厚生労働省は2023年12月22日、「2023年(令和5年)・障害者雇用状況の集計結果」を公表した。本調査結果により、民間企業や公的機関、および独立行政法人等における、雇用障がい者数・実雇用率・法定雇用率達成率が明らかとなった。なお、本記事では法律の名称を除いて「障がい」と表記している。
【障がい者雇用】『2023年・障害者雇用状況の集計結果』を厚労省が公表。「法定雇用率」達成企業の割合は50%超に

【民間企業】雇用障がい者数・実雇用率ともに過去最高を更新

「障害者雇用促進法」では事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(民間企業の場合は2.3%)以上の障がい者雇用を義務付けている。同法では、企業で障がい者を法定雇用率以上の割合で雇用することにより、個々人が障がいに関係なく、希望や能力に応じて職業を通じた社会参加のできる「共生社会」の実現を目指すと定めている。

厚労省は今回、同法に基づき障がい者の雇用義務のある事業主などに対し、2023年6月1日現在の身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者の雇用状況について報告を求めた。同省はその結果をまとめて「令和5年・障害者雇用状況の集計結果」を公表し、前年(2022年)の同様の調査と比較している。なお、「民間企業」(法定雇用率:2.3%)の障がい者雇用状況の概要は以下の通りだ。

●雇用障がい者数
民間企業(43.5人以上規模の企業:法定雇用率2.3%)に雇用されている障がい者の数は642,178人で、前年より28,220人増加(対前年比4.6%増)。20年連続で過去最高となった

●実雇用率
実雇用率は、過去最高の2.33%(前年2.25%)で、対前年比0.08ポイント上昇

●法定雇用率達成企業の割合
法定雇用率達成企業の割合は、50.1%(同48.3%)と半数を超え、対前年比1.8ポイント増加
民間企業における障害者の雇用状況

【公的機関】雇用障がい者数・実雇用率ともに前年を上回る結果に

公的機関(法定雇用率:2.6%、都道府県などの教育委員会は2.5%)の概要は以下の通り。
※カッコ内は前年の値

<国>
●雇用障がい者数
9,940人(9,703人)、前年比2.4%増加

●実雇用率
2.92%(2.85%)、前年比0.07ポイント上昇

●法定雇用率
44機関全てにおいて達成

<都道府県>
●雇用障がい者数
1万627.5人(1万409人)、前年比2.1%増加

●実雇用率
2.96%(2.86%)、前年比0.1ポイント上昇

●法定雇用率
知事部局は47機関全て達成、知事部局以外は116機関中105機関が達成

<市町村>
●雇用障がい者数
3万5,611.5人(3万4,535.5人)、前年比3.1%増加

●実雇用率
2.63%(2.57%)、前年比0.06ポイント上昇

●法定雇用率
2,460機関中1,910機関が達成

<教育委員会>
●雇用障がい者数
1万6,999人(1万6,501人)、前年比3%増加

●実雇用率
2.34%(2.27%)、前年比0.07ポイント上昇

●法定雇用率
都道府県教育委員会は47機関中31機関が達成、市町村教育委員会は48機関中33機関が達成

【独立行政法人等】雇用障がい者数・実雇用率ともに対前年で上回る

独立行政法人等(法定雇用率:2.6%)の概要は以下の通りだ。
※カッコ内は前年の値

●雇用障がい者数
雇用障がい者数1万2,879.5人(1万2,420.5人)、前年比3.7%増加

●実雇用率
2.76%(2.72%)、前年比0.04ポイント上昇

●法定雇用率
独立行政法人等(国立大学法人等を除く)は93法人中80法人が達成、国立大学法人等は86法人中77法人が達成、地方独立行政法人等は190法人中151法人が達成
厚労省が公表した「令和5年・障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業は、雇用障がい者数と実雇用率ともに過去最高を更新し、法定雇用率も半数の企業が達成したとわかった。また、公的機関と独立行政法人においても、雇用障がい者数と実雇用率ともに前年より上回った。2024年4月より、障がい者の法定雇用率は段階的に引き上げられることとなっており、民間企業においては、現行の2.3%から2.5%(2024年4月~)、2.7%(2026年7月~)となる予定だ。企業は今後、障がい者雇用の推進に向け、さらに取り組みを強化する必要があるだろう。

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