HRプロ株式会社では、昨年12月、新卒採用の手法としてかなり浸透してきた「新卒紹介」と、登録者が増え続ける「人材紹介」に対する企業の利用度、それぞれのサービスを利用する理由、利用しない理由を問うアンケート調査を実施した。その結果について報告する。

まずは「新卒紹介」について。採用数が少ない場合や理工系採用のために利用する企業が増えてきているといわれているが、「利用経験はなく、今後の利用意向もない」という企業が過半数という結果となった。「継続利用」の企業、「利用を検討中」の企業が各10%あるのに対して、「利用していたが今後は利用しない」とする企業が13%に上った。
利用するメリットとしては、「採用業務の効率化」「コストリスクがない」「就職ナビとは異なる層(優秀層)とのコンタクト」などの声が多い。一方、利用しない理由としては、「採用人数によっては高コスト」「公募ルートに一元化」「入社意欲が希薄」などが挙がっている。
一方の「人材紹介(中途採用)」を見てみると、一転して「継続利用」の企業が過半数に達した。「利用経験はなく、今後の利用意向もない」という企業は20%に過ぎず、中途採用の手法として完全に定着してきたといえる。採用ターゲットとしては、やはり中堅社員層(20代後半~30代前半)のニーズが66%と最も高くなっている。
利用しない理由としては、基準年収の3割程度の報酬がコスト的にネックになっているほか、最近の求人需給バランスでは利用しなくても採用が可能ということのようだ。ただ、このあたりは職種や求めるレベルによっても全く異なってくる。

Q1. 「新卒紹介」(外国人/留学生含む)を利用されていますか?

「新卒紹介・人材紹介に関するアンケート調査」結果報告

新卒採用の1つの手法としてかなり定着してきたと思われた「新卒紹介」であるが、近年の新卒採用をめぐる需給環境の影響もあり、「新卒紹介」 の利用について「利用経験はなく、今後の利用意向もない」という企業が過半数(52%)という結果となった。就職ナビからのプレエントリーが増え続ける中、一般公募で十分採用できているという企業が多いようである。「継続利用」の企業、「利用を検討中」の企業が各10%あるのに対して、「利用していたが今後は利用しない」とする企業が13%に上っているのが気になる。ただし、コメントでは好意的なものが多く、こちらも一般公募で採用できる環境になったための判断と推測される。
「新卒紹介の仕組み(サービス内容)を知らない」という企業も8%あり、まだ利用者が広がる余地はありそうである。

Q2.どんな人材を採用するために「新卒紹介」を利用されますか?(複数選択可)

「新卒紹介・人材紹介に関するアンケート調査」結果報告

各選択肢は完全に独立したものではなく、ひとつの求人要件が複数の選択肢に跨ることを最初にお断りしておく。
「新卒紹介」の利用目的としては、やはり「理系学生」採用のためとする企業が55%と最も多い。電気・電子系や通信・情報系など、人気の専攻学生には一般公募だけではなかなか求める人材とはめぐりあえていないようである。その他、「大学院生」「上位校学生」といったところも同様である。
次の設問でのコメントにもあるが、採用数が少ない場合には、就職ナビの掲載費用やセミナー費用などを考えると、人材要件に関わらず、一般公募で行うよりも却ってコストメリットが出てくる。
今後、グローバル化が進み、外国人学生採用をする企業が増えてくると、「新卒紹介」サービスの利用は格段に増えてくるものと思われる。

Q3. 「新卒紹介」を利用するメリットは何でしょうか?

「新卒紹介・人材紹介に関するアンケート調査」結果報告

Q4. 「新卒採用」を利用しない理由、あるいは「新卒紹介」に対してのイメージは?

「新卒紹介・人材紹介に関するアンケート調査」結果報告

Q5.中途採用での「人材紹介」を利用されていますか?

「新卒紹介・人材紹介に関するアンケート調査」結果報告

「新卒紹介」とは異なり、「人材紹介(中途採用)」は一転して「継続利用」の企業が過半数(51%)に達した。「利用経験はなく、今後の利用意向もない」という企業は20%に過ぎず、中途採用の常とう手段として完全に定着したといえる。
「利用はあるが今後は利用しない」とする企業が16%あるが、一部には「コストが高い」との声もあるものの、「中途採用予定がない」「現在の採用環境であれば公募でも採用可能」との声が多く、採用環境が変わった場合には再び「人材紹介」を利用することになるものと思われる企業も少なくないだろう。

Q6.どんな人材を採用するために「人材紹介」を利用されますか?

「新卒紹介・人材紹介に関するアンケート調査」結果報告

Q2と同様に、各選択肢は完全に独立したものではなく、ひとつの求人要件が複数の選択肢に跨ることを最初にお断りしておく。
採用したい「層」で見た場合、66%と圧倒的に「中堅社員」(20代後半~30代前半)の採用のために利用されている。以下、「若手社員」(20代中盤)、「係長・主任」、「次長・課長クラス」が40%強でほぼ並ぶ形となった。
職種区分では、「新卒紹介」同様、「エンジニア系」採用での利用が多くなっている。

Q7. 「人材紹介」を利用するメリットは何でしょうか?

「新卒紹介・人材紹介に関するアンケート調査」結果報告

Q8. 「人材紹介」を利用しない理由、あるいは「人材紹介」に対してのイメージは?

「新卒紹介・人材紹介に関するアンケート調査」結果報告

【調査概要】

調査主体:HRプロ株式会社
調査対象:「HRプロ」会員の人事担当者
調査方法:WEBアンケート調査
調査期間:2010年12月17日~2010年12月28日
回答社数:139社

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