人手不足解消にマッチングアプリが一役|採用、育成・研修、労務・人事に関する情報ならHRプロ

人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • 大学と企業の合同相談会2018<2018.6.18開催>

人手不足解消にマッチングアプリが一役

HRプロ編集部
2018/01/25

慢性的な人手不足に陥っている物流、宅配業界などで、アルバイトのマッチングアプリがその問題解決に一役買っている。その仕組みはシンプルで、店舗内のスタッフでは埋めることのできない「シフトの穴」をアプリ上で公開し、別店舗のスタッフが自由に応募することができるというものだ。これによって、人手不足に頭を悩ませている店舗と、働きたい意欲のあるスタッフをマッチングさせる。手順を単純化することで、従来まで別店舗に「ヘルプ(助っ人スタッフ)」を要請するためにかかっていた手間を解消することに成功した。
ピザハットなどの宅配業者が利用している、パーソルキャリア株式会社が開発した「Sync Up(シンクアップ)」は、そうしたマッチングアプリの1つで、決まっているシフト以上に働きたい人が、同じチェーン店の別店舗のシフトの穴に、ヘルプとして1タップで応募できるアプリだ。これにより、人手の足りない店舗が、これまでは「ヘルプを派遣してくれ」と自主的に連絡を取らなければならなかったところを、ヘルプになりたい人からアプローチしてもらえる仕組みに逆転した。

また、物流においてもこうしたアプリが登場した。それはCBcloud株式会社が運営する「PickGo(ピックゴー)」というアプリだ。こちらは荷主とドライバーをマッチングしてくれ、登録しているドライバーが配送依頼をかけている荷主へアプリ上でコンタクトできるというもの。配送依頼をかけてから約3分以内にドライバーがエントリーできるスピーディーさが魅力で、サービス開始からマッチング率は95%以上を維持している。

このようなマッチングアプリはさらに自由な働き方を提示してきている。その一例ともいえるのが、株式会社リクルートジョブスがリリースしている「Job Quicker(ジョブ クイッカー)」だ。このアプリの強みは、1日で応募から採用までが完結するスピーディーさにある。1日のみの単発のアルバイトだけが掲載され、利用者は自由に応募が可能。24時間以内に採用の合否が決まるため、書類審査や面接などの手間が省け、気楽に働くことができる。これにより、利用者側の働くことへの精神的な壁が低くなる上に、企業側は急な人材不足にも役立てられるだろう。

バイク便大手である株式会社セルートが開発したアプリ、「DIAq(ダイヤク)」もそうした自由な働き方を後押ししている。「業界に属していない一般人のすき間時間を利用することができないだろうか」という考えのもと開発されたこのアプリは、一般の学生や主婦などが配送依頼に応じることができるシステムとなっている。サービスを利用したい荷主が配送先や荷物の量をアプリ上で入力すると、近隣にいる配達員が表示され、その配達員が提示する運賃や、過去にその配達員を利用したことのある荷主からの評価を参考にして選ぶことができる。配送物の盗難や破損などのリスク管理の面ではまだ課題はあるものの、こうした試みは今後も増えていくだろう。

特に物流や宅配業界では特定の繁忙期に大変な人手不足になりやすいため、こうしたマッチングアプリはまさに救世主となるだろう。しかしながら、労働契約を結ぶまでの手順を簡潔化すればするほど、労働者の責任意識は薄れていく危険性もある。そうした課題をどうやって解決するかなども含め、マッチングアプリの今後の躍進に注目していきたい。

プロフィール

HRプロ編集部

「採用」「教育・研修」「労務」「人事戦略」など、人事がイマ知りたい情報をご提供します。 押さえておきたい基本知識から、最先端のニュース関連情報、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届け。

関連リンク

  • 進化しつつある組織論。「ティール組織」とは何か ── 書籍出版記念セミナーレポート

    2018年3月8日、『ティール組織』(英治出版)の出版記念セミナーが東京都渋谷区のSmartNewsイベントスペースで開催された。当日は、早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄氏がファシリテーターとなり、NPO法人 場とつながりラボhome's vi代表理事の嘉村賢州氏(あとがき執筆)、株式会社ビオトープCEOの佐宗邦威氏(推薦文執筆)が登壇。ティール組織について解説した。今回はこのセミナーの様子をレポートする。

  • 怒りや不安を抑えたいときのコツ

    臨床心理士としていろいろな方とお話ししていると、感情のコントロールの仕方を教えてくださいといわれることが多くある。コントロールが必要な感情とは、怒りや不安といったネガティブな感情のことだと推察される。そこで今回は、そうした怒りや不安のコントロールについて考えてみたいと思う。

  • パワハラと“嫉妬”

    日本レスリング協会のパワーハラスメント(以下、パワハラ)問題が、世間を賑わせている。もちろん当事者にしかわからないことばかりだが、報道によると、選手や後任のコーチに対する「嫉妬」が原因の一つではないかと思われる。企業においても、パワハラ(パワハラに限らず、ハラスメント行為すべて)は、大きな問題になっている。以下、職場のパワハラの原因になりうる「嫉妬」について検討してみたい。

  • 「小論文試験」で何が分かるのか

    社員の昇級・昇格に際し、小論文試験を実施する企業は多い。しかしながら、小論文試験の機能を正しく理解したうえで実施している企業は、必ずしも多くないかもしれない。果たして、社員に小論文を記述させると何が分かるのだろうか。

  • 2018年、RPAでビジネスは変わるか?地方、行政にも拡がる「業務自動化」

    昨今、人手不足による業務負担の増加を背景とした、長時間労働を削減する打ち手の一つとして、RPAが脚光を浴びている。RPAとは、「Robotic Process Automation」の略で、ソフトウェア型ロボットによる、PC業務自動化の取り組みのこと。これにより主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担うことが期待できる。金融業界での入力作業などで導入が先行している印象だが、民間のみならず自治体でもRPAの活用が進められつつある。RPAツールを使いこなせる人材育成にまつわる課題など、複数の事例からRPA活用の今を追う。

  • いま注目されている採用手法

    労働力人口の減少、働き方の多様化、さらには仮想通貨の出現に象徴される社会システムの変化などに合わせて、企業の採用手法も変わってきている。20代・30代の若年層は、「賃金よりも有給休暇の消化率等のワークライフバランスを重視する」というデータがはっきりと出ており、今後の企業を支える若者に“刺さる“採用方法に変えていかざるをえないのは必定だ。しかし、いまだ求人媒体やハローワークなどの従来型の採用方法に依存している企業は多い。以下、「採用」についての包括的な解説をしつつ、現在注目を浴びている採用手法を紹介する。