HR総研:「2020年&2021年新卒採用動向調査(6月)」結果報告【2】〜大きく早まる21卒採用の面接開始、内定出し開始〜

HR総研では、6月後半に採用担当者を対象にした「2020年&2021年新卒採用動向調査」、2020年卒の就活生(「楽天みん就」会員)を対象とした「2020年卒学生 就職活動動向調査」を実施した。今回は前回に引き続き、「2020年&2021年新卒採用動向調査」の結果を見ていきたい。2回目の今回は、経団連の就職ルール(指針)が廃止された2021年卒採用の動向について取り上げる。

リファラル採用も重要施策に

まずは、2021年卒採用でより重要になると思われる施策を聞いてみた。トップは、前回に引き続き「インターンシップ」で、46%と半数近い企業が挙げている。経団連の就職ルールの廃止を受けて、これまで1〜2月の解禁直前でのインターンシップを実施していた企業が、8〜9月の早期サマーインターンシップも開催するようになるなど、インターンシップはセミナーと同等の採用活動の1ステップとなっている。インターンシップについては、後ほど詳しく見ていくことにして、その他の施策を見てみたい。
「キャリアセンターとの関係強化」や「学内企業セミナー」といった大学対策も依然として上位にランクしているが、注目すべきは6位にランクインした「リファラル採用」である。これまでキャリア採用では導入する企業が多かったが、新卒採用においても重要な施策として上がってきている。かつては「縁故採用」と呼ばれ、どちらかというと負のイメージもあったが、今やミスマッチ低減にもつながる施策として、積極的に活用する企業が増えてきている。従業員だけでなく、内定者をも活用するケースも増えているようである。

[図表1] 2021年卒採用でより重要になると思われる施策

広がりを見せることが予想される通年採用

今年4月、経団連の中西宏明会長は、大学との産学協議会での中間報告として、新卒一括採用への偏重を見直し、通年採用の拡大をすべきと発表した。これを受けて、2021年卒採用以降の通年採用の導入見通しについて聞いてみた。企業規模により、導入時期についての考え方は異なるものの、「数年先まで通年採用を導入することはない」と明言する企業の割合については、大企業で17%、中堅企業で22%、中小企業でも26%とそれほど大きな開きはない。「すでに導入している」企業は、大企業と中小企業で3割を大きく超えているのに対して、中堅企業では16%と大きく後れを取っている。また、今後の導入時期についても、「2021年卒採用からの導入を検討中」までを含めた積極的な企業の割合は、大企業と中小企業では6割前後に達するものの、中堅企業では4割に満たない。その代わり「2021年卒採用からの導入はないが、数年先の導入を検討したい」とする企業が4割を超える。ただ、通年採用を導入するにしても、メガベンチャーがすでに導入しているような完全な通年採用というわけではなく、特定のスキルを持った学生や留学生など、一部の学生を対象として導入を始める企業が大半を占めるものと推測される。本格的な通年採用を行うには、人的リソースにしろ、コストにしろ、これまでの一括採用より負担は大きくなるからだ。

[図表2] 通年採用の導入意向

高度スキル人材への特別処遇は広がるか

これまでもITベンチャーでは、優秀なIT人材に対して、他の一般新入社員とは異なる年収を提示するなどの動きは見られたが、今年、ソニー、NECといった伝統的なメーカーにもその動きが広がった。AIエンジニアなどの特定人材に対して、700万円以上や1000万円以上の年収を支払う制度を導入するという。
今回、特定の優秀な人材に対して、横並びでない特別な処遇を提示する予定があるかを聞いたところ、ここでも大企業・中小企業と中堅企業の間では異なる結果が表れた。「予定がある」とする企業の割合が、大企業で12%、中小企業でも14%あるのに対して、中堅企業ではわずか2%にとどまる。大企業では、「検討中・未定」とする企業が51%と過半数を占め、中堅・中小企業でもいずれも41%もあることから、特別な処遇を提示する企業はさらに増える可能性がある。

[図表3] 優秀人材への特別な処遇提示の予定

1Dayが広がる中、大企業では1週間以上も多い

次に、インターンシップについて見てみたい。まずは期間についてである。依然として「半日程度」「1日程度」といったいわゆる「1Dayインターンシップ」が主流になっている。「1日程度」のインターンシップを実施する企業は53%と過半数に及ぶ。1Dayインターンシップ実施企業の中でも中堅企業での実施率が高く、「1日程度」は61%、「半日程度」は39%となっている。
大企業では、「1週間程度」以上のタイプの実施率が他の企業規模よりも高くなっている。「1週間程度」は全体では25%なのに対して大企業では32%、「2週間程度」は全体では16%なのに対して大企業では24%、「3週間〜1ヶ月程度」は全体では4%となっているが、実は大企業しか実施の予定がなく、16%もある。「1ヶ月以上」も全体では8%なのに対して大企業では16%といった具合だ。学生に望ましいインターンシップの期間を聞いてみると、上位校ほど複数日程を好み、中下位校ほど1Dayを好む傾向がある。ただし、複数日程といっても、学生が好むのは負担が少ない「2〜3日程度」タイプではあるが。「1週間程度」以上となると、特に理系ではスケジュールの確保が難しくなるようである。

[図表4] 実施予定のインターンシップのタイプ(期間)

サマーインターンシップが激増

次に、インターンシップの実施予定時期を見てみたい。グラフは対比しやすいように、昨年の同時期調査の結果と並べてある。ほぼすべての月において、昨年よりも多くなっているが、特に伸びが目立つのが「8月」と「9月」である。「8月」は昨年の53%から66%へ、「9月」にいたっては昨年の33%から49%へと16ポイントも増えている。「1月」「2月」のウィンターインターンシップも伸びてはいるものの、サマーインターンシップの伸びはその比ではない。ウィンターでは遅すぎるとの判断によるものだろう。これまではサマーインターンシップから実際の面接選考の時期までが間隔が空き過ぎ、内定に結びつきづらいとも言われてきたが、20年卒採用で見られたように、インターンシップ参加者だけを対象にした早期選考会を開催することで、間延びを防ごうとする動きが加速しているものと推測される。

[図表5] インターンシップの実施予定時期

この先は、会員の方だけがご覧いただけます。会員の方はログインを、会員でない方は無料会員登録をお願いします。

HRプロ会員の方はこちらから

まだ会員でない方はこちらから

登録無料!会員登録された方全員に 「人材育成マニュアル」をプレゼント!

HRプロとは

【調査概要】

調査名称:【HR総研】「2020年&2021年新卒採用動向調査」
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2019年6月14日〜6月25日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:上場及び未上場企業の採用担当者
有効回答:178件

※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照をいただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
1)出典の明記:「ProFuture株式会社/HR総研」
2)当ページのURL記載、またはリンク設定
3)HR総研へのご連絡
  ・会社名、部署・役職、氏名、連絡先
  ・引用先名称(URL) と引用項目(図表No)
  ・目的
   Eメール:souken@hrpro.co.jp