「トモニン」とは、厚生労働省が定めた「仕事と介護を両立できる職場環境」の整備・促進のためのシンボルマークの愛称。

「介護する人を職場で支えて、ともに頑張っていく」、「WORK(仕事)とCARE(介護)をともに両立させ、未来を歩く」という意味が込められています。シンボルマークのデザインは2014年3月、愛称は同年8月に、いずれも一般公募により決定されました。

「トモニン」が生まれた背景には、高齢化社会の進展に伴い、親や家族などの介護のために、やむを得ず仕事を辞める介護離職が増えている現状があります。特に、親の介護に直面する人の中には、年代的に企業の屋台骨を支えているコア人材が少なくなく、仕事と介護を両立できる職場環境をいかに整備し、こうした人材の離職を防止するかが、これからの企業の持続的発展を実現させる上で重要な課題となっています。

このような状況下で、厚生労働省は、シンボルマーク「トモニン」を活用することにより、仕事と介護を両立しやすい職場環境の取り組みへの関心、認知度を高めるとともに、介護離職を防止するための取り組みに向けた社会的気運の醸成を図っていこうとしています。

仕事と介護を両立できる職場環境の整備・促進に取り組んでいる企業は、「トモニン」マークを使用し、その取り組みをアピールすることができます。使用に際しては、厚生労働省が運営するウェブサイト「両立支援のひろば」に仕事と介護の両立に関する取り組みを登録した上でマークをダウンロードし、使用規定に沿って活用することとされています。

活用シーンとしては、人材の募集・採用時に募集要項、ウェブサイトなどにマークを掲載して両立支援に積極的な企業姿勢をアピールすることや、商品、名刺などへの掲載による顧客、消費者、取引先の企業イメージ向上、社内報などへの掲載による自社の従業員の意識啓発などが考えられます。

「トモニン」に類似したものとして思い浮かぶのは「くるみん」。子育てサポート企業として厚生労働大臣の認定を受けた企業の証、「くるみん」マークは、現在では広く知られるようになりました。「トモニン」マークは認定を受けていなくても使えるだけに、今後、使用する企業が増え、認知度が向上していきそうです。