従来から継続するコア事業をベースとして展開しながらDXを推進し、新たなソリューションビジネスで成長していこうという戦略を描くとき、それにマッチした人事戦略はどうあるべきでしょうか。本講演では、ジョブ型とメンバーシップ型、双方のメリットを活かすことを狙い、2021年から導入されたブリヂストン流ハイブリッド型新人事制度について、株式会社ブリヂストン 総務・労務部門長 江渕 泰久氏にお話しいただきました。後半のトークセッションでは、HRエグゼクティブコンソーシアム代表・楠田祐氏がファシリテーターを務め、ブリヂストン流ハイブリッド型新人事制度に切り込みます。

講師

  • 江渕

    江渕 泰久 氏

    株式会社ブリヂストン 総務・労務部門長

    1989年、株式会社ブリヂストンに入社。工場、研究所にて人事・労務業務を担当。2006年、欧州(ハンガリー)の工場新設にあたり、立ち上げメンバーとして赴任。2010年に帰国。以降、北関東生産本部総務部長、グローバル人材開発部長などを経た後、人事全般を統括。2021年9月より現職。



  • 楠田

    楠田 祐 氏

    HRエグゼクティブコンソーシアム 代表

    NECなどエレクトロニクス関連企業3社を経験した後、ベンチャー企業を10年間社長として経営。中央大学大学院 戦略経営研究科(ビジネススクール)客員教授を7年経験した後、2017年4月より現職。2009年より年間数百社の人事部門を毎年訪問。人事部門の役割と人事のキャリアについて研究している。2016年より、毎週、Podcast「楠田祐の人事放送局〜有名企業の人事部長にズバリ聞く!」(ProFuture)のパーソナリティを務める。主な著書に、『破壊と創造の人事』(Discover 21)、『内定力 2017〜就活生が知っておきたい企業の「採用基準」』(マイナビ)など。

ブリヂストンが考えるハイブリッド型人財マネジメント
株式会社ブリヂストン 総務・労務部門長 江渕 泰久氏

材料と構造が130年変わらなかったタイヤ産業に変化の波

今年、弊社が導入した「ジョブ型人事制度」は、昨年、2020年6月ごろに構想を始め、半年ほどでつくり上げたものです。当初は、本などを読むと、「ジョブ型を表面的になでるだけではいけない」、あるいは、「ジョブ型の弊害もあるから慎重にせよ」という意見もあり、深く考えて設計してから始めるべきかと躊躇したことも事実です。しかし、会社の事業が変わる上で、時間をかける余裕はなく、スピードを意識して取り組んだ次第です。

最初に弊社についてご説明しますと、1931年の創業から90年が経ち、現在(2020年12月期)、全世界で連結売上収益が3兆円弱、連結従業員数が14万人ほどとなっています。我々のタイヤ産業は動きが少ないことが特徴的な産業です。まず、ゴムを使った黒くて丸いタイヤということで、材料と構造が130年変わっていません。部材を貼り合わせた生タイヤに熱を加えるというつくり方も変わりません。また、産業として、カーメーカーの生産計画で需要が決まり、消耗品ビジネスとして巨大なマーケットがあることや、巨大な装置が必要で、規模の効果が大きい装置産業であるといった特徴があります。安定した需要の下、業界のプレーヤーが先を競って投資を行った後は、不良品を出さず、丁寧につくっていくことで、作るものも登場プレーヤーの勢力図も数十年ほとんど変わりませんでした。

ただ、このタイヤ業界で、今、変化が起き始めています。各社が「製造業」の枠を超え、活動を始めました。弊社においても従来とは異なる素材を使ったタイヤの研究も行っていますが、より大きいのは、これまでの「つくる」、「売る」という部分だけでなく、タイヤモニタリングや車両運行サポート、メンテナンスなど、「使う」、「廃棄・リサイクル」という部分にビジネスを拡大し始めています。弊社では、タイヤとメンテナンスが一緒になったサブスク型サービス、『Mobox(モボックス)』を展開しているほか、日本航空社との協業では、先方のフライトデータと当社のデータ解析やタイヤ摩耗予測技術をかけ合わせることによる、より精度の高い計画的なタイヤ交換する仕組みの運用を開始しています。そこでは、空港を飛び立った航空機のタイヤの摩耗を、飛行中に察知し、到着前に情報が共有されます。日本航空社は事前に準備して着陸後すぐタイヤを交換できることで、航空機整備作業の効率化を実現しています。弊社はこのような新しいビジネスを増やし、生まれ変わろうとしているのです。
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