人事プロフェッショナルのための研究雑誌『Works』の元編集長であり、人事業務に広い知見を持つThinkings株式会社 CHRO 佐藤邦彦氏が「人事の価値向上につながる」をテーマにした全3回にわたるコラム連載企画となります。

今回は先が見えないVUCAと呼ばれる現代。起こりつつある変化と、今後起こるであろう予測を通して、人事の未来を考察していきます。
先が見えないVUCAの時代、人事の未来を考える
先が見えないVUCAの時代と言われています。少子高齢化、労働人口減、AI、ロボットなどテクノロジーの急速な進化の影響、価値観の変化など、様々な要素が絡み合い、企業の組織の在り方、働き方が大きく影響を受けています。そうした中で、人事の未来はどのようになっていくのでしょうか。今回は、今まさに起こっている変化、今後起こるであろう変化の予測を通して、人事の未来を考察したいと思います。

労働人口激減の時はすぐそこまで来ている

先が見えないVUCAの時代、人事の未来を考える
人手不足になる、労働供給が減少する、という話をみなさんも一度は聞いたことがあると思います。一度どころか毎日のように耳にして気を揉んでいるという方もいらっしゃるかもしれませんね。少子高齢化で生産年齢人口は間違いなく減っており、日本全体の大きな課題となっています。

一方で、ここ5年10年を振り返ると、世間で騒がれているほどには労働力不足を実感していないかもしれません。実は、これまで「人生100年時代」や「ライフシフト」という言葉に代表されるように、定年を延長するなど、一人の働く期間を長くすることで労働力不足に対応していました。今は昔の感覚とは違って、50代60代でも若々しく、活動的に働いている方は大勢います。60歳で定年退職して後は余生という人生設計を立てる方も、ほとんどいないのではないでしょうか。

言ってみれば「延命措置」をしていたのですが、もう限界が来ています。定年延長以外にもさまざまな施策の掛け合わせでやりくりしてきましたが、いずれも根本的解決にはつながっておらず、いよいよひずみが出てきました。労働力不足が明るみになってきたのです。

この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●人気業界でも人手不足でビジネスが立ちいかなくなる?
●シニア・女性の活躍推進ができていないのは論外の外
●人員計画にロボットが含まれる時代
●就職活動をするかしないかで迷う学生たち
●リソースをシェアする時代への入り口
●人事にとって未踏の時代、受難かチャンスか?


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