昨今のアルバイト採用事情について、現場の持つ悩みの大半が採用関連だという。リフカムが店舗運営に携わる管理者や店長などを対象に行った調査によると、「採用しにくい」(2位)、「休暇が取りにくい」(4位)、「採用してもすぐ辞める」(5位)、「職場で信頼できるメンバーがいない」(8位)などが上位に入り、現場で人にまつわる悩みが尽きないことがわかる。
リファラル採用が4割超! アルバイトのリファラル採用を活性化させたglobの取り組みとは
アルバイト採用において有効な手段の一つが、リファラル採用だ。自社の従業員や社外の人脈を通じて人を紹介、推薦してもらう採用手法で、仕事を探していない潜在的な求職者にもリーチできるうえ、コストもかからない。また、求人媒体経由の採用は、入社後1割しか残らないといわれているが、リファラル採用では入社前後のギャップによる離職が少ないこともあり、半数以上が定着しているというデータもある。アメリカでは採用形態の柱となっているようだが、日本では成功のノウハウが多く存在せず、制度設計にも二の足を踏みがちという現状がある。

2018年8月に「リファラル採用成功事例セミナー」が開催された。本セミナーでは、青山商事グループで、飲食事業を中心としたFCビジネスを全国で展開する株式会社globの人事担当者から、アルバイト採用領域におけるリファランス採用のトレンドや、導入におけるポイント、活用法など、現場で起こった生きた情報が惜しみなく共有された。

アルバイト採用領域でのリファラル採用成功のカギとは?

リファラル採用が4割超! アルバイトのリファラル採用を活性化させたglobの取り組みとは
まず、リファラル採用活性化クラウドツール「Refcome」を提供するリフカム木村氏から、トレンドと「アルバイト採用領域でのリファラル採用成功のカギ」が紹介された。

冒頭、木村氏は「リファラル採用は戦略的に進める必要がある」と語気を強めた。というのも、リファラル採用の根底には、協力社員の存在が不可欠だからだ。一朝一夕に構築できるものではなく、リファラル採用をプロジェクト化して、「協力社員を増やすこと」を推進しつつ、社員協力率の計測や可視化が欠かせない。そのためには以下の3つのポイントがカギとなると力説した。

1. 会社としての本気度を示す
2. 継続的な発信
3. 紹介しやすい環境(仕組み)づくり

特に、社長や影響力のある人物が、会社経営方針としてリファラル採用について発信し、周知を徹底することは効果的だという。単に、朝礼やポータルサービス、掲示板などで、社員紹介制度を1回告知しただけでは、制度が進まないと話す。

また、木村氏は、紹介の報奨としてインセンティブを支払うことについては懐疑的にみている。これまで携わった企業の事例より、インセンティブ制度の創設、既存の報酬額の釣り上げも、それ自体では社員自体を動かすことはできないという。要は、社員が心の奥底から「紹介したい」というモチベーションがないと行動として表れないのだ。そのためにも、「そもそも論として、社員である紹介者が自信を持って紹介できる会社作りを、忘れてはならない」と強調した。

紙媒体中心の採用からリファラルへの転換へ

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