略人事」の取り組み状況についてどのように認識しているのだろうか。
まず、「戦略人事」の重要性についての認識を尋ねたところ、「非常に重要である」(36%)と、「重要である」(47%)をあわせると、8割を大きく超え、ほとんどの企業がその重要性を認識していることが分かる(図表6−1)。
一方、「戦略人事」の役割を果たせているかどうかを問う質問では「十分果たせている」(1%)、「果たせている」(18%)を合計しても2割に満たず、重要性を認識しつつもその役割を果たせているという実感を持っている企業は極めて少ないようだ(図表6−2)。

では、「戦略人事」の役割を十分に果たせていない原因についてはどのように考えているのだろうか。
最も多かった回答は「戦略策定への人事の関与が弱い」で52%、次いで「経営戦略・事業戦略が不明確」が42%、「日々の業務が忙しく、戦略立案に割けるリソースが少ない」が40%などとなっている。上位2つは戦略立案に関わる部分であり、そもそも指針となるべき戦略が明確でないなど、人材の実態から離れた戦略となっていることを原因と考えている人事担当者が多いようだ(図表6−3)。


【図表6−1】戦略人事の重要性
【図表6−2】戦略人事の役割を果たせているか
【図表6−3】戦略人事の役割を果たせていない原因

●「HRBP」の認知度は依然低い

「戦略人事」というキーワードに続いて、「HRBP(HRビジネスパートナー)」に触れてみたい。
HRBPとは、事業戦略と人事戦略を連動させるために、経営層や事業部門の責任者に対し、事業成長を人と組織の側面から支援する「プロフェッショナル・パートナー」のことだ。人事部門に籍は置きつつも、日々の業務は事業部門で行う。
回答結果を見ると、全体では「(この言葉を)知っている」が38%、「聞いたことはある」が27%となっており、認知度が十分に高いとは言えない状況である(図表7−1)。
また、HRBPの重要性について問う質問に対しては「非常に重要である」が16%、「重要である」が33%と、合わせて49%と半数程度となっており、重要性の認識も「戦略人事」に比べるとやや低い結果となっている(図表7−2)。
HRBPの役割を果たせているかどうかを問う質問に対しては、「充分果たせている」と「果たせている」をあわせても1割程度にとどまっている(図表7−3)。

【図表7−1】HRBPについて知っているか
【図表7−2】HRBPの重要性
【図表7−3】HRBPの役割を果たせているか

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:HR総研:人事の課題とキャリアに関する調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2020年7月20日〜27日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者、人事担当者
有効回答:201件

※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照をいただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
1)出典の明記:「ProFuture株式会社/HR総研」
2)当ページのURL記載、またはリンク設定
3)HRプロ運営事務局へのご連絡
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  ・引用先名称(URL) と引用項目(図表No)
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Eメール:souken@hrpro.co.jp

※HR総研では、当調査に関わる集計データのご提供(有償)を行っております。
詳細につきましては、上記メールアドレスまでお問合せください。
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