「ハッカソン(Hackathon)」とは、プログラムの改良を意味するハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語。

IT技術者がチームを組み、与えられたテーマに対して、定められた期間に集中的にソフトウェアやサービスを開発し、アイデアの斬新さや技術の優秀さなどを競い合うイベントのことです。通常は1日から数日の期間で開催され、ハックデイ(Hackday)、ハックフェスト(Hackfest)などと呼ばれることもあります。

ハッカソンという言葉はアメリカのIT企業、サン・マイクロシステムズなどによって考え出されたといわれ、2000年代半ばごろから、アメリカの企業やベンチャーキャピタルなどが、これまでにない新しくイノベーティブなソフトウェアやサービスの開発、魅力的な投資先の発見を目的として、こぞって開催するようになりました。現在では、ハッカソンは世界各国に広がり、企業のほかにも政府や自治体、大学などが、自動車やヘルスケアといった業種別のものや、音楽、アート、教育など、さまざまなジャンルのハッカソンを開催しています。

また、FacebookやGoogleなどのように、新事業創出の観点から社内ハッカソンを行う企業も海外には数多くあります。Facebookの「いいね!」ボタンは、ハッカソンからアイデアが生まれたものとして知られています。

日本でも、2013年、パナソニックの有志社員と社外の開発者、デザイナーがチームを組んでものづくりに挑んだ「One Panasonic Hackathon」や、同年、Osaka発の「IT×ものづくり」の振興策として大阪市が開催した「ものアプリハッカソン」が話題となり、その後、さまざまな企業や団体が次々にハッカソンを行うようになりました。

企業にとって、イノベーションの重要性はわかっていても、新しい発想を自社の通常業務内だけで生み出し続けることは簡単ではありません。このため、外部のアイデアを取り込むオープンイノベーションの重要性が注目されていますが、ハッカソンは、企業が公募イベントのような感覚で比較的簡単に取り組めるオープンイノベーションの一手法としても期待ができそうです。