妊産婦が職場に求めるのは「周囲の理解・協力」と「勤務時間の融通」、裏腹にマタハラで退職勧告された人も

働き方改革の一環として産休・育休制度の整備が行われているが、「働きながら安心して妊娠・出産できる職場」の実現はどれくらい進んでいるのだろうか? 妊娠・出産・育児の総合情報サイト「赤ちゃんの部屋」を運営するゼネラルリンクは2019年3月、全国の20〜50代の妊娠出産経験のある女性を対象に、「妊産婦の働き方と会社の取り組み」に関する調査を実施した(調査人数:1,107人)。

育休・産休取得に際し壁を感じる事柄とは?

■産休や育休は取りやすかったか?

「取りやすかった」「どちらかといえば取りやすかった」を合わせると、全体の約65%が「取得しやすい」と感じていることがわかる。その一方で、「取りにくかった」との回答も34.9%にのぼり、制度が浸透しているとは言えない状況だ。

■会社や上司に言いづらかったことは?

働きながら妊娠・出産をする上で一番ハードルが高いのは「妊娠報告」となり、ほかの回答に比べて圧倒的な差を付けた。以下、「産休・手当などの制度の相談」「妊娠検診の休勤相談」と続いている。働き方が多様化しているとはいえ、妊娠・出産による環境の変化にまわりの協力が得られるかどうか、不安に感じる人はまだまだ多いようだ。

■言いづらかったことを伝えた方法は?

ここで注目したいのは、「母性管理健康指導事項連絡カードを利用した」という回答が極端に少ないことだ。本カードは厚生労働省が推奨しているもので、仕事を持つ妊産婦が医師などから通勤緩和や休憩などの指導を受けた際に、その内容を職場へ的確に伝えるために利用する。ところが、そもそも認知度自体が低いことが明らかとなった。

3人に1人は「マタハラを受けた」と感じている

■上司や同僚からマタハラを受けたことがあるか?

「ある」「受けたかも知れない」の合計は33.8%となり、約3人に1人がマタハラを受けた経験があると感じていた。その具体的な内容は以下の通りだ。

■どんなマタハラを受けたのか?

マタハラの内容は、「皮肉や嫌味を言われた」が40%で最多となった。また、驚くことに3位には「退職を促された」が入っている。「契約を切られた」「出産経験がある同僚から“残業ができないならやめろ”と言われた」といった回答が寄せられており、約5人に1人が退職勧奨を受けたことになる。「産休・育休制度の整備」以前の、時代に逆行する問題が浮き彫りとなった。

著者プロフィール

HRプロ編集部

採用、教育・研修、労務、人事戦略などにおける人事トレンドを発信中。押さえておきたい基本知識から、最新ニュース、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届けします。

テーマ別特集「HRテクノロジー」