経済産業省が行政手続きをデジタル化。「Microsoft Power Apps」を活用した実証実験をスタート

Winテクノロジ株式会社と日本マイクロソフト株式会社は2020年2月、経済産業省が、マイクロソフトのビジネスアプリケーション作成ツール「Microsoft Power Apps」を活用した実証実験を開始したと発表。中央省庁と自治体における業務のデジタル化を目指した取り組みで、2020年内の本格展開を目指すとしている。

膨大な中小規模の行政手続きに対し、デジタル化が急務に

2017年に、国民や事業者の利便性向上と、行政運営の効率化推進を目的として、政府が「デジタル・ガバメント推進方針」を策定。また、国の行政手続の9割をオンライン化するといった「デジタル手続法」が国会で成立したことなどを背景に、近年、行政のデジタル化およびDXの取り組みが加速している。

政府による行政手続の種類は約5万8,000種類。件数にすると、年間21億件となり、その数は膨大だ。また、その種類の大半を占めるのが、年間10万件未満という中小規模のもので、数にすると約5万7,000種類にも上るという。さらに、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」においても、ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、日本の国際競争への遅れや経済の停滞などにより、大きな損失が生じる可能性があるという「2025年の崖」も大きな課題となっている。

これらの問題から、行政手続きに関するコストの削減は急務であり、デジタル化を進めるための方法を導き出すことの必要性は高い。

課題克服のため、経済省はWinテクノロジとマイクロソフトの両社と連携し、「Microsoft Power Apps」を活用した、簡便かつ迅速なDX手法とその効果検証を目的とした実証実験をスタートした。Power Appsは、専門知識がない人でも簡単にビジネスアプリケーションの作成ができるツールで、現場に必要なアプリの作成から、その効果検証や問題点の改善までが速やかにおこなえる。多種多様な手続業務のデジタル化に適したツールとして採用されたという。

実証実験の具体的な内容としては、「後援名義申請デジタル化等を例とした行政手続PaaS環境の導入実証・調査事業」における導入検証や、Power Appsを活用して開発した行政手続用アプリケーションの導入実証、また、同省内のIT専門人材によるデジタル申請可能な環境構築と改善をおこなうとしている。これにより、手続きのデジタル化の拡充をはかる計画だ。

これまでにも多くの行政職員が、業務のデジタル化を願ってきたものの、時間やコストに見合った効果を得ることが難しいことから具体的な検討は足踏み状態となっていた。本事業が行政手続のデジタル化に向けた新たなアプローチとなるか、実用化への期待が高まる。

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HRプロ編集部

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