一方で、考えておきたい点は、「障害者雇用率達成指導」と「社名公表」は、確かに企業にとって障がい者雇用に取り組む1つの大きな要因とはなってはいるものの、これを取り組むための主たる理由にしてしまうと、障がい者雇用への理解や協力を社内で得るには、なかなか進めにくい状況があるということです。

社内で障がい者雇用を進める担当者が、「法律で障がい者雇用をしなければならないから」と、他の従業員に協力を呼びかけたり研修をおこなったりしたとしても、それを受け取る従業員は敏感にそれを察知してしまいます。雇用率を達成するために障がい者を雇用する、そのための障がい者の仕事を作り出す……という「〜しなければならないから」という発想を変えていくことも大切です。

会社として、「もし人材がいたらこんなことがしてほしい」、「本当は手をつけなければならないことがあるけれど、まだ手がつけられていない」といった仕事を見つけて、それをもとに業務設計したり、時には分解しながら組み立てることができると、組織にとって本当に必要な人材として障がい者雇用を進めることができます。そして、「障害者雇用率達成のための障がい者雇用」ではなく、「会社の戦力となる障がい者雇用」を実現することができるのです。

障がい者の仕事内容の作り方については、こちらでも紹介していますので、参考にしてください。
障がい者雇用&戦力化の教科書 第3回「障がい者の仕事内容はどのようにして作り出せばよいか」
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