“紅茶”が生産性向上の鍵を握る? 働き方改革への取り組みは今、オフィス飲料の見直しまで進行中

2019年4月1日に「働き方改革法案」が施行された。長時間労働が規制される中、チャットやビデオ会議などのITツールを駆使したり、リモートワークなどを取り入れたりする企業が増えるなど、いかに限られた時間で高いパフォーマンスを発揮するかに強い関心が集まっている。企業の人材育成・組織づくりに詳しい人材研究所の代表取締役 曽和利光氏はそうした昨今の流れを汲みながら、本年、各企業の働き方改革への取り組みの中で特に注目すべきは、「オフィスでの常飲飲料の見直し」だと述べている。生産性向上のためには、「社員の健康状態を整える」ことも大切だという新たな視点が出てきた。以下、特に注目すべき氏のコメントを抜粋する。
「長時間労働対策や子育て支援などの視点から、リモートワークのためのITツールの発展拡散がめざましいですが、実は、近年、先進的な働き方改革を進める企業が注目しているのが、“社員の健康状態を整えることで生産性を向上する”ということ。

〜中略〜

短時間で創造性の高い仕事をすることが生産性に直結すると考えると、数万人のビジネスマンと対峙してきた私の実感としても、もっとも顕著に影響を与えるのは社員の体調のコンディション管理です。先進的な企業の取り組みとして、食べ物、飲み物、休養・休憩などに関して指導する企業が出現しています。朝食の無償提供や軽い運動などは、形をかえて取り入れられてきていることが話題となってきましたが、本年特に注目すべきが、オフィスでの常飲飲料までを見直す企業が出てきていることです」

2019年の生産性向上施策のトレンドとして、「オフィスでの常飲飲料」があるという。人材研究所のレポートで、企業事例が紹介されているので抜粋して紹介する。

■オフィス飲料の見直しに取り組む企業事例

▼三菱地所 適度なカフェインと香りでリラックス効果も期待できる“紅茶”を社員に飲用させる検証をスタート

「紅茶が自律神経へ好影響を与える可能性があるという話を聞き、一定期間、紅茶を社員に配布するとともに、実際にどのような効果が現れるかの検証を社員を対象に行うことにしました。この機会に、社員が仕事中の飲み物が身体にどのような影響を及ぼすかについて意識するようになり、仕事の作業内容や体調を鑑みて、リラックスしたり集中したりするための飲料選びという視点を持つことを期待しています」(三菱地所株式会社 人事部 給与・厚生 働き方改革推進担当 根神 剛 氏)

▼COHSA(コーサ) 香りのよいコーヒーや紅茶がポジティブな就業姿勢を生み出すと考えたコワーキングスペース

渋谷にある同コワーキングスペースでは、1階フロアにコーヒーショップ「PELLS COFFEE STAND」を擁し、本格的なコーヒーや紅茶を提供。代表の山崎登氏がデンマークのオフィス環境を見学した際、ビジネスマンが対話する際に常に香りのよいコーヒーや紅茶を飲んでおり、その飲料が彼らのポジティブな状態での就業態度に直結していると感じたそうだ。そのことをきっかけに、こだわりの嗜好性飲料を提供するスタンドを取り入れた。

▼PELLS COFFEE STAND 通勤前の1杯を提供し、働く方々を応援したい

「打ち合わせをするときも、1人で集中するときも、自分の気分に合った飲み物の香りや美味しさを楽しみながら仕事をすることが、仕事の生産性に繋がるというCOHSAの想いに共感し、PELLSのスタンドを出しました。通勤前の1杯を提供し、働く方々を応援したくて始まったのがPELLS COFFEE STANDなので、飲み物を仕事の相棒として選んでいただければうれしいです」(PELLS COFFEE STAND代表 橋本 雄大 氏)
なお精神科医で特定非営利活動法人日本ブレインヘルス協会理事長でもある古賀良彦 杏林大学名誉教授の研究でも、オフィスで常飲される飲料の中で、意外にも紅茶が仕事をする際に重要なワーキングメモリーの能力発揮にもっとも寄与するという結果を出しており、オフィスでの常飲飲料と生産性との相関関係が示唆されている。

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HRプロ編集部

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