
9割以上が「将来的に新たなスキルを習得する必要性」を感じている
DX化など社会の変化に応じて、スキルを再習得あるいは再構築する「リスキリング」に注目が集まっている。ビジネスパーソン個人、または企業におけるリスキリングへの意識や実施状況はどのようになっているのだろうか。はじめに、個人に対して「将来的に新たなスキルを身に付ける必要があると感じるか」を聞いている。結果は、全体で「とてもそう思う」が47.5%、「どちらかといえばそう思う」が45.6%となり、合計93.1%が新たなスキル習得の必要性を感じていた。また、回答を年代別に見ると、「とてもそう思う」の割合は30代の75%が最も高く、40代で54%、50代で34.4%、60代以上で30.9%に。年代によって意識に差はあるものの、いずれの年代でも3割以上が「新たなスキルを身に付ける必要性」を感じていることが判明した。

スキル習得を必要とする理由は「仕事の幅を広げるため」が約7割で最多
続いて、「新たなスキル習得の必要性を感じている」とした回答者を対象に「その理由」を尋ねると、「仕事の幅を広げるために、継続的にスキルアップしたいから」が69.3%でトップに。以下、「自身の希少性を向上させ、市場価値を上げたいから」が53.7%、「中長期的にキャリアを考えると、現状のスキルだけだと不安を感じるから」が39.3%と続いた。
半数以上が「リスキリングに取り組んでいる」と回答。個人での実施が4割超
また、「現在リスキリングに取り組んでいるか」について、「取り組んでいる」との回答が54.8%に。半数以上のビジネスパーソンが、すでにリスキリングに取り組んでいることがわかった。さらに、「取り組んでいる」と回答した人にその方法を尋ねたところ、「個人で取り組んでいる」が40.3%、「勤め先を通じて取り組んでいる」が9.4%、「勤め先でも個人でも取り組んでいる」が5.2%だった。「個人で取り組んでいる」と回答した人の合計(45.5%)が、「勤め先を通じて取り組んでいる」と回答した人の合計(14.6%)の約3倍となったことから、主体的にキャリア形成に取り組むビジネスパーソンの多さがうかがえる。

新たに身につけたいスキルは「データ解析・分析」が6割超でトップ
「今後新たに身に付けたいITスキル」にあてはまるものを3つまで選んでもらった結果、「データ解析・分析」が62.5%と突出して多かった。以下、「デジタルマーケティングが34.6%、「プロジェクトマネジメント」が31.8%などと続いた。
「リスキリング」を実施中の企業は約2割。「今後取り組む予定・検討中」は4割近くに
企業の経営層・人事担当者を対象に、企業として「現在リスキリングに取り組んでいるか」とも尋ねている。すると、「取り組んでいる」は19.2%と約2割にとどまった。一方で「今後取り組む予定もしくは検討中」が38%という結果から、今後、リスキリングに取り組む企業が増加することも予測される。
7割の企業が、取り組みの理由を「事業に必要なスキルを持った人材育成のため」と回答
また、「現在リスキリングに取り組んでいる」または「今後取り組む予定もしくは検討中」とした企業を対象に、「その理由(企業課題)」について尋ねた。その結果、「事業成長や新規事業に必要なスキルを持った人材を育成するため」が75.4%で最多に。以下、「人的資本経営のため」が38.7%、「社員のキャリア支援のため」が35.9%などと続いた。
9割以上の人事担当者が、「リスキリングは市場価値向上につながる」と回答
さらに、企業の経営層・人事担当者に「年齢にかかわらずリスキリングに取り組むことは、市場価値を上げることにつながると思うか」を尋ねた。すると、「そう思う」が50.6%、「どちらかといえばそう思う」が43.7%で、合計94.3%に。回答者の9割以上が「リスキリングは市場価値の向上につながる」と考えていることがわかった。