HR総研と楽天みん就は、2023年卒学生を対象にした就職活動の最新動向を調査した。コロナ禍でのオンラインを活用した就職活動が定着しつつある中、学生はどのように就職活動を行っているのだろうか。
本調査結果について「就職活動編」と「就職意識編」の2本に分けてレポートする。1本目の本レポートでは、23卒学生の「就職活動編」についてフリーコメントを含めて報告する。

<概要>
●就職活動の開始時期、やや前倒しの傾向
●インターンシップ参加「4〜6社以上」が6割近く、オンライン参加が圧倒的
●インターンシップに参加した企業へのエントリーは9割
●最も利用している就職ナビは「マイナビ」、使いやすさや情報の多さが魅力
●学内企業説明会への参加率が低い一方、企業個別セミナーはオンライン参加率が高い傾向
●逆求人サイトを経由した企業からのオファーを受けた割合は6割、22卒より増加傾向
●オンラインで面接を受けた割合7割程度、開始時期22卒より早期化の傾向も
●インターンシップか逆求人オファー経由での内定(内々定)を受けた割合9割近く
●就職活動で最も利用率が高いSNSは「Instagram」

就職活動の開始時期、やや前倒しの傾向

まず、2023年卒学生が「就職活動を始めた時期」を見てみると、文系・理系ともに「学部3年生6月」が最も多く、文系21%、理系26%となっている。次いで「学部3年生5月以前」がそれぞれ19%、20%であり、「学部3年生6月」以前に始めた学生の割合はそれぞれ40%、46%となり、4割以上に上っている。この割合は、昨年3月に実施した「2022年卒学生の就職活動動向調査」の結果(同31%、37%)より1割ほど多くなっており、就職活動の開始時期が昨年よりやや前倒しされていることがうかがえる(図表1-1)。
今年3月時点で「すでに取り組んでいる就職活動」については、「就職ナビへの登録」が最多で、文系96%、理系93%、次いで「インターンシップへの応募・参加」がともに75%、「口コミサイトへの登録」がともに70%などとなっており、上位3項目については文系・理系のいずれも同等の割合で取り組まれていることが分かる。「企業への選考面接」は文系53%に対して理系62%で、「内定(内々定)」は文系26%、理系33%となり、3月時点で「選考面接」及び「内定(内々定)」に進んでいる学生の割合は、文系より理系の方が多いことがうかがえる(図表1-2)。

【図表1-1】文理別 就職活動を始めた時期
【図表1-2】文理別 就職活動で既に実施していること

インターンシップ参加「4〜6社以上」が6割近く、オンライン参加が圧倒的

「インターンシップの参加社数」については、全体では「0社」の割合(「応募していない」と「応募はした」の合計、以下同じ)は文系16%、理系12%で、ともに2割未満となっており、文系で最も多いのは「10社以上」で27%、理系で最も多いのは「4〜6社」で25%となっている。「4〜6社」以上の割合(「4〜6社」〜「10社以上」の合計、以下同じ)は、文系57%、理系59%と6割近くとなっている(図表2-1)。
これを参加形式別に見ると、対面型では「0社」の割合は文系52%、理系50%となり、過半数の学生が1社にも参加していないことが分かる。参加した中では文系・理系ともに「1社」が最も多く、それぞれ22%、30%となっており、対面型に参加していても複数社に参加しているわけではないことがうかがえる。一方、オンライン型では「0社」の割合は文系21%、理系15%と対面型より圧倒的に低く、最も多いのは「4〜6社」で文系19%、理系25%となっており、「4〜6社」以上の割合は文系49%、理系51%で、半数程度に上っている。したがって、対面型よりオンライン型のインターンシップに数多く参加していることが顕著となっている。

【図表2-1】文理別・形式別 インターンシップの参加社数
「インターンシップに参加した時期」については、対面型とオンライン型ともに「2021年8月」が最も多く、対面型33%、オンライン型58%となっており、すべての月において、対面型よりオンライン型で参加した割合が顕著に高くなっている(図表2-2)。オンライン型では「2021年8月」に6割近くに達して以降、「2022年1月」(45%)まで4割以上をキープしており、22卒学生と同様に夏季・冬季の長期休暇期間の間にある授業期間にも高い割合の学生がオンライン型のインターンシップに参加している傾向がうかがえる。また、経団連が就活ルールを主導していた時代には、夏季よりも冬季のほうがインターンシップの開催数、就活生の参加数ともに多い傾向にありましたが、2021年卒採用から政府主導に代わってからは早期化がより顕著となり、夏季のほうが多くなっている。

【図表2-2】形式別 インターンシップに参加した時期

インターンシップに参加した企業へのエントリーは9割

インターンシップに参加したが学生に対して、「インターンシップに参加した企業へのエントリー状況」を聞いたところ、「半数以上の企業にエントリーした(する予定)」が46%と半数近くに上り、次いで「半数未満の企業にエントリーした(する予定)」が25%となり、少なくとも1社以上にエントリーした(する予定)の学生は91%と9割に上っている(図表3-1)。
学生にとって、インターンシップに参加する企業は少なからず関心を持っている企業であり、インターンシップで企業の事業内容や雰囲気、自身と企業との相性などを確かめるとともに、自身を企業にアピールする場と捉えている学生が多い。そのため、インターンシップで好印象を受ければ、参加した企業に入社したいという学生の志望意欲が高まるのは、自然な流れなのだろう。

【図表3】インターンシップに参加した企業へのエントリー状況

最も利用している就職ナビは「マイナビ」、使いやすさや情報の多さが魅力

「就職活動で最も利用している就職ナビ」については、文系・理系ともに「マイナビ」が圧倒的に多く、それぞれ48%、39%となっている。次いで「ONE CAREER」がそれぞれ15%、19%、「リクナビ」がそれぞれ10%、12%などとなっている(図表4-1)。これら上位3サイトについては昨年3月実施の22卒学生調査の結果と同様の傾向となっている。

【図表4-1】就職活動で最も利用している就職ナビ
「就職活動で最も利用している就職ナビ」として学生が選んだ理由について、上位5サイトに対するフリーコメントを、以下に一部抜粋して紹介する。

【図表4-2】「就職活動で最も利用している就職ナビ」として選んだ理由(上位5サイト、一部抜粋)
サイト名最も活用している理由文理区分大学区分
マイナビ企業の情報が多く掲載されている文系旧帝大クラス
マイナビサイト自体見やすく、説明会の予約などもできるから文系上位私立大
マイナビアプリもあるし、使いやすいメールもけっこう来る文系その他私立大
マイナビ周りでも利用している人が多いから理系旧帝大クラス
マイナビ企業管理がしやすく、エントリーなどの操作も簡単であるため、利用している理系上位国公立大
ONE CAREER過去のESや面接を確認できるプラットフォームになっているから文系早慶大クラス
ONE CAREER内定者の選考体験をほとんどの企業について見ることができるから文系早慶大クラス
ONE CAREER選考対策が充実しているから文系その他国公立大
ONE CAREER実際の口コミが一番多く、本選考への参考になるものが多いため理系上位私立大
ONE CAREER選考フローが詳しくなっているため理系その他国公立大
リクナビ企業が探しやすいため文系上位私立大
リクナビ企業数の数と使いやすさ文系その他私立大
リクナビオンラインでの業界研究セミナーが多かったから理系旧帝大クラス
リクナビレイアウトが見やすい理系その他国公立大
リクナビ最も早い時期から利用しており、毎日開く癖がついていたから。また、セミナーなどの参加特典を高確率でもらえたから理系その他国公立大
楽天みん就同じ学生の体験記を通じて選考への事前の備えや心づもりができるから文系早慶大クラス
楽天みん就具体的なコメントが多くとても勉強になったため文系上位私立大
楽天みん就その企業の詳しい口コミやESが見られるから文系中堅私立大
楽天みん就掲示板があるから理系旧帝大クラス
楽天みん就掲示板がリアルタイムで動くからかなり便利理系旧帝大クラス
OfferBox最も質がいいと感じたから文系その他国公立大
OfferBox自分からアプローチをするのが当たり前ではない面白さや、意外な会社からのオファーがあって、楽しみだから文系その他私立大
OfferBox自分の特性を見てオファーしてくださるから理系早慶大クラス
OfferBox自分では調べられていなかった企業との出会いがあるから理系上位国公立大

学内企業説明会への参加率が低い一方、企業個別セミナーはオンライン参加率が高い傾向

「3月開催の学内の(合同)企業説明会に参加した回数」について、文理別および参加形式別で見てみる。すると、文系・理系および参加形式に関わらず、「0回(参加予定なし)」が圧倒的に多く、「文系 対面」が68%、「理系 対面」が77%、「文系 オンライン」が45%、「理系 オンライン」が55%と、対面では7割前後、オンラインでは半数前後が1回も参加していないことが分かる(図表5-1)。参加した学生の中では「1回」が最も多く、オンライン型の方が対面型より多いものの、いずれも2割未満となっている。

【図表5-1】文理・形式別 3月開催の学内の(合同)企業説明会に参加した回数
「企業個別のセミナーや会社説明会への参加社数」については、対面型とオンライン型では傾向が顕著に異なっている。対面型では文系・理系ともに「0社」が圧倒的に多く、文系55%、理系65%と過半数に上り、特に理系の学生の参加率が低く、対面型の個別セミナー等に参加する割合は4割未満にとどまっている。一方、オンライン型では「0社」は文系5%、理系4%とともに僅か5%以下にとどまっている(図表5-2)。
1社以上に参加した中では、対面型では「1社」が最多となる一方、オンライン型では「4〜5社」以上が文系63%、理系57%と6割前後に上っており、全体では23卒学生は、「オンライン型の企業個別のセミナーや会社説明会」に積極的に参加している傾向がうかがえる。

【図表5-2】文理・形式別 企業個別のセミナーや会社説明会への参加社数
「企業個別のセミナーや会社説明会に、初めて参加した時期」については、文系・理系に関わらず「2021年6月以前」が最も多く文系18%、理系19%と2割近くとなっている(図表5-3)。また「2021年12月」までの割合は文系65%、理系70%となっており、7割程度と大半の学生が年内に企業の個別セミナー等に参加し始めていることが分かる。

【図表5-3】文理別 企業個別のセミナーや会社説明会に、初めて参加した時期

逆求人サイトを経由した企業からのオファーを受けた割合は6割、22卒より増加傾向

「逆求人サイトを経由した企業からのオファーを受けた社数」については、文系・理系ともに「0社」が最も多く、それぞれ35%、43%で、6割程度以上の学生は、少なくとも1社以上からのオファーを受けたことがあることが分かる。また、「0社」とする22卒学生の割合(同41%、48%)と比較すると、企業から逆求人サイトを経由したオファーを受けている学生の割合は、22卒より23卒の方が高いことがうかがえる。最も多いのは、文系の「6〜10社」で15%、理系では「21社以上」が11%となっている(図表6)。
23卒学生の間では、自ら積極的に志望企業にエントリーする従来どおりの手法と併行して、逆求人サイトに登録し自身のプロフィールに関心を持つ企業からのオファーを受ける手法も取り入れて就職活動に取り組んでいる学生が多数派となってきていることがうかがえる。

【図表6】文理別 逆求人サイトを経由した企業からのオファーを受けた社数

オンラインで面接を受けた割合7割程度、開始時期22卒より早期化の傾向も

「面接を受けた会社の社数」についても、対面型では、文系・理系ともに「0社」が圧倒的に多く、文系63%、理系70%となっている。オンライン型で少なくとも1社以上受けた学生の割合は、文系66%、理系74%となっており、さらに「4〜6社」以上はそれぞれ24%、29%で、文系より理系の方がやや高い割合で、3月までに複数社の選考面接を受けていることが分かる(図表7-1)。

【図表7-1】文理・形式別 面接を受けた会社の社数
「初めて選考面接を受けた時期」については、「2021年12月」までの割合は文系で52%、理系で46%とやや文系の方が早く面接を受け始める学生の割合が高い傾向にある。ただし、理系学生はピークである「2022年2月」に25%と4分の1が開始しており、「2022年2月」までに開始した割合を見ると、文系88%、理系89%と同等の割合に追い付いていることが分かる。また、昨年3月調査における22卒学生が「2022年2月」までに開始した割合(同75%、77%)と比較すると、それぞれ13ポイント、12ポイント増加しており、選考面接への参加開始時期がやや早まっていることが分かる(図表7-2)。

【図表7-2】文理別 初めて選考面接を受けた時期

インターンシップか逆求人オファー経由での内定(内々定)を受けた割合9割近く

「内定(内々定)を受けた企業の有無」については、内定(内々定)を受けた企業が「ある」とする割合は、文系で32%、理系で42%となり、理系の方がやや高いことが分かる(図表8-1)。
また、内定(内々定)を1社以上受けた学生の中で、「逆求人オファーまたはインターンシップ経由の内定を受けた割合」は、文系で85%、理系で86%となっている。3月までに早期内定を得ている学生は、文系・理系ともに9割近くがインターンシップ参加もしくは逆求人オファーを経由していることが分かる(図表8-2)。さらに、政府による就活ルールの改定により、2025年卒からは採用直結のインターンシップが認められることとなることから、特に、インターンシップ経由の早期内定という傾向に拍車がかかることだろう。

【図表8-1】文理別 内定(内々定)を受けた企業の有無
【図表8-2】文理別 内定を受けた学生の中での、逆求人オファーもしくはインターンシップ経由の内定を受けた割合

就職活動で最も利用率が高いSNSは「Instagram」

最後に「就職活動で利用しているSNSや動画共有サービス」について見てみる。
最も利用率が高いのは「Instagram」で文系・理系ともに37%、次いで「Twitter」が文系36%、理系31%、「YouTube」が同33%、28%、「LINE」が同33%、23%などとなっている。文系の方が理系より複数のSNS等を就職活動に利用している傾向がうかがえる。なお、昨年3月調査において22卒学生は文系で「LINE」(36%)、理系で「YouTube」(38%)がそれぞれトップであり、「Instagram」(文系33%、理系17%)は4位となっていた。デジタルネイティブである学生が利用するSNSは、変化スピードが速いことを改めて感じさせられる(図表9-1)。
その利用目的としては、「他の就活生からの情報収集」が最多で52%、次いで「志望企業からの情報収集」が37%、「友人との情報交換」が30%などとなっている(図表9-2)。志望企業からの情報とともに、自身と同じ立場である就活生からのリアルタイムの情報を収集・交換するためにSNS等を活用している学生が多いことが分かる。コロナ禍において企業が採用活動のオンライン化を進めるとともに、大学でのリアルな交流の機会が持ちづらい学生にとって、情報収集・交換アイテムとしてSNSの重要度は高まっているだろう。

【図表9-1】文理別 就職活動で利用しているSNSや動画共有サービス
【図表9-2】SNSや動画共有サービスを就職活動で利用している目的

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研×楽天みん就】2023年卒学生の就職活動動向調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)、楽天みん就(楽天グループ株式会社)
調査期間:2022年3月8〜22日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2023年卒業予定の「楽天みん就」会員学生
有効回答:851件

※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照いただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
1)出典の明記:「ProFuture株式会社/HR総研」
2)当調査のURL記載、またはリンク設定
3)HR総研へのご連絡
  ・会社名、部署・役職、氏名、連絡先
  ・引用先名称(URL) と引用項目(図表No)
  ・目的
Eメール:souken@hrpro.co.jp

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詳細につきましては、上記メールアドレスまでお問合せください。

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