福利厚生・安全衛生 人事・労務全般・その他

新型コロナウイルス感染症のガイドライン

コロナ禍はあいかわらず猖獗(しょうけつ)を極めております。最近、職場における感染を防ぐためのガイドラインといったものがいろいろと出ております。このうち最低限「会社側が知っておかなければいけない」ものをあげておきます。

企業がチェックしておくべき3つのガイドライン

まずは内閣官房が公開している「感染拡大予防のガイドライン」です。主に劇場等の客を入れて行う職域においてのガイドラインで数日に一度アップデートされておりますのでご自身の業種におけるガイドラインは最新のものを把握しておく必要があります。下記のページからリンクをたどってご覧ください。

内閣官房:新型コロナウイルス感染症対策」

次に一般的に職場における感染を防ぐものとして厚生労働省が作ったチェックリストがあります。

これにも会社は目を通して衛生委員会等でよく審議しておくべきです。これも頻繁に改定されています(最新版は2020年8月5日です)。使用法のところにも書いてありますが、すべてに「〇」が付く必要はなく、業種や体制などについては付けられない項目もあります。それでも可能な限り「〇」が付くように努力するべきです。

厚生労働省:働く方・経営者への支援などのリーフレット一覧(新型コロナウイルス感染症)

3つ目として、日本産業衛生学会が日本渡航医学会とともに作っている「職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド」があります。この原稿を書いている時点での最新版は「8月11日付」となりますので、下記からたどってご覧ください。

日本産業衛生学会:新型コロナウイルス感染症情報

風邪症状がある者・新型コロナウイルス感染者の出勤の目安

さて、産業医として働いていて、「風邪症状が出ているのだが近くのクリニックに行ったら新型コロナウイルス感染症ではないと診断された従業員を働かせていいか」という質問をよく聞くようになりました。このような問題に関しては上記の3番目にあげた日本産業衛生学会の「新型コロナウイルス感染症情報」をご覧ください。

まず基本的なこととして、新型コロナウイルス感染症の症状は風邪と変わらないので、出勤前に症状があれば出勤しない、もし出勤中に症状が出た場合には帰宅させること、が求められます。この条件を厳密に守るのは難しいのですが、基本的にはこれが「可能」であるように体制を組むことが企業には求められます。実際、職場でのクラスター発生はこのところ急速に増えており、家族、夜の街、会食と並んでリスクが高くなっています。多くの場合発端者は風邪症状をおして出勤しているので、症状がある場合は自宅待機、または在宅ワークを命じることを強くおすすめします。

ついで、その方が新型コロナウイルス感染症であると診断された場合、軽い風邪程度の症状の方から肺炎を生じ長期入院をする方や、中には命を落とす方もおられます。このガイドラインでは、主に軽症の方について述べられています。

まずは、感染した方が十分回復していることが必要です。これについては医者が「もう働いていいよ」と判断してくれることがほとんどだと思います。

そのうえで、表4をご覧ください。このウイルスは症状発症後1週間すると他人に感染させる力を急速に失います。以前は「14日間の自宅待機」となっていたのですが、そこが「10日間」に短縮されました。
出典:「職域のための 新型コロナウイルス感染症対策ガイド 第3版(2020年8月11日)」


勘違いしやすいのは「発症した日は0日目」であるということです。つまり月曜日に熱が出た場合、その日が0日目となり、10日経過するのは次の週の木曜日になります。したがって出勤してよいのは「金曜日」になります。また、この時点で症状がないこと(解熱剤や鎮咳剤等の服用を中止してから3日経過していること)も必要です。この場合も、「症状がなくなった日を0日目」と考えます。

なお、明記されてはいないのですが、独居でのテレワークであれば職場で他人に感染させるリスクはなく、家族にもうつさないので、日数に関する要件は不要であると考えられます。ただここにも書いてあるように、その後もしばらくの間は体調の変化については観察させましょう。

では、検査したが新型コロナウイルス感染症ではないと診断された場合、あるいは検査しなかった場合はどうでしょうか。これが一番よく聞かれる。「新型コロナウイルス感染症じゃないと言われたのですが、明日から出勤させていいでしょうか」という質問です。

これについての基本的な考え方は、表3をご覧ください。
出典:「職域のための 新型コロナウイルス感染症対策ガイド 第3版(2020年8月11日)」


まず、検査は万能ではないこと。つまり実際は新型コロナウイルスの「感染者」であったにもかかわらず、検査して陰性という結果が出る可能性が20%程度はあります。また、新型コロナウイルス感染症以外にもインフルエンザをはじめとした他人に重い感染を引き起こす「風邪」はいくつもあります。したがってこの対策ガイドでは発症後8日、症状消失後3日は出勤しないことを推奨しています。
神田橋宏治
合同会社DB-SeeD 代表
https://industrial.doctor.tokyo.jp

著者プロフィール

HRプロ編集部

採用、教育・研修、労務、人事戦略などにおける人事トレンドを発信中。押さえておきたい基本知識から、最新ニュース、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届けします。

戦略立案から実務面まで一気通貫で対応する【採用代行・PROサービスをご提供】(リデラ)