約8割が“入社後ギャップ”を感じた経験あり。ギャップによる退職は「就業から1ヵ月以内」の早期離職が最多に

入社前後でギャップを感じた人が多数。「仕事内容」や「職場の雰囲気」にギャップか

新入社員は入社前の企業説明や面接を通し、業務の内容や環境についてさまざまなイメージを持って入社するだろう。しかし、入社後の現実が入社前に抱いたイメージと大きく乖離している場合、そのギャップから早期離職につながってしまう可能性もある。では、これまでに入社前後でギャップを感じた経験がある人はどの程度いるのだろうか。

はじめにエン・ジャパンは、「入社前後でギャップを感じたことがあるか」を尋ねた。すると、「ある」は79％と約8割におよんだ。

また、「どのようなポイントにギャップを感じたか」を尋ねると、「仕事の内容」や「職場の雰囲気」、「仕事の量」が上位を占めたという。

就業前後のギャップによる退職の原因は「職場の雰囲気」が最多に

次に同社が、就業前後のギャップを感じた経験がある人を対象に、「就業前後のギャップが原因で仕事を辞めたことがあるか」を尋ねたところ、「ある」は半数を超えたとのことだ。

そこで、「退職の原因になった一番のギャップポイント」を尋ねた。その結果、「職場の雰囲気」（29％）が最も多く、以下、「仕事の内容」（24％）、「時給・給与」（9％）と続いた。

「具体的な内容」を自由回答で求めると、「『みんな仲がよい』と聞いて安心して入社したが、新人を受け入れる雰囲気ではなく、仲がよい人たちだけでいればよいというような排他的な雰囲気だった」や「軽作業と説明があったが、実際は力作業がメインだった」、「景気が悪く、事前連絡なしに時給を減らされた」などの声が聞かれた。

就業前後のギャップによる退職は「入社から3ヵ月以内」が半数を超える

続いて同社は、「退職した仕事における入社から退職までの期間」を尋ねた。すると、「1ヵ月以内」（26％）が最も多く、以下、「2～3ヵ月以内」（25％）、「2年以上」（16％）が続いた。就業前後のギャップを感じて入社3ヵ月以内に離職した人は、半数を超えることがわかった。

また、入社から退職までの期間を退職原因別に見ると、「1ヵ月以内」に退職した人は「仕事の内容」にギャップを感じた人が多かったとしている。「2年以上」就業してから離職に至った人の退職理由は、他項目よりも「時給・給与」や「残業時間」が多い傾向にあったという。

ギャップを減らすには“入社前のすり合わせ”が有効か

最後に同社は、「ギャップのない就業をするために有効だと思うこと」を尋ねた。その結果、「よい面だけでなく悪い面も教えてくれる会社を選ぶ」（63％）、「疑問・不安な点は入社前に必ず確認する」（61％）の2つが上位にあがった。入社後のギャップを減らすためには、企業の長所・短所や、入社にあたっての疑問・不安点を事前にすり合わせておくことが有効といえそうだ。

他にも、「入社後に『よいギャップ』『嬉しいギャップ』を感じた経験」を自由回答で尋ねた。すると、「仕事量が多く、難しい内容なのに、ゆとりを持って仕事をしており、アットホームな雰囲気によいギャップがあった」や「社員と同じ量の仕事をしてもらいたいという就業先だったが、業務が慣れた頃に時給の見直しをしてくれて時給がアップした」などの声が聞かれたという。

本調査結果から、約8割が「入社前後でギャップを感じた経験がある」ことがわかった。また、ギャップが原因で退職した人の理由として、「職場の雰囲気」がトップであることも明らかとなった。新入社員の離職を防ぐには、入社前後のギャップを減らせるよう、入社前から既存社員とのコミュニケーションが取れる環境づくりや入社後のフォロー体制を構築することが有効となりそうだ。