学校法人近畿医療学園近畿医療専門学校は2023年1月11日、「リスキリング」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2022年12月9日~11日で、20代~30代前半のサラリーマン1,003名より回答を得た。これにより、若年層のビジネスパーソンが現職に対して抱える不安の有無や不安要素に対する取り組みなどが明らかとなった。
若手社会人の半数以上が「リスキリングの必要性」を実感。現職に対する不安からスキルや資格取得に取り組む若年層も

現職に対して感じる不安要素は「物価高」や「賃上げの有無」か

昨今、新型コロナウイルス感染症流行に加えて物価高も加速しつつあり、自社の存続を危ぶむ企業も少なくない。不安定な情勢の中で、ビジネスパーソンは自身の仕事やスキルについてどのような不安を抱えているのだろうか。近畿医療専門学校ははじめに、現在(調査時点)の職に対して、「倒産するかもしれない」、「辞めたいが生活のために辞められない」など、「将来への不安を感じたことがあるか」を尋ねた。すると、「感じたことがある(今はさほど感じていない)」が39.6%、「今も感じている」が31.1%と、計70.7%が不安を感じたことがあるとわかった。

さらに、「どのような不安を感じているか」を尋ねると、「ボーナスがカットされたことを機に、このまま下がり続けたらどうしようと不安になった」や「今の会社で仕事と子育ての両立ができるか。物価高に応じて給料も上がらないと困る」などの声が寄せられた。
現職に対して将来への不安を感じたことがあるか

不安要素をなくすために「何をしたらよいのかわからない」が半数超

次に同校が、「不安要素をなくすために取り組んでいることはあるか」を尋ねると、「ある」が44.4%、「ない」が55.6%だった。

「取り組んでいない」との回答者にその理由を尋ねると、「何をしたらよいのかわからないから」が56.9%と最も多かった。不安を抱えているものの、具体的な手段がわからず行動に移せていない様子がうかがえる。

一方で、「取り組んでいる」との回答者に、具体的な取り組み内容を尋ねると、「資格取得のため通信制大学に通学」、「他会社との接点を作る」など、新たな資格取得や、現職を離れても選択肢を広げられるような対策をとっていることがわかった。
不安要素をなくすための取り組みの有無と取り組んでいない理由

約4割が現時点で「転職を視野に入れている」と回答

続いて同校は、「将来について現時点で考えていること」を尋ねた。その結果、「転職を視野に入れている」が40.8%と、4割が転職を考えていることが明らかとなった。他方で、「現在の会社で働き続ける(現在の会社で安定を目指す)」が29.3%、「現在の会社で働き続ける(現在の会社で出世、昇格を目指す)」が17.4%と、4割超が現在の会社で働き続けたいと考えていることもわかった。
将来について現時点で考えていること

半数以上が「リスキリングの必要性を感じたことがある」と回答

次に同校は、「仕事をする中で、リスキリングの必要性を感じたことはあるか」と尋ねた。すると、「かなりある」が14.8%、「少しある」が40.4%で計55.2%となり、半数以上がリスキリングの必要性を感じていることがわかった。
リスキリングの必要性を感じるか

約8割が将来を見据えた「スキルや資格習得の必要性」を実感

最後に、同校が「将来を考え、スキルや資格取得をしておくことは必要であると思うか」を尋ねると、「かなりそう思う」が33.9%、「少しそう思う」が45%と、計78.9%が将来に向けて新たなスキルや資格の習得が必要だと感じていることがわかった。

あわせて、「実際にリスキリングに取り組んでいるか」を尋ねると、「現在取り組んでいる」が15.8%、「取り組んでいないが過去に取り組んだことがある」が19.9%で、3割以上の人がリスキリングに取り組んでいる、もしくは取り組みの経験があることがわかった。また、「取り組んでいないが取り組もうと思っている」も37.3%と、今後実施を予定しているビジネスパーソンも4割弱いることが明らかとなった。
将来のためスキルや資格の取得は必要か/実際にリスキリングに取り組んでいるか
本調査から、現職に対して「不安を感じたことがある」とする若年層のビジネスパーソンは7割にのぼることがわかった。転職やキャリアアップに向けた資格の習得など、将来のためにリスキリング等に取り組むビジネスパーソンもいるようだ。企業として従業員の不安要素を払拭できるような取り組みやサポートを検討してみてはいかがだろうか。

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