HR総研:新型コロナウィルス感染拡大による企業活動・採用活動への影響に関する再調査 結果報告【採用活動編】「採用活動への影響」を懸念する企業は6割に跳ね上がる、大企業・中堅企業で7割

中国・武漢市を発生源とした新型コロナウィルスの感染拡大の影響は、刻一刻と世界各国で深刻さを増している。日本国内においても感染拡大に歯止めがかからない現状を受け、政府が緊急的に打ち出した方針により、企業は様々な苦渋の決断を迫られている。
前回の調査は、2月13日〜2月18日にかけて行われたが、その後の政府からの「不要不急の外出自粛」「大型イベント開催の見直し」「小中高の臨時休校」等の要請を受け、リクナビ、マイナビ等の就職ナビ会社が主催する就職イベントの相次ぐ中止や、企業による出張抑制、外部の会合への出席自粛、大規模なテレワーク実施など、2週間程度で世の中の動向が一変していることから、HR総研では再調査を実施することとした。初回調査の調査項目をベースに、「対策の継続期間」「新卒社員研修の実施方法」等を新たに加え、各企業の最新動向についてフリーコメントを含めて以下に紹介する。

<概要>
●「採用活動への影響」を懸念する企業は6割まで跳ね上がる、大企業・中堅企業では7割
●「影響を懸念する企業」の7割にすでに影響が発生、企業規模による大きな差異なし
●「採用スケジュールの遅延」に影響が8割、大企業・中堅企業に懸念材料が多数
●「採用活動での対策をとっている、検討中」は大企業・中堅企業の7割
●大企業は「採用工程の見直し」を優先、「説明会・面接をオンライン活用に変更」が4割
●「新入社員研修の実施」に関するコロナ対策は「検討していない」が6割で圧倒的
●新入社員研修に「変更の必要性を感じない」が最多、4月以降の収束を想定か

採用活動への影響を懸念する企業は6割まで跳ね上がる、大企業・中堅企業では7割

「採用活動への影響」についての調査結果を報告する。
続々と、合同企業説明会の中止やオンライン配信に切り替えるなど、企業も就活生も多大な影響を受けている様子が報道されている。初回調査の段階では採用活動への影響を感じる企業は1割にとどまっていたが、現状ではどのような状況になっているのだろうか。

まず、「採用活動に関する影響の有無」については、再調査では「影響がある」が33%、「まあまあ影響がある」が26%となっており、これらを合計した「多少なりとも影響がある」は59%と6割に上り、初回調査より大幅な増加となっている(図表8-1)。逆に、「大して影響はない」とする企業は15%で、初回調査(51%)より36ポイントも減少しており、2週間前までは採用活動への影響は他人事と考えていたが、突然大きな影響を受けてしまっているという企業が多くあることがうかがえる。
企業規模別に見ると、大企業と中堅企業では「多少なりとも影響がある」がそれぞれ70%、74%と7割を占めており、中小企業では45%となっていることから、現状としては、中堅企業以上に影響を受ける企業が多いことがうかがえる(図表8-2)。
企業規模が大きい企業ほど、多くの就職ナビを活用するとともに、エントリーする就活生の規模も多い。したがって、多くの合同企業説明会の中止やオンライン配信への変更などによる影響を受けやすく、自社開催セミナーや面接においても多くの就活生を受け入れることによる感染拡大のリスクが大きくなると推測される。
現時点において、どれほどの影響が出ているのだろうか。

【図表8-1】採用活動への影響の懸念
【図表8-2】企業規模別 採用活動への影響の懸念

「影響を懸念する企業」の7割にすでに影響が発生、企業規模による大きな差異なし

採用活動に対して「多少なりとも影響がある」とする企業の「影響度の進捗」について、再調査では「既に大きな影響が出ている」が24%、「影響が出始めている」が49%となっており、これらを合計した「影響が出ている」が73%となっている。初回調査では「影響が出ている」とする企業は34%であったが、母数となる「多少なりとも影響がある企業」自体が1割から6割に跳ね上がったことを考慮すると、影響が発生している企業の割合は、ここに示す数値以上に大幅な増加率であることが読み取れる(図表9-1)。
また、企業規模別に見ると、大企業ほど「多少なりとも影響がある企業」の割合が高く、大企業では8割であるものの、中小企業でも7割であり、すでに影響が出始めている企業については、企業規模による差異はさほど大きくないことが分かる(図表9-2)。

【図表9-1】「多少なりとも影響がある企業」における採用活動への影響度の進捗
【図表9-2】企業規模別 「多少なりとも影響がある企業」における採用活動への影響度の進捗

「採用スケジュールの遅延」に影響が8割、大企業・中堅企業に懸念材料が多い

「多少なりとも影響がある」とする企業について「影響の種類」をみると、再調査では「採用スケジュールの遅延」が79%で最多であり、次いで「例年より説明会への参加者数が減少する」が54%、「日程再調整が多発し、人的負担が増える」が47%などとなっている(図表10-1)。ほとんどの項目について、初回調査よりポイントが大きく増加しており、採用活動に関わるあらゆる業務において懸念材料が見えてきていることがうかがえる
企業規模別に見ると、企業規模に関わらず「採用スケジュールが遅延する」が最多で8割に上っており、次いで大企業と中堅企業では「例年より説明会への参加者数が減少する」(68%、66%)、「日程再調整が多発し、人的負担が増える」(56%、53%)などと続いている。一方、中小企業では「採用スケジュールが遅延する」(76%)に次いで、「対面での面接選考が実施できない」が39%となっており、採用スケジュールの遅延に対する懸念に集中していることがうかがえる。このように、採用活動においては、特に大勢の応募者を相手に採用活動を展開する大企業や中堅企業で様々な懸念が広がっている(図表10-2)。

【図表10-1】「多少なりとも影響がある企業」における影響があると思う採用業務の種類
【図表10-2】企業規模別 「どちらかというと影響がある企業」における影響があると思う採用業務の種類

「採用活動での対策をとっている、検討中」は大企業・中堅企業の7割

「採用活動への影響を考慮した対策の有無」については、再調査では「対策をとっている」が25%、「対策を検討中」が28%となっており、これらを合計した「対策をとっている、検討中」が53%と過半数を占めているが、初回調査時点では2割未満であった(図表11-1)。「これから検討する予定」を合わせると、再調査時点では8割が対策に乗り出しており、初回調査時点では楽観視していた多くの企業も、ほんの2週間程度で採用活動の方針転換を迫られていることが分かる。
企業規模別に見ると、大企業と中堅企業では「対策をとっている、検討中」の割合が7割であるのに対して中小企業では4割であり、対策への動きにやや温度差が感じられる。やはり、懸念材料が多い大企業や中堅企業では、中小企業より早急な対策が必要になっているのだろう。また、中小企業の中には、もともと採用活動時期を大手・中堅企業よりも遅く設定していた企業が少なくないことも、この差異の理由の一つだろう(図表11-2)。
では、対策をとっている企業では、どのような対策を講じているのだろうか。

【図表11-1】採用活動への影響を考慮した対策の有無
【図表11-2】企業規模別 採用活動への影響を考慮した対策の有無

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:「新型コロナウィルス感染拡大による企業活動・採用活動への影響」に関する再調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2020年2月28日〜3月4日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者、採用担当者、人事全般担当者
有効回答:182件

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