立教大学は、池袋と新座にキャンパスを構えるミッション・スクールです。10学部27学科8専修1コースがあり、学生数は約2万人。伝統的にファミリー意識が強く、OB・OGとの強い紐帯で知られています。洗練されたイメージが強いのは、学生の7割が首都圏出身ということも関係しているのかもしれません。今回はそんな都市型大学のキャリアセンターを訪ね、佐々木部長から就活指導の方針、企業と大学の連携についてお話を伺いました。

ゲスト

  • 佐々木 宏 氏

    佐々木 宏 氏

    立教大学
    キャリアセンター部長 経営学部教授 博士(経済学)

    専門はマーケティング・リサーチ、ITマネジメント。研究室では10年以上にわたり様々な企業と産学連携プロジェクトに取り組み、マーケティング・リサーチのほか、企業とのコラボ商品開発、イベント開催、新規事業開発支援、ハイテク企業とのアイデアソンなど多数の実績を挙げている。また、文系データサイエンティストの育成と普及にも注力している。
第1回 立教大学:「キャリアの立教」キリスト教に基づく教育理念を守りつつ、的確に時代変化を先取り

建学以来の真の人間教育と、変化の波に対応する人材育成

第1回 立教大学:「キャリアの立教」キリスト教に基づく教育理念を守りつつ、的確に時代変化を先取り
立教大学は「キリスト教に基づく真の人間教育を行う場」として1874年に設立されました。「自由の学府」と呼ばれる建学の理念は今日まで受け継がれ、リベラルアーツと国際性を重視した個性豊かな人材育成を目的としています。

伝統の継承だけではなく、社会動向に対する柔軟な対応も本学の特徴です。世界は大きな変化の波にさらされており、日本の第5期科学技術基本法は未来社会のコンセプトとして「ソサエティー5.0」を提唱しています。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会の次に登場する社会がソサエティー5.0です。

こうした時代の要請に応えるべく、2020年4月から人工知能科学研究科、経営学研究科リーダーシップ開発コースを新設しようとしています。普遍的な真理の探究とともに、世界、社会、隣人のために働くことのできる「専門性に立つ教養人」の育成が本学の教育理念となっています。

キャリアの立教

学生一人ひとりは新しい時代を創造する担い手である、このことを明確化するため、私たちは「キャリアの立教」という言葉を打ち出しています。ここで言うキャリアとは「仕事・職業を含めた、自立した個としての自分らしい人生のあり方」を意味し、「就職=ゴール」ではなく「就職=キャリアのマイルストーン」と考えています。

この原則に従い、キャリアセンターでは就職という”点”でなく、卒業後の人生まで見通した、いわば”線”としてのプログラムを提供しています。学生たちには、表面的な就活テクニックではなく、将来を見据え、自らの意思でより良いキャリアを切り拓いていく力を身につけることを望んでいます。

3万人のOB・OGが学生のキャリアをサポート

第1回 立教大学:「キャリアの立教」キリスト教に基づく教育理念を守りつつ、的確に時代変化を先取り
このようなキャリア教育を実現するために、多数のOB・OGや各学部との協力・連携を大切にしています。

まずOB・OGについてですが、キャリアセンターには約3万人のOBOGが登録する「卒業生名簿検索PC」を設置しています。どの大学にもOB・OG名簿はありますが、立教大学のOB・OG名簿の特徴は、現役学生を実際に支援してくれる人たちで構成されていること。母校に対する温かいファミリー意識は本学の目に見えない資産であり、キャリア教育を支える大きな強みです。

学生は様々な業種・職種のOB・OGに直接会いに行き、企業のWebサイトや会社案内では知り得ない具体的な事例やアドバイスを聞くことが出来るのです。

4年間を通じたキャリア支援

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