大企業では6割が新入社員研修の時期や期間を変更

続いて、「新入社員研修の開催」について見てみます。まず、新入社員研修の開催予定の有無については、「開催の予定はあった」が92%で、9割以上を占めています[図表12]。企業規模による差異はほとんどなく、いずれの企業規模においても9割前後の企業が新入社員研修を予定していることが分かります。
研修の実施期間の短縮や延期・中止の検討状況を聞いたところ、「短縮や延期・中止はしない」が52%と過半数で最多となり、次いで「実施期間の短縮」が29%、「実施の延期」が14%、「実施の中止」は5%となっています[図表13]。このように中止とする企業はほとんどなく、社会人としての重要な基礎教育である新入社員研修は、入社式にも増して、開催期間の短縮や延期を容易に行えるものではないことがうかがえます。
また、企業規模別に見ると、「短縮や延期・中止はしない」とする企業は企業規模が小さい企業ほど多く、中小企業で63%、中堅企業で47%、大企業では40%となっています。多人数の新入社員がいる大企業では「実施期間の短縮」が36%、「実施の延期」が19%、「実施の中止」が4%と何らかの変更をする割合が59%と全体の6割を占めています。

大企業の4割以上で「少人数制に分けて研修実施」

新入社員研修について、当初予定していた実施形態として「集合研修」が97%と圧倒的で、次いで「職場見学・実習」が53%と続いています。上位2項目は新入社員がより多く1カ所に集合する場を形成してしまうことが予想され、ほとんどの企業で感染リスクが懸念される形態による研修の実施を予定していたことが分かります[図表14]。いずれの企業規模においても実施形態の傾向に大きな差異は見られませんが、唯一、「eラーニング/オンライン講座」については、大企業(17%)と中堅・中小企業(9〜10%)で2倍近くの差異が見られます。
「集合研修」や「職場見学・実習」など、1カ所に新入社員や講師など多数の人々が集合する形態での研修を予定していた企業が9割以上である中、企業はどのような手段で感染リスクを回避しようとしているのかを見てみましょう。「新入社員研修の実施形態の変更内容」として最も多いのは「少人数制に分ける」で24%となっており、次いで「新しくオンラインライブ配信」が17%、「新しくeラーニング」が11%、「新しくオンライン収録配信」が5%となっています[図表15]
企業規模別に見ると、大企業では「少人数制に分ける」が45%で最多であり、次いで「新しくオンラインライブ配信」が26%、「新しくeラーニング」が15%など、研修の参加人数を少数にするとともに、オンラインサービスを活用した研修で対応することとしています。また、中堅・中小企業では「変更する予定はない」が5割前後もあり、予定どおりの形式で実施する企業が半数を占めていることになります。

入社式、新入社員研修の短縮やオンライン化は、致し方ないことではあるものの、あるメーカーの担当者が自由記述欄に書かれた以下の言葉が印象に残っています。

「新入社員自身が『自分は歓迎されていない』という印象を持たないか懸念している」。

従業員の健康確保はもちろん重要で最優先に考える必要がありますが、併せて新入社員や新卒採用の応募学生への“心のケア”も忘れないようにしたいものですね。