従業員の属性や行動のデータをもとに、従業員満足度の向上など様々な施策に活用する「ピープルアナリティクス」という手法が注目されている。本講演では、その活用状況を経年調査してきたPwCコンサルティング合同会社のスペシャリストが、直近の調査結果を紹介するとともに、迫りくる「人的資本開示」の取り組みへの課題や方法論について解説した。
「ピープルアナリティクスサーベイ」の調査結果から読み解く、人材データ活用の動向と強化すべき取り組み
齋藤 冠郎 氏
著者:

PwCコンサルティング合同会社 組織・人事コンサルティング シニアマネージャー 齋藤 冠郎 氏

SIer、総合人材サービスを経て現職。人・組織コンサルティングの領域において、人事制度設計、チェンジマネジメント設計~導入の他、ピープルデータを活用したパフォーマンス分析、配置分析、ワークスタイル分析などのピープルアナリティクスを担当し、問題発見と課題化、人事施策化支援において貢献。HR×デジタル・アナリティクスを専門分野として活動する。People AnalyticsおよびStrategy Workforce Planning/Saratoga(人・組織ベンチマークサービス)の開発リード。主なセミナーは、「ウィズコロナ・アフターコロナにおける新たなワークスタイル確立への第一歩」

野上 大 氏
著者:

PwCコンサルティング合同会社 組織・人事コンサルティング マネージャー 野上 大 氏

新卒でPwCコンサルティング合同会社に入社。組織・人事領域のコンサルタントとして、働き方改革、人材育成、人事諸制度改革、チェンジマネジメントとコミュニケーション設計など幅広い領域の変革を支援。ピープルアナリティクスでは、ハイパフォーマー分析、採用分析、配置分析、データレイク基盤構築、データドリブンHR実現支援などの経験を有する。PwC JapanグループのDigital Accelerator。

「ピープルアナリティクス」の最近のトレンドとは

野上氏「ピープルアナリティクス」の取り組みに見る活用の変化、そして今後の展望についてご説明していきたいと思います。

ピープルアナリティクスを巡る最近のトレンドには、「ビジネス構造の急速な変化」、「人材ポートフォリオの多様化」、「デジタルテクノロジーの進化」、「働き方改革の推進」などが挙げられます。また、変化の激しい現代においては、過去の経験や勘だけではなく、「非連続性の高い環境での人材マネジメントの再構築が必要になる」というメガトレンドがあると思います。

2019年に、弊社が全世界の79ヵ国1,246名に対して実施したサーベイによると、経営者や人事責任者が考えるリスクケイパビリティとして一番に上がってきたのが、まさに「データを活用した意思決定」。今後、人事担当者には「データをいかに活用して、的確な意思決定を行うか」が求められると見受けられます。

ピープルアナリティクスの活用領域としては、人材マネジメントでは「人員計画」や「採用」、「配置」、「育成」、「組織風土」、「ワークスタイル」、そして「退社」までの全領域です。元々は「採用領域の最適化分析」や「配置のマッチング分析」が主流でしたが、最近では「ワークスタイル分析」や「メンタルリスク分析」も進んでいます。
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