ビジネス環境の変化が著しい中、多くの企業では若手社員の早期育成が課題となっている。組織の成長を牽引する若手社員にはどのようなスキルが必要なのか、また自ら考え行動し活躍する人財を育てるにはどのような人事制度や育成手法が求められるのか。本講演では、新人事制度をスタートさせた電通グループの施策責任者をお迎えし、若手社員の成長を促進する制度設計や自律的に学ぶ人財・組織づくりの要点についてお届けする。
電通から学ぶ「若手社員」の成長促進に向けた人事の役割
半田 友子 氏
登壇者:

株式会社電通コーポレートワン 人事センター HRマネジメント室/セクション・ディレクター 半田 友子 氏

早稲田大学教育学部卒業後、2006年、株式会社電通に入社。メディアセールス・ビジネスプロデュースの経験を積んだ後、人事セクションにて人財開発、キャリア開発の領域に従事。 人事セクションでは、労働環境改革の後続となる全社員成長支援施策の立ち上げに携わる。全社員対象の研修コンテンツ設計リーダーを務め、社内外有識者と連携し100以上の研修コンテンツの企画・開発を行う。同社エンゲージメントサーベイでは「会社は能力開発の機会を適切に設けている」項目で37%→57%へ改善し社へのエンゲージメント向上にも寄与した。 2022年より、新人事制度に連動し「若手社員早期活躍」のための成長支援策立ち上げに携わり、各施策の企画・運営・検証を行っている。 3児を持つワーキングマザー。

鳥潟 幸志氏
登壇者:

株式会社グロービス グロービス・デジタル・プラットフォーム/ マネジング・ディレクター GLOBIS学び放題 事業リーダー 鳥潟 幸志氏

サイバーエージェントでインターネットマーケティングのコンサルタントとして、金融・旅行・サービス業のネットマーケティングを支援。その後、デジタル・PR会社のビルコム株式会社を共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。グロービスに参画後は小売・グローバルチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行う。 現在は、社内のEdtech推進部門にて『グロービス学び放題』の事業リーダーを務める。 グロービス経営大学院や企業研修において思考系、ベンチャー系等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的にしたコンサルティングセッションを講師としてファシリテーションを行う。

若手社員の成長を加速する電通流「自律型人財育成」の秘訣とは

鳥潟氏 企業における研修は近年、指示型から「自分で学んでほしい」という自律型で展開されることが増えていますが、多くの人事が「学習機会を提供してもなかなか学んでもらえない」という課題を抱えています。そういった課題に向き合った先進的な取り組み事例として、電通コーポレートワンの半田様に「若手社員の成長を加速する電通流『自律型人財育成』の秘訣とは」というテーマでご講演いただきます。

「育成」や「人材開発」という言葉は使わず「成長支援」という言葉を重要視

電通から学ぶ「若手社員」の成長促進に向けた人事の役割
半田氏 電通コーポレートワンは、電通グループの中核的なコーポレート部門として、当該機能の強化をリードし、グループ各社の事業変革を支援していく立ち位置で2022年にスタートしたばかりの会社です。

電通の事業領域は、広告会社としてのコミュニケーションビジネスからコンサルティング会社が担う領域まで広がっています。そんな電通の唯一最大の財産は“人”であり、私達がやってきたのは「人が人のために人の問題を解決する」という仕事であるのは昔も今も不変です。その中核である人財が成長し価値を高めることは、私達のビジネスの付加価値を高めることに直結すると考えています。

では、本題の「若手社員の成長加速のために」というテーマでお話をさせていただきます。
そもそも成長欲求は誰にでもあって、「どんなに満たしても満ち足りることはない内側から溢れ出る欲求」と言われています。ですので、私どもはあくまで一人ひとりの自律的な成長を支援する立場として「育成」や「人材開発」という言葉は使わず「成長支援」という言葉を重要視しています。

成長加速のために必要なことは、ハンドルを握る自分自身の「想い」と、「自律・自走」がカギです。したがって、若手社員の成長加速のために、自ら振り返りを行い、自分の現状に対する気づきを得て行動に繋げるといった要素を多く取り入れて人事制度を変更しました。

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