大鵬薬品の若手社員による主体的な学び&社会貢献活動「明後日Labo」。会社とほどよい距離感を保ちつつマインドセットを鍛える

HRプロ編集部スペシャルインタビュー

『チオビタ』、『ソルマック』などでお馴染みの大鵬薬品の若手社員たちが、一見突拍子のない“明後日”のことに目を向け、新たなチャレンジに一歩踏み出そうと活動している。社会課題へのアプローチ法を学んだり、自分たちとは異なる世界の人の話を聞いたりといった課外活動、「明後日Labo」である。その「明後日Labo」を牽引する同社の河合真樹氏と向門大介氏、同社人事部の高橋郁子氏に、活動の意義や目的、社内での立ち位置などをうかがった。

一見無関係な世界にアプローチして一歩を踏み出すきっかけに

――まず、「明後日Labo」について教えてください。

河合 明後日Laboは、すぐに役立つ“明日”のことではなく、いつか役立つかもしれない“明後日”のことに目を向けて、新しいことに一歩踏み出すきっかけにしよう、といった趣旨で行っている活動です。好奇心と遊び心を持って、“自分たちとは一見無関係と思える価値観や世界”に触れることで、意外な共通点を見つけたり、新たな気づきを得ようといった狙いを込めています。
したがって、対象者は当社の社員だけでなく、広く社外にも開放しています。この活動は2019年2月からスタートし、半年間かけて1クールを終えたところです。

企業内大学で学んだことを周囲に還元したい

――どういった内容なのでしょうか?

河合 大きく「コースLabo」、「講演Labo」の2つのプログラムを設け、そこでのイベントと「社会貢献団体への寄付」をセットで実施しています。

まず「コースLabo」ですが、「SPARK!」と「AI & Me」の2つを行いました。「SPARK!」は、社会の中でのよりよい自己実現や、身の回りの社会課題へのアプローチに役立つ手法を学ぶ、体験型の企画です。第1クールとしては、毎月1回、6カ月にわたって、次のプログラムを行いました。

(1)キャリアアンカー(個人がキャリアを選択していく軸となる価値観や欲求、能力など)
(2)ビジネスモデルYOU(個人のビジネスモデルを創造するコーチング法)
(3)「2030 SDGs」カードゲーム(SDGsの必要性や本質を理解する)
(4)デザイン思考(社会課題への共感イノベート)
(5)リーンキャンバス(事業プランを整理するフレームワーク)
(6)レジリエンストレーニング(“折れない心”を身につけるトレーニング)


つまり、まずは自分自身を知り、社会課題に目を向け、それをどう解決するかを考え、逆境に遭ってもくじけずに貫徹できるマインドを鍛える、といった一連のプロセスを学ぶ、という趣旨です。

これらのプログラムは、実は当社の企業内大学「Global One Academy(GOA)」ジュニアコースで向門や私を含むGOA卒業生兼明後日Labo運営メンバーが受講したもののうち、特に自分たちが有意義だと感じたコンテンツを取り上げています。“これをもっと広めたい”と、我々が講師になって実施しました。ポイントは、講義だけでなく必ずワークを入れて、体験を重視していることです。
「AI & Me」は、“最先端のテクノロジーであるAIに詳しいメンバーが、その知見を還元する”という趣旨で、実際に手を動かしながらAIについて知るというもので、こちらも毎月1回、6カ月にわって実施しました。

「講演Labo」は、ベンチャーを起業したCEOや、世界の貧困の撲滅活動に取り組むNPOの理事、さらにはブルーインパルスの隊長といった方々を招いて、これまでどのような理念で行動しリスクを取ってきたか,取り組まれている事業分野の実情やリーダーシップなどについて話していただきました。ベンチャーのCEOは、名だたる大手企業のアクセラレータープログラムを利用して独立した方で、“自分のやりたいことに正直になる楽しさ”といったことを学べたと思います。ブルーインパルスの方からは、自衛官として編隊の先頭に立つ“究極のリーダーシップ”の在り方について学びました。

いずれも現状の自分たちには真似できないようなことをされていると感じても、実際に話を聞いてみると、同じ人間として理解できるところがあったり共通点を見つけたりして、距離が縮まったのではないでしょうか。これによって、「自分も一歩踏み出そうと思えば踏み出せる」といった思考に近づけられればいいと思っています。

「社会貢献団体への寄付」は、各イベントの参加者から参加費ではなく任意の募金という形で寄付を募り、我々が選んだ団体に提供するというものです。各イベント開催時に、寄付先の団体の活動を紹介して、どんな社会課題があるかを知る、寄付行為を通じて社会貢献に参加している実感を得るという狙いがあります。これまで、400名を超える参加者からいただいた約15万円の募金を、がん患者のサポートを行う団体や、こどもの人身売買防止を手がける団体など全4団体に寄付しました。

著者プロフィール

HRプロ編集部

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