オンライン採用が主流として定着するなど、コロナ禍以前とは大きく異なる様相の新卒採用活動。2023年新卒採用活動では、現時点においてどのような特徴が見られているのだろうか。
HR総研では、2021年12月に各企業における2023年新卒採用活動に関する取組みや課題、採用手法の特徴等に関するアンケートを実施した。本レポートでは、2023年卒採用活動の「選考スケジュール」や「実施形式」、「ターゲット層の変化」などについての調査結果を、フリーコメントを含めて以下に報告する。

<概要>
●個別セミナーの開催月「2022年3月」がピーク、オンライン主体が主流
●選考面接開始は2〜4月が山場、年内開始は2割
●「グループ面接」は大企業で4割以上が実施、実施形式は?
●内定出し開始時期は前年並みが8割以上、4月が山場か
●「ターゲット層の変化」の要因は「事業変革に伴う人材要件の変化」が最多
●「ジョブ型採用の導入」はターゲット層変化する企業で3割近く

個別セミナーの開催月「2022年3月」がピーク、オンライン主体が主流

まず、「2023年新卒採用の個別セミナーを開催する月」を見てみると、従業員数1,001名以上の大企業では「2021年12月」頃までは2割前後の水準が続き、年明けから増え始め、政府主導の就活ルールでも採用広報が解禁となる「2022年3月」がピークで47%となり、「2022年4月」は38%と4割近くが開催している。また、301〜1,000名の中堅企業では「2021年11月」頃から増え始め、「2022年2〜4月」では過半数が実施する期間となっており、中でも「2022年3月」がピークで74%と7割以上の企業が開催するとしている。そして300名以下の中小企業では、「個別企業セミナーは開催しない」が最も多く36%となる一方、開催する企業で最も多い開催月は、やはり大企業・中堅企業と同様に「2022年3月」で32%となっている。いずれの企業規模でも「2022年3月」が開催月のピークとなるものの、時期の分散具合は企業規模別に異なる傾向がうかがえる(図表1-1)。

【図表1-1】2023年新卒採用の個別セミナーを開催する月(予定を含む)
「個別セミナーの開催形式」については、大企業と中堅企業では「対面形式のみで実施」とする企業はなく、大企業では「オンライン形式を主軸に対面形式でも一部実施」が最多で46%、「オンライン形式のみで実施」が29%となり、これらを合計した「オンライン形式主体で実施」(以下同じ)が75%と4分の3を占めている。中堅企業では「オンライン形式主体で実施」の割合が59%と6割を占め、大企業と同様にオンライン型での開催が主流となっているものの、「対面形式を主軸にオンライン形式でも一部実施」は36%と3分の1を超え、大企業とは10ポイント以上の差がある。一方、中小企業では「対面形式のみで実施」の割合が13%あり、「対面形式を主軸にオンライン形式でも一部実施」の19%と合計して32%が「対面形式を主体として実施」という意向を示しているが、中堅企業よりも3ポイント低い。「オンライン形式主体で実施」の割合は56%と過半数となり、大企業と中堅企業に並んでオンライン型での開催が多数派となっている(図表1-2)。

【図表1-2】2023年新卒採用の個別セミナー開催形式(予定を含む)

選考面接開始は2〜4月が山場、年内開始は2割

次に、「2023年新卒採用の選考面接を開始する予定月」を見てみると、大企業では「2022年3月」と「2022年4月」がピークで24%となり、2021年内までに開始した割合は18%と2割近くとなっている。中堅企業では「2022年2月」が最も多く24%、年内に開始した割合は17%と大企業と同程度の割合となっている。中小企業では「2022年3月」で20%と一度多くなるが、「2022年7月以降」とする割合も20%あり、選考開始時期は早期派と後期派に分かれている傾向が見られる。また、年内に開始した割合は19%と大企業より1ポイント高くなっており、一部のベンチャー企業等が通年採用や早期採用をしている影響があると推測される(図表2-1)。
「面接選考の実施形式」については、大企業では「対面形式のみで実施」は僅か3%で、ほぼすべての企業でオンライン型を取り入れていることが分かる。また、「オンライン形式を主軸に対面形式でも一部実施」が44%で最も多く、「オンライン形式のみで実施」の6%と合わせると50%となり、半数がオンライン型主体で面接選考を行う予定としている。中堅企業では「対面形式のみで実施」は7%と少なく、大企業とほぼ同等に9割の企業がオンライン型を採り入れている。一方、中小企業では「対面形式のみで実施」は23%と2割を上回り、オンラインを活用しながら面接選考の実施を予定している企業は6割程度にとどまる。ただし、個別セミナーの開催形式と比較すると、「対面形式を主体として実施」(「対面形式のみで実施」と「対面形式を主軸にオンライン形式でも一部実施」の合計)の割合が上昇しており、大企業で35%、中小企業では48%、中堅企業に至っては52%と過半数に上っている。また、「検討中」で方針を現時点では定めていない企業も一定数あり、採用面接の内容を吟味しながら、より効果的な開催形式を検討しているものと推測される(図表2-2)。

【図表2-1】2023年新卒採用の選考面接を開始する予定月
【図表2-2】面接選考の実施形式

「グループ面接」は大企業で4割以上が実施

開催形式を左右する要素の一つである「採用面接の開催形態」は、どのようになっているのだろうか。
「面接選考の実施形態」を企業規模別に見てみると、まずすべての企業規模において「個人面接」をほとんどの企業で実施することが分かる。その上で、その他の形態での実施意向を見ると、「グループ面接」が個人面接に次いで多く、大企業では44%、中堅企業で26%、中小企業で13%となっている(図表3-1)。
2020年10月にHR総研が実施した調査における「22卒の面接選考の実施形態」の結果では、大企業の「グループ面接」の割合が僅か14%にとどまっていたのに対して、23卒では実施する割合が大きく上昇していることが分かる。22卒採用では、いち早くオンライン面接に踏み切った大企業において、オンラインに不慣れな学生を集めての「グループ面接」の運営に不安を感じ、その実施割合が著しく低くなったことが推測される。一方、23卒採用では人事も学生もオンライン慣れしたこともあり、人材の見極めに必要な実施形態を選択できる体制を整えられた企業が多いのだろう。

【図表3-1】企業規模別 面接選考の実施形態
さらに、実施形式別に「面接選考の実施形態」を見てみると、「個人面接」は実施形式に関わりなくほとんどの企業で実施する中、「グループ面接」と「グループディスカッション」については、「(実施形式を)検討中」とする企業の割合が比較的多く、「グループ面接」では33%、「グループディスカッション」では22%となっている(図表3-2)。おそらく「グループ面接」や「グループディスカッション」を効果的に実施できる環境を整えるため、対面主体かオンライン主体かを決め兼ねている企業も少なくないのだろう。

【図表3-2】形式別 面接選考の実施形態

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】2022年&2023年新卒採用動向調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2021年12月15〜21日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2022年卒採用活動を実施された企業の人事責任者、新卒採用担当者
有効回答:184件

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