株式会社リクルートスタッフィングは2021年6月23日、「障がい者雇用の実態調査」の結果を発表した。調査期間は同年6月5日~7日で、従業員規模25~5,000人以上で障がい者雇用を行っている企業の経営者、人事・労務担当者、総務担当者711名から回答を得た。これにより、民間企業における障がい者雇用の実態や、今後の方向性が明らかとなった。
「障がい者法定雇用率」の引き上げにより、各企業の雇用はどのように変化しているのか。取り組み事例や課題を探る

4割の企業が「障がい者雇用数を増やす予定」と回答

2021年3月に、障がい者の法定雇用率が2.3%に引き上げられた。それを受け、企業ではどのような取り組みがなされているのだろうか。

はじめに「障がい者法定雇用率上昇による、障がい者雇用への取り組み姿勢」を尋ねた。すると、「今までよりも障がい者雇用数を増やす予定」が36%と、4割近い企業が障がい者雇用に積極的であることがわかった。また、「今までと同程度の雇用数を維持する予定」は50.6%となった。
障がい者雇用への取り組み姿勢

「障がい者への理解」や「ダイバーシティ推進」につながったことで、働く環境の改善を実感

続いて「障がい者雇用を推進して良かった点」について尋ねた。その結果、「従業員における障がい者への理解が深まった」(45.7%)、「障がい者と一緒に働ける環境が整ってきた」(33.1%)、「ダイバーシティが推進された」(25.9%)などと続き、「従業員の心理面の変化」や「働く環境の改善」といった効果を実感している様子が見受けられた。
障がい者雇用を推進して良かった点

4割以上の企業が「仕事の切り出しの難しさ」に課題を感じている

一方、「障がい者雇用における課題」について尋ねると、「障がい者の方に任せる仕事の切り出しが難しい」が42.8%、「就業場所の確保が難しい」が34%、「業務マネジメントが難しい」が26.6%という結果に。障がい者雇用においては、その特性に合わせた業務の提供や働く場所の確保、マネジメントなどに課題があることが判明した。
障がい者雇用における課題

障がい者雇用推進のためには「働きやすい環境整備」や「受け入れ側の理解促進」が重要

次に、「障がい者雇用推進目的で行っていること」について尋ねた。その結果、「受け入れ部署の理解促進」(48.8%)、「障がい者の方が働きやすい制度や勤務体系の導入」(36.1%)が多数となった。各企業において、「障がい者が働きやすい環境づくり」を中心に取り組んでいることがうかがえる。
障がい者雇用推進のため行っていること

約半数が「障がい者のテレワークを導入している」もしくは「導入意向がある」と回答

最後に、「自社で雇用している障がい者の在宅勤務(テレワーク)導入有無・検討状況」について尋ねた。すると、「導入している」が35.9%、「導入していないが、今後導入していきたい」が13.4%となり、約半数の49.3%が「障がい者雇用におけるテレワークを導入、もしくは今後の導入を検討している」ことがわかった。
障がい者雇用におけるテレワークの実施状況
各企業において、障がい者雇用における環境整備が進んでいるようだ。課題解決をしている成功企業の情報をキャッチアップしたり、テレワークの導入を検討したりするなど、障がい者雇用においても、より多様な働き方ができるよう検討してみてはいかがだろうか。

この記事にリアクションをお願いします!