株式会社ポーラは2023年7月4日、同月より社内制度に「育業復帰サポート手当」を新設したことを発表した。同制度は、育児休業取得後の女性従業員が職場復帰をする際に支給していた現行のサポート手当を、性差なく支給するよう改正したものである。これにより、誰もが自分の可能性を諦めず主体的な選択を行い、自分らしく生きることができる社会の実現を目指すという。
ポーラが社内制度に「育業復帰サポート手当」を新設。職場復帰後の手当を性差なく支給できる制度に改正

制度改正により「性別を問わず仕事と育児を両立できる環境」を整える

ポーラが2023年7月より新設した「育児復帰サポート手当」は、育児休業(以下、育休)取得後の職場復帰をする際の支援として、育休を3ヵ月取得した従業員に一括でサポート手当を支給するものだ。かつては、女性従業員の職場復帰に伴う一時的な経済負担を軽減するための制度として実施されていた。

しかし、同社では「人生とキャリアを主体的に選び、さまざまな壁に諦めることなく豊かな人生を描くために、子どもをもつ従業員が性差にかかわらず育児に主体的に関わり、両立できる環境整備が必要」と考え、性差なく手当を支給する今回の制度改正に至ったという。また、実際にこれまで育休を取得した男性従業員からの希望の声も、同社の決定を後押ししたとのことだ。

厚生労働省公表の「育児休業取得率の推移」の資料によると、2021年度の育児休業取得率は、女性が8割台で推移する一方、男性は13.97%にとどまり、ジェンダーギャップが際立った。これを受け、同社は「ダイバーシティ経営」と「ジェンダー平等」を掲げ、2021年に株式会社ワーク・ライフバランスが推進する「男性育休100%宣言」に賛同した。これまでに、従業員やマネジメント層へのD&I研修、対象者への制度理解促進、相談体制の拡充、評価制度の見直しに取り組み、性差のない育児休業の取得を支援してきたという。

その結果、同社の育児休業取得率は、女性では2019年度から2023年度6月時点まで毎年100%を維持している。また、男性は2019年度では0%だったものの、2020年度に20%、2021年度に44%、2022年度に90%と4年間で徐々に上昇し、去る4月に改正された育児介護休業法により義務化された公表内容で算出すると、2023年度(2023年6月時点)は125%に達したとのことだ。

同社は、今後もこれらの取り組みを推進していくことで、「誰もが自分の可能性を諦めず、主体的な選択をし、自分らしく生きることができる社会」を目指したいという。

「育児・介護休業法」の改正により、育児休業取得率の公表が義務付けられるなど、社会全体で男性の育児休業取得を推進する動きが高まっている。一方、こうした手当の支給や短時間勤務の措置など育児休業取得後のサポートにおいては、女性を対象としている企業も依然として多く、女性に比べて男性の育休取得率はいまだ低いのが現状だろう。男性の育休取得を推進したい企業では、他社の事例も参考に、自社の支援制度を見直してみてはいかがだろうか。

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