第83回 花盛りの1Dayインターンシップ ── 果たしてその内容は

採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

ProFuture代表の寺澤です。
2019年卒採用の広報解禁が3月1日に迫る中、インターンシップによる早期母集団形成が繰り広げられています。今回は前回に続き、HR総研が昨年12月18〜21日に実施した「2018年新卒採用と2019年新卒採用に関する動向調査」の結果から、特に「インターンシップ」をテーマに見ていきたいと思います。昨年から経団連が「指針の手引き」における「5日間以上」の制約をなくし、「1日タイプ」のインターンシップを容認したことから、企業規模を問わず1Dayインターンシップが花盛りとなっています。果たしてその内容はどうなっているのでしょうか。

夏から早くも1Dayインターンシップが急増

経団連の「指針の手引き」の改定の影響はすぐに現れました。昨年夏に実施されたインターンシップと、その前年に実施されたインターンシップのタイプを比べてみたのが[図表1]です。変化は一目瞭然です。「2週間以上」のインターンシップの実施割合はほとんど変わっていないのに対して、「半日タイプ」は13%から19%へと6ポイント伸び、「1日タイプ」は25%から40%へと15ポイントもの伸びを見せています。一方の「1週間タイプ」は、29%から21%へと8ポイントの減少となっています。前年まで「1週間タイプ」を実施していた企業が「半日タイプ」や「1日タイプ」へと変更したとともに、これまでインターンシップを実施してこなかった企業がインターンシップを開始するなど、企業にとってインターンシップを実施しやすい環境になったといえます。

大企業で「2〜3日タイプ」が多いわけ

企業規模別の違いについても見ておきましょう[図表2]。最も際立つ違いは、他の規模の企業と比べて大企業では、「2〜3日タイプ」の実施率が突出していることです。中堅、中小企業での実施率が17%、15%なのに対して、大企業では38%にも及びます。「1日タイプ」については、規模による差異はそれほどないとはいえ、最も多いのは大企業の43%です。前年の大企業のデータを見てみると、「2〜3日タイプ」30%、「1日タイプ」22%だったことを考えると、「1日タイプ」は20ポイント以上の伸びを、「2〜3日タイプ」でも8ポイントの伸びを見せています。前年までの「5日間」のプログラムを「1日」に改編するのには無理があります。「5日間」のプログラムを「2〜3日」のプログラムに短縮した企業と、新たに「1日タイプ」のプログラムを開発した企業があると考えたほうがよさそうです。
また、大企業で「1日タイプ」だけでなく、「2〜3日タイプ」が多くなっている理由としてもう一つ、経団連の「指針の手引き」にある次の文言も影響しているのではないかと思われます。

「なお、インターンシップ本来の趣旨を踏まえ、教育的効果が乏しく、企業の広報活動や、その後の選考活動につながるような1日限りのプログラムは実施しない」
(指針の手引きより)

企業が柔軟かつ多様なプログラムを実施できるよう最低日数要件を削除したものの、教育的効果が認められる内容であれば「1日タイプ」でも構わないが、採用セミナーまがいの教育的効果が乏しいプログラムでは依然として「1日タイプ」を認めないとしているのです。この規定に背かないようにする意味で、「1日タイプ」ではなく、「2〜3日タイプ」で実施している企業も少なくないのではないでしょうか。「2〜3日タイプ」にすれば教育的効果が伴うというわけではありませんが、「1日タイプ」よりはプログラムを工夫する余地はかなりあります。

著者プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
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