株式会社シーオーメディカルは2023年7月20日、シニア世代を対象とした「仕事の意識に関するアンケート」の結果を発表した。調査期間は2023年5月10日~15日で、50歳~65歳の個人100名から回答を得ている。これにより、シニア世代における仕事への意識の変化や求めていること、他社での就労意欲などが明らかとなった。
シニア社員の約6割が「仕事のモチベーション低下」を実感。一方、“副業”や“越境学習”への意欲を持つ人も

約6割が「50歳を過ぎてからの仕事へのモチベーション低下」を実感と回答

2021年4月に「改正高年齢者雇用安定法」が施行され、65歳までの雇用確保(義務)に加えて、高年齢者就業確保措置として定年引き上げや定年制の廃止など、70歳までの就業機会の確保が努力義務とされている。そのような中、シニア世代は仕事に対しどのような意識を持っているのだろうか。

まずシーオーメディカルは、「50歳を過ぎてからの仕事に対する意識の変化」を尋ねた。すると、「仕事に対するモチベーションが低下している」が58%と突出した。続いて、「今の仕事は自分の力を活かせると感じている」が22%だった。
50歳を過ぎてからの仕事に対する意識の変化

シニア世代が仕事に求めることは「やりがい」が上位に

次に同社が、「50歳以降の仕事に求めていること」を聞いたところ、1位は「やりがいが感じられる仕事」(45%)、2位は「プライベートな時間が確保できる仕事」(44%)、3位は「自分のスキルを活かせる仕事」(30%)だった。これら各項目が、4位の「給与の額」(26%)を上回る結果となった。
50歳以降の仕事に求めていること

定年後は「プライベートの充実」と「新しいことへの挑戦」が多数

続いて、「定年を迎えたらやりたいこと」について質問したところ、「趣味を楽しみたい」(1位)と「友達や家族と過ごす時間を過ごしたい」(2位)が上位となり、プライベートを充実させたい意向がうかがえる結果となった。

他方で、3位に「起業や副業に挑戦したい」、4位に「新しいことを学びたい(資格など)」が挙がったことから、定年後も仕事の継続を希望している人がいることもわかった。
定年を迎えたらやりたいこと

転職や副業の希望がある一方で「収入面の不安」がハードルに

次に、同社が「定年を迎えたらやりたいことを現在実施する際のハードル」を聞いたところ、「収入面の不安」(48%)が大多数を占めた。次いで、「色々試したいが時間がない」、「やり方がわからない」が続いた。
定年を迎えたらやりたいことを現在実施する際のハードル

「週1回から他社で働ける機会があれば試してみたい」との回答は6割以上に

最後に、同社が「会社を辞めずに週1回から他社で働ける機会があれば試してみたいと思うか」を尋ねた。すると、63%が「試してみたい」と答えた。また、同質問への回答を会社員/フリーランスに分けて見てみると、「試してみたい」と答えた人の割合は会社員で69%、フリーランスで57%だった。

また、「他社で働くことを試してみたい」と答えた人に「その理由」を自由回答で聞いたところ、「今とは違う仕事をやることでスキルが身につくし、新たなやりがいや才能を発見できるかもしれないから」や「見識を広げる、知見を増やす、仕事に生かす、モチベーションをあげるなどが期待できるから」、「違う業界や働き方を体験してみたいから」といった声が寄せられたという。

一方で、「試してみたくない」理由には、「自分でできるか不安」や「体力的に難しい」、「他の会社の仕事を平日に対応できないから」といった意見が聞かれた。
会社を辞めずに週1回から他社で働ける機会があれば試してみたいと思うか
本調査結果から、50歳以降のシニア世代のうち約6割が「仕事のモチベーションの低下」を実感していることがわかった。一方で、定年後も仕事を継続したい意向や副業への挑戦意欲を持つ人もいるようだ。働く意欲のあるシニア世代を後押しするためには、50歳以上の社員へのリスキリングや副業での採用など、高年齢者が活躍できる環境を整備することが有効となるのではないだろうか。

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