(注)リーマン・ショックは2008年9月に起こりましたが、その時点で翌2009年卒採用はほぼ終結しており、その影響が表れたのは2010年卒採用からになります。

より厳しくなる中小企業の採用環境
新聞各社の調査は大企業中心の調査となっているのに対して、リクルートワークス研究所の調査は中小・中堅企業も対象の調査であることが特徴です。従業員規模別求人数の対前年増減率を見てみると、「1000~4999人」「5000人以上」の大企業においてはそれぞれ+4.5%、+5.0%と微増だったのに対して、「300~999人」の中堅企業では+11.9%、「300人未満」の中小企業では+44.5%と大幅増となっています。中小企業の採用意欲の高まりが、大卒求人倍率の底上げとなっていることが分かります。また、従業員規模別の求人倍率を見ると、「5000人以上」は0.55倍(前年0.54倍)、「1000~4999人」は0.84倍(同0.79倍)、「300~999人」は1.19倍(同1.03倍)とそれほど大きく上昇していないのに対して、「300人未満」では前年の3.26倍から4.52倍へと実に1.26ポイントもの上昇となっています[図表2]。選考スケジュールが前年よりも2週間ほど前倒しになっているなど、大手企業同士による学生の激しい争奪戦が報じられていますが、その裏で中小企業の採用は、その比ではない厳しさにさらされているというわけです。
採用スケジュールが繰り下げとなる2016年新卒採用では、中小企業はさらに厳しい環境に置かれることになります。今回は、2016年新卒採用を視野に入れたインターンシップと、来年の面接選考開始時期について取り上げてみたいと思います。
