ポップで楽しい電通、ログインごとにあいさつが変わるオリエンタルランド

9位の電通(同7位)は期待どおりに仕掛けが満載、視聴者に熱を感じさせるのは得意中の得意とするところ。ただ、電通は、かつては1位の常連だったことを考えると、9位に甘んじているのは、学生の間で新入社員の自殺事件の影響はまだ完全には払しょくされていないということなのでしょう。

10位はオリエンタルランド(同10位)。ちょっと驚いたのは、ログインごとに時間に合ったあいさつに変わる仕掛けです。すべての学生が気付くわけではないでしょうが、気付かれないところでもこっそりとサービスの種をまいているのが、オリエンタルランドらしいとも言えます。

[電通]
・ポップだし見ていて楽しい仕掛け(文系・早慶大クラス)
・企業が目指しているものが伝わってくるから(文系・旧帝大クラス)
・熱を感じた(文系・上位私立大)
・HPとしての利便性とクリエイティビティがどちらも欠けておらず、会社を表していると感じた(理系・上位私立大)

[オリエンタルランド]
・ログインする度にその時間に合ったあいさつが書かれてあったこと(文系・その他私立大)
・夢の国でありながら、ビジネスとして大切にしていることを明確に伝えられていた(理系・上位私立大)
・キラキラしていた(文系・旧帝大クラス)
・笑顔の写真が多かったから(理系・上位私立大)

採用は「マス」から「個」へ

企業が人材の多様性を求めるとき、そこでは一律の対応は機能しなくなり、個別の対応を余儀なくされることになります。採用においても同様です。これまで新入社員に、全員横並びの処遇制度を適用していたソニーやNECといった歴史のある大企業ですら、特別なスキルを要する人材には、1年目から特別待遇を用意する時代を迎えています。処遇だけでなく、選考においても新卒一括採用から通年採用へシフトしていく中で、全応募者を一つのグループと捉える「マス」の考え方ではなく、応募者一人ずつを個別に捉えていくことが求められてきます。

採用ホームページについても、これまでの見栄えや分かりやすさといったUI重視の作り方から、「個」に寄り添ったコンテンツ、見せ方が重要になってきます。その中で、タイミングも重要な要素です。最初から採用ホームページ上に膨大な情報を公開するのではなく、応募者のタイプやタイミングに応じて、発信する情報を増やしていくことを考える必要があります。

選考タイミングがある特定の短期間に行われる一括採用であれば、応募者全体を「興味喚起期」「共感醸成期」「志望度向上期」「不安払しょく期」等に分けて、時期に応じた情報を発信していけばよかったわけですが、今後は応募受付・選考時期もバラバラになるとすると、一人ひとりへ情報を発信するタイミングも異なってきます。オープンな採用ホームページには興味喚起のための情報だけを公開し、採用管理システムのマイページ機能を利用して、個別に情報を出し分けていく必要があります。

セミナーや説明会も独立したイベントではなく、セミナーに申し込んだ人向けの予習コンテンツ、セミナーに参加した向けのフォローコンテンツなど、WEBとリアルイベントを立体的に構成して、ストーリーを持った採用活動を展開することを考える必要があります。社員・仕事の紹介コンテンツも、応募者全員にすべて同じものを公開して、どの社員・仕事の情報を見るかを応募者に委ねるのではなく、例えば、適性検査や面接の結果と連動させ、その応募者の志向・タイプに適した社員を前面に出して見せていく(見せない社員も存在する)など、よりテクノロジーとの連携が必要な時代になってくると思います。

次回は、「セミナー・会社説明会」と「面接官」をランキングします。

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