企業内大学で学んだことを周囲に還元し仲間を増やしたい

――参加人数や属性は?

向門 回によって違いますが、最多ではブルーインパルスの講演に50名程度が集まり、これまでに社長や常務なども参加してくれました。「SPARK!」は東京本社では毎回10名程度が参加し、社外参加者が多かったです。社内は、本社や東京支店のメンバーが直接、徳島工場など他拠点のメンバーがWeb会議システムで参加しています。社外の方は、メンバーが手分けして友人知人に声をかける形で集めており、大学生、エンジニアなど普段かかわりのないジャンルの方にも参加していただいています。

――そもそも、どういった経緯で始めたのでしょうか?

河合 先にお話しした「GOA」ジュニアコースは入社2~10年目ぐらいの若手社員が対象だったのですが、少し先の未来に役立つような各プログラムや多様な人との交流から刺激を受け、主体的に動く面白さを知った仲間が何となく集まって「GOAでの経験をもっと広げていきたいね」という話になったのです。手挙げ制とはいえ「GOA」には受講人数に制限があるので、まずはこれを受講していない人にも広め、主体的に行動する仲間を増やしたい。さらにそこから、自分たちが知らない世界を知り一歩踏み出すことに繋げていきたい、というふうに発展しました。

向門 「GOA」で学んだことは、今すぐ職場で役に立つものばかりではなく、職場で実践するには、すぐには落とし込みづらい部分もあると感じました。学んだことを実践しながら習得していく、学んだことを周囲に還元していくための方法として、実践の場を職場にこだわる必要は無いと考えた経緯もあります。
大鵬薬品の若手社員による主体的な学び&社会貢献活動「明後日Labo」。会社とほどよい距離感を保ちつつマインドセットを鍛える
――この活動は、会社においてはどういう位置づけになっているのでしょうか?

河合 成長したい人たちの自主的な集まりで、業務では得られない学びや刺激による自分磨きの取り組みなので、全ての活動は業務時間外に行っています。

向門 会社からの便宜としては、会議室を使わせてもらうぐらいで、資金的な援助などは今のところ受けておりません。主体的でオープンな学びの場として、活動の柔軟性や自由度を維持するためにも、会社とのつながりはあまり強くならない方がよいと考えています。

高橋 会社がこうした活動に資金提供すると、どうしても明確な目的や短期的な成果を求めがちになるのではないかと思います。そうなると、せっかく本人たちが主体的にやりたいことをやっているのに、その内容を歪めてしまうことになりかねません。

一方で、業務時間外の自由活動とはいえ、会議室利用を許可していますので、長時間活動を行って健康に影響したり本業に支障を来すことがないようにケアしなければならないと捉え、時間管理を要請しています。

向門 明後日Laboの活動については、あくまで自分たちの成長のために行っています。ですので、基本的には本業とは切り離して考えていますし、個人的には会社から何か怒られるまでは自由にやってOKという考えです。
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マインドセットが鍛えられ、会社の業務にも好影響

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