LGBTへのセクハラ防止のために、いますぐできること

2017年1月に、厚生労働省の「セクハラ指針」に「LGBTへの差別はセクハラにあたる」と明記された。(※ LGBT=レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーをはじめとする、性的少数者の総称。)
とは言え、「うちにはそういう人はいないから、関係ない」と思っている経営者・人事労務担当者も多いだろう。しかし、現実にはそう簡単に片付けてしまうわけにはいかない。今回は、LGBTへのセクハラ防止について、すぐできる対策について解説していきたい。

LGBTは「いない」のではなく「見えない」

あなたの周りには、LGBTがいるだろうか。一説には人口の3%から5%、左利きの人と同じくらい存在するとも言われている。しかし、本人が打ち明けるまで周りは分からないことが多い。

いままでLGBTと出会ったことがない、という人がいれば、周りにいないのではなく、いままであなたは打ち明ける対象に入っていなかった、という可能性が大きいだろう。

たとえば、男性同士でいつも仲良く話していると「お前ら、ホモか」とからかったりする人がいる。また、「オカマ」、「オネエ」、「レズ」、「そっち系」という侮蔑的に使われてきた言葉を、何のためらいもなく、時にには面白がって口にする人がいる。周りにLGBTがいたとしても、このような人に打ち明けることはないので、その人にとって LGBTの存在は「見えない」も同然である。

さらに別の角度から切り込むと、あなたは「恋愛や結婚は異性とするもの」という考えや、「男は◯◯、女は◯◯」などの性別による決めつけをしていないだろうか。LGBTについて、「気持ち悪い」「異常」などと、普段から発言していないだろうか。

このような発言が、誰からもとがめられることなく語られている職場にいるLGBTは、カミングアウト(自分の性指向や性自認を公にすること)はおろか、「ここは私の居場所ではない」と感じて、仕事への意欲自体を失ってしまいかねない。

なぜなら、こう考えてみるとよい。あなたが外国に住んでいたとして、常に「日本人はここにいない」という前提で話がされていたらどう感じるだろうか。そしてそこで日本人の悪口が大っぴらに語られていたり、小馬鹿にされていたらどうだろう。おそらく、その場にいたたまれないはずだ。

(上記の例を読んで、読者は日本人だと決めつけているのはおかしいではないか、と感じたあなたは正しい。実際そういうことだ。)

自分がその場にいないこととして扱われる、これだけでも疎外感を感じるには十分だが、自分の属性を侮辱され、言った人だけでなく、他の人も同調して笑っている。こういうことが繰り返されると、心身に不調をきたしたり、退職に至ってしまうこともある。

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HRプロ編集部

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