エンワールド・ジャパン株式会社は2022年11月16日、外資系企業および日系グローバル企業を対象とした「企業のESG/SDGs推進度」に関する調査結果を発表した。調査期間は2022年9月7日~13日で、外資系および日系企業の計208社(外資系42%、日系58%)から回答を得た。調査から、企業におけるESG/SDGsに関する取り組みの有無やその内容、取り組みに対して企業が抱える課題などが明らかとなった。
「ESG/SDGsの取り組み」を推進する企業が半数以上。外資・日系企業で主幹部門が異なる傾向のほか“リソース不足”に課題感も

約6割が「SDGsに関する取り組み」を行っている

企業の持続的発展に向け、ESGおよびSDGsに関する取り組みの重要度が増しているが、企業の取り組みの状況はどうだろうか。まず、エンワールド・ジャパンは「現在、社内でSDGsに関する取り組みがあるか」を尋ねた。すると、全体では57%が「ある」と回答した。また、外資系/日系別にみると、外資系では56%、日系でも57%が「ある」と回答し、外資系・日系を問わず半数以上が取り組みを推進していることがわかった。
「ESG/SDGsの取り組み」を推進する企業が半数以上。外資・日系企業で主幹部門が異なる傾向のほか“リソース不足”に課題感も

外資系・日系ともに最も取り組まれているSDGs項目は「ジェンダー平等」

次に同社は、SDGsに関する取り組みが「ある」と回答した企業に対し、「国連が掲げるSDGsの17項目のうち、どの項目に取り組んでいるか」を尋ねた。すると、全体として最も多かったのは「ジェンダー平等を実現しよう」の項目となった。

外資系/日系別では、重視する項目の順位に大差はなかった。しかし、各項目における選択割合は、外資系と日系で差が生じた。特に大きな差が開いた項目は、「5.ジェンダー平等を実現しよう」(外資系:76%、日系:55%)と、「10.人や国の不平等をなくそう」(外資系:48%、日系:23%)の2項目で、その差はそれぞれ20ポイント以上となった。
「ESG/SDGsの取り組み」を推進する企業が半数以上。外資・日系企業で主幹部門が異なる傾向のほか“リソース不足”に課題感も

ESGやSDGsに関する取り組みが“営業活動”として重視される傾向に

さらに同社は、SDGsに関する取り組みが「ある」とした企業に対し、「ESGやSDGsの推進理由は何か」と尋ねた。すると、全体では「環境・社会・地域への責務、貢献」が最多の78%となった。以下、「事業に直接関わる営業活動の一環」が59%、「従業員に対する責務、貢献」が53%、「事業に直接関わらないCSR活動の一環」が49%と続いた。この結果を踏まえて同社は、「ESGやSDGsの推進は単なるCSR活動にとどまらず、事業自体に関わる営業活動としての意味合いが強い」としている。
「ESG/SDGsの取り組み」を推進する企業が半数以上。外資・日系企業で主幹部門が異なる傾向のほか“リソース不足”に課題感も

ESG/SDGsの推進部門は「経営層」が最多となるも、外資系・日系で主幹部署が異なる

続いて同社は、「ESGやSDGsを推進する主管部門はどこか」と尋ねた。すると、全体では「経営層」が47%で最多だった。以下、「SDGs/ESGの専門部門」が37%、「人事・総務」が26%と続いた。

外資系・日系別で、特に差が顕著となったのは「経営企画」(外資系:8%、日系:30%)で、その差は22ポイントとなった。また、「経営企画を主幹とする」との回答順位は、外資系で9位、日系で3位と対照的な結果となった。他にも複数の項目で差がみられたことから、外資系と日系とでは推進部門が異なる傾向があるようだ。
「ESG/SDGsの取り組み」を推進する企業が半数以上。外資・日系企業で主幹部門が異なる傾向のほか“リソース不足”に課題感も

約4割がESG/SDGsの専門役職・部門を設置。新設の意向を持つ企業も

次に、「社内にESGやSDGsを専門にする役職が社内にあるか」と同社が尋ねた。すると、「ある」との回答は外資系・日系ともに39%となった。

また、「今後ESGやSDGsに関する専門部門・役職を新設する、または増やす予定の有無」を尋ねると、全体の2割以上が「ある」と回答したという。
「ESG/SDGsの取り組み」を推進する企業が半数以上。外資・日系企業で主幹部門が異なる傾向のほか“リソース不足”に課題感も

ESG/SDGs推進への課題は、知識・人員・予算等の「リソース不足」か

最後に、同社は「ESGやSDGs推進に関して、自社にはどのような課題があるか」と尋ねた。すると、全体では「SDGsに関するリソース(知識・人員・予算等)がない」が40%で最多だった。以下、「ESG/SDGsの専門部署・役職がない」が39%、「取り組みに対する評価・目標設定が分からない」が38%と続いた。

自由回答では下記のような声が寄せられたという。

・取り組む課題や目標が大きいほか、多様なステークホルダーがおり社内で完結しないため(外資系企/IT・通信・ソフトウェア)
・推進活動が有志ボランティアに委ねられてしまうため(外資系企業/サービス)
・取り組み内容が小さなアクションに限られ、意味ある計画や目標になっていない(外資系/製造業)
・会社が推進する意義の説明がない(日系/IT・通信・ソフトウェア)
「ESG/SDGsの取り組み」を推進する企業が半数以上。外資・日系企業で主幹部門が異なる傾向のほか“リソース不足”に課題感も
本調査から、外資系・日系を問わず半数以上がESG/SDGsの取り組みを推進している一方で、知識や人材などの「リソース不足」が課題となっていることがわかった。今後、ESG/SDGsへの対応は一層重要度が増していくと想定されるため、企業においては専門部署や人員を配置するなどの対応を検討しておくことが重要だろう。

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