さらなる売り手市場は必至

さて、ここからは2024年卒採用の状況を見ていきます。まずは、「2024年卒の採用計画数の前年比較」です。

全体では、「前年並み」が40%で最も多く、「未定」と「採用なし」を合わせると33%あるものの、「増やす」24%に対して「減らす」はわずか3%にとどまり、「増やす」とする企業が20ポイント以上も上回ります[図表3]
[図表3]2024年卒の採用計画数の前年比較
従業員規模別で見ても、「減らす」はいずれの規模においても2~6%にとどまり、「増やす」とする企業は中小企業でこそ18%と2割に満たないものの、大企業35%、中堅企業でも30%と3割以上となっており、圧倒的に「増やす」企業のほうが多くなっています。

前年同時期に実施した「2023年新卒採用動向調査」の結果を見ると、「増やす」と回答した割合は、中堅企業の27%と中小企業の13%は今回調査と数ポイントの違いでしかありませんが、大企業が14%にとどまっていたことを考えると、2024年卒採用で「増やす」と回答した割合は実に2.5倍にも達します。

2023年卒採用の大卒求人倍率は、前記のとおり前年比で0.08ポイントアップでしたが、2024年卒採用の求人倍率は前回以上のアップ率になることは間違いないでしょう。2023年卒採用で苦戦を強いられた企業にとっては、さらに厳しい年になりそうです。

採用計画数をアップする企業が多くなっていますが、新卒採用活動に投じる採用予算に変化はあるのでしょうか。「2024年新卒採用活動予算の前年比較」を聞いてみたところ、全体では「ほぼ変わらない」が70%で最多となっており、「かなり増える見込み(20%以上)」と「やや増える見込み(20%未満)」を合わせた「予算増額派」(以下同じ)は26%、「かなり減る見込み(20%以上)」と「やや減る見込み(20%未満)」を合わせた「予算減額派」(以下同じ)は4%にとどまります[図表4]
[図表4]2024年新卒採用活動予算の前年比較
従業員規模別で見ると、「予算増額派」は大企業で36%、中堅企業で20%、中小企業で24%となっており、一方の「予算減額派」は中堅企業では11%あるものの、中小企業ではわずか1%、大企業に至っては1社もなしという結果になりました。採用計画数がアップした企業の多くは採用予算も増額されているものと推測されます。

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